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水泳は健康にいい/ジュリエット・ビノシュ  

 なぜだろう。私の知っているジュリエット・ビノシュはよく泳ぐ。
『存在の耐えられない軽さ』『トリコロール/青の愛』での温水プール、『ポンヌフの恋人』『ショコラ』での川。それだけなのだが。

『存在の耐えられない軽さ』で、衝撃的なスクール水着と丸太のような体形で田舎娘を表現した彼女は、その純朴な色気で都会の医師ダニエル・デイ=ルイスを魅了した。しかも後日家に押しかけてきた彼女の脇の下は、ボーボーであった。この時のシーンと、わき毛をさらしたソフィー・マルソーのストレッチ姿で、私の頭には「フランスの女性=腋毛を剃らない」がインプットされた。

 高校生の私に『存在の耐えられない軽さ』は、いらん衝撃を次々植え付けていく。
 ビノシュのはく下着が、パンティではなく明らかに「ズロース」と言われるたぐいのものだったのもそうだ。それも、浮気を決意して向かった相手先でさらした下着がズロース。その四角いズロースで、ビノシュは不倫相手との情事に挑む。スクール水着やわき毛で意図せず女たらしのダニエル・デイ=ルイスを籠絡したように、ジュリエット・ビノシュは濡れ場をクリアしていく。
 
『ダメージ』『イングリッシュ・ペイシェント』

 何だろう、黒い夢見るような瞳と丸っこい髪型、存在感のある太ももは、どうも色気を感じさせないのに私の見た映画では必ずベッドシーンがある。その上彼女はガンガン泳ぐ。体育会系の泳ぎだ。濡れても健康的で、濡れ場も有酸素運動にしか見えない。いやほんと、偏見としか言いようがないんだが。
『存在の耐えられない軽さ』『ショコラ』で共演したレナ・オリンが淫猥な色香を漂わしてくるせいか、ビノシュの健康優良児感がきわだつ。最近、老けてきたことで顔の丸みが落ち、デコルテの開いたドレスを着ると色っぽく見えるようにはなったが。

 ちなみに、『イングリッシュ・ペイシェント』に登場する洞窟は「泳ぐ人の洞窟」と言うらしい。何のオチにもなっていません。おわり。


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