スーツじゃなく、裸一貫で稼げる男になりたい。マサさんのように−1−
俺がトレーナーになったのはこのような単純な動機からだった。
中学2年の夏にプロレスにはまった。
分厚い胸板
太い腕
メロンのような肩
スイカのようなお尻
チキンレッグとは到底言えない大腿四頭筋からハムストリングまで発達した脚
友達の家で見た瞬間に『これだ!』って思った。
当時の俺は肥満クラブに入るほどの肥満児だった。
うる覚えだが、172㎝105kgの立派な肥満児。
それもそのはず家は相撲部屋のような食事スタイルだった。
・スパゲティーはラーメンどんぶり(もちろんミートかけ放題)。
・ご飯はラーメンどんぶりで日本昔話盛り(もちろん食べ放題)。
・しゃぶしゃぶ&焼肉のWメインという超最強タッグ。
など。
小学校時代は、家によく友達がきていて、その時に、母親が用意していたのは、コーラorスプライト2リットル、キットカット大1袋、ポテチ大1袋、おにぎり弁当(卵焼愛情入り)。
1時間後には、ラーメンどんぶり日本昔話盛り。
こんな食生活が毎日のように続いていて、家でTVゲームしかしていなかったから、あれよあれよと太っていった。
そんな体格だったから思春期で、性春期なのに自信がないから女の子に話しかけられない。
どんどん鬱憤と性欲だけがたまっていった。
そんな中、一筋の光が差し込んだんだ。
忘れもしないマサ斎藤vsグレート子鹿である。
常に何かを変えないとこのままじゃダメだ!と思っていたから、引き寄せとも言える。
その瞬間から俺はマサ斎藤を目指して肉体改造に着手した。
腕立て伏せはお恥ずかしい話しだが1回もできない。しようがないから膝をついて1回、2回と繰り返していった。
すると二週間後には膝をつかずに腕立て伏せができるようになった。
この時『できないことが出来るようになっていくって楽しい』。
心からそう思った。
楽しくなればこっちのものだ。
毎日、腕立て伏せ、腹筋、背筋のオーソドックスな筋トレを繰り返して生まれてはじめてのダイエットにも成功した。
105Kg→90kg
−15kgに成功した。
ダイエットに成功すると不思議なもので『比嘉ちゃん痩せなよな?ええやん』と逆に話しかけられた。
その時、溢れ出る自信が心と下半身にみなぎったのは言うまでもない。
そこからこの20年間、筋トレを欠かしてはいない。
つづく。