Takuya Nakaizawa

気まぐれに哲学や政策のことについて書きます。

Takuya Nakaizawa

気まぐれに哲学や政策のことについて書きます。

最近の記事

「期待をしない方がいい」という態度にどのように向き合うことができるか

否定的な意味合いで語られる「期待」  「人間関係において、期待しない方がうまくいく。なぜなら、期待することのほとんどが思い通りにいかないから」云々というような言説を最近よく聞くし、私が観測する限りどうも一定の支持を得ているように感じる。  これの変種として「うまく人付き合いしたいならそもそも他者に期待するな。自分でなんとかできるようにせよ。」というある種の処世術として語られることもあれば、「期待することが人間関係がうまくいかない原因だから、そもそも期待すること自体が間違って

    • 【学会後記】日本語教育学会 2023春

      日本語教育学会の2023年の春季大会にて、『「学」としての日本語教育はいかに可能か?-規範的教育学の視点から-』というポスター発表をしました。 Web掲載用の要旨(34ページに掲載):https://www.nkg.or.jp/event/.assets/web-2023spring.pdf いささか挑戦的な主題ですが、大会テーマが「日本語教育学の「これまで」を振り返り,「これから」を指し示す」というものだったので、ちょうど卒論で取り組んだ内容と近いと思って、卒論の一部(だ

      • 人生が耐え難くなったとき、ひとは何を思うのか(思考メモ)

        人生が耐え難くなると、状況が変化することを人は思い描く。だが、最も大切で有効なのは、自分の態度を変えることだ。しかし、我々はこのことをほとんど思いつかない。そういう決心をするのは極めて難しい。(Ludwig Wittgenstein)  昨年の夏前に大きく体調を崩し、10月末〜11月頭のほんの2週間ほど良くなってきたかと思いきや、結局11月末あたりからまた不調になって、一向に薬の量も減らないまま今日まで至っております。  休学を1年引き延ばしてまで注力した事業は実力不足が

        • 「それは結局、あなたがどうしたいかじゃない?」に対する違和感、あるいは遺書 / A sense of incongruity against a word "After all, you should do what you want to do", or a will

          *このエッセイの英語versionは近日中に公開します。 / The English version of this essay will be published in a few days. 序. 遺書(will)を書くということを意志(will)するということ 今からここに書くのは、自分が生きてしまってきた23年6ヶ月の総決算であり、その意味で過去の自分を葬り去る「遺書」です。この遺書の主題は、「それは結局、あなたがどうしたいかじゃない?」と所々で言われた問いそのもの

        • 「期待をしない方がいい」という態度にどのように向き合うことができるか

        • 【学会後記】日本語教育学会 2023春

        • 人生が耐え難くなったとき、ひとは何を思うのか(思考メモ)

        • 「それは結局、あなたがどうしたいかじゃない?」に対する違和感、あるいは遺書 / A sense of incongruity against a word "After all, you should do what you want to do", or a will

          「留学は金持ちがするもんでしょ」と思ってた自分が留学に行くまで

          <このnoteのまとめ> ・留学に行くハードルはめちゃくちゃ下がってる。 ・留学をたいそうなものと考えなくてもいいんじゃないか。「環境を変えるため」くらいの意味合いでも,重要な契機となったりする。 ・留学はそれ自体が目的ではなく,あらゆる目的に対する手段。その点で,どんな人にも検討する価値や余地はあると思う。 神奈川県立横浜国際高校という,在籍生徒の約半数以上が海外に何かしらのつながりがある学校にいた。英語が好きだったからという単純な理由で選んで入ってみたはいいものの,英語

          「留学は金持ちがするもんでしょ」と思ってた自分が留学に行くまで