#5 未来あるインターンシップ生
1. 学生が就職先を考える決め手
過疎指定された東彼杵町にも地方公務員希望の若き青年が来てくれます。嬉しい限りです。しかし、こういう希望に満ちた若い人材を確実に捕獲（≒採用）できるか？は行政職員の腕の見せ所です。
「私たちは安定の行政職員ですからー！」
と、ふんぞり返ってしまったり、
「うちみたいな地方に来てくれるのだろうか？」
と、オドオドしている職員の姿を今の若い子は見抜きます。そして逃げられます。
一方で、企業はあの手この手で人材を取り合っています。就活生が着目するところは給与や福利厚生の待遇だけに留まらず、勤務先の見た目（トイレが汚いとか、ウォッシュレットがないとかで辞退する大学生がいるくらいです）、イメージ、ブランド力など様々です。ちなみに、私が化学メーカーで21年働いていたときの身近な例として、”AGC”とか”DIC”が人気女性タレントを起用したTVコマーシャルを出してきて、同じ業界の会社がそんなことやるんだと、ちょっと羨ましく感じたものです。後から聞いた話ですが実際に新卒応募（しかも女性）が増えたと聞きましたので効果絶大です。
ちなみに…
AGCは、旧 旭硝子株式会社
DICは、旧 大日本インキ化学工業株式会社
です。元々はガラス屋とインキ屋だったのですが、時代の流れと共にガラスだけ、インキだけでは事業が成り立たないのでコア事業のガラスとかインキを社名に残さず、クリーンなイメージの女性タレントを起用した”変える戦略”が見事にハマったと言えます。
地方自治体の人事担当の皆さん、ボーッとしてたら終わっちゃいますよ。
オランダでは”ニクセン”と言って何にもせずボーッと過ごすストレス解消法があるとか…
2. キミ、頭堅いなー！
インターンシップ生のT君は長崎県内の大学生。なんと、東彼杵町役場にインターンシップで来てくださいました！ T君は行政職員の先輩たちから行政の現場を色々学ぼうと思ってやってきたようですが、ついぞ数ヶ月前まで企業で営業マンをしていた私との出会いはどう映ったのでしょうか。
初日から色々話をしていく中で、私、我慢できずに言っちゃいました。
「キミ、頭堅いなー！（笑）」
「筋肉と同じで硬い（堅い）だけではダメ、柔軟性が要るんだよ」
おそらく周りの行政職員はヒヤヒヤして見ていたんじゃないかと思います。でも、意識を変えるなら少しでも早い方が良いのです。年老いた頭の堅いジジイやババアになってからでは遅い（と、私は自分に言い聞かせてます）。雑用と電話応対そして訳のわからない書類の山を見せられて、何となく行政職員というものを知ったような気になって大学に帰すなんて私にはできません。
インターンシップだからこそ色んな機会を与え、視野を広げてあげるちょっと過激な親心が必要なのです（そうなのか？）。
でも、頭がかたいのはダメ。
3. 行政も稼ぐ時代です
まず、↑のサブタイトルを見て、
「行政が稼いでどうするんだ？」
と言うちょっとネガティブなご意見もあるでしょう。今後、国民の人口減少が明らかな中で、新しいことを何もせず税収や国からの交付金に頼るのは、家庭の中において年々お小遣いを減らされるオッサンと同じで最低限の行政活動（オッサンの場合は飲み会やゴルフに行く回数が制限されると言ったところでしょうか）しかできなくなるのです。要は”オワコン自治体”です。税金というお小遣いを減らされても住民の生活基盤を守ったり、魅力ある町づくりをする必要があり、そのためには自力で多少の事業費（予算）を稼げる組織にならないといけません。
「営業の一番大事な仕事は、お金をもらってくること。商品を売ることでも、お客に可愛がってもらうことでもない。それらはお金をもらう手段でしかない。金をもらって来れないなら営業マン失格。」
これは、私が営業マンに成り立ての時に当時の上司に言われた言葉です。今でも肝に銘じています。BtoBの営業経験がある私が東彼杵町に来たということは、お金をもらってくる（税収や交付金以外の稼ぎを見出す）ことなのだろうと自分なりに使命感を持っています。
インターンシップ生のT君にこの話をしたら目ん玉飛び出して驚かれました。
（私）「だろうな、教科書通りの行政やっても面白くないだろ」
4. 次回予告
T君とのエピソードでは”ポケふた”プロジェクトを語らずにはいられません。ポケモンキャラクターが描かれたマンホールのふた（各自治体に１つしかもらえない）のキャラクター案を決めるのに、私とT君の激しい（？）バトルが勃発します。（この話はポケふたのキャラクターが正式に発表される頃／来春？にしましょう）
さて…、10月25日からちょっと遅い夏休みをもらうのでちょっと充電。
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