【児童文学評論】 No.322 2024/12/31

 http://www.hico.jp

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オランダの子どもの本こぼれ話(12) 
                     野坂悦子

思いがけず、アムステルダムの「翻訳者の家」で開催される「翻訳ワークショップVertaalworkshop」に招待され、2024年12月8日、成田から旅立ちました。今年二度目のオランダです。
https://www.facebook.com/Letterenfonds?locale=ja_JP(12/16)
『世界中の翻訳者に愛される場所』(松永美穂著、青土社)
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3958
を読んで、「翻訳者の家」を知った方もあるかもしれません。そこで紹介されていたのはドイツの町シュトラーレンにある、どの国のどんな言語の翻訳者でも受け入れる施設。でも私の目的地は、オランダ文学基金が長年運営する「翻訳者の家」です。
https://www.letterenfonds.nl/en/discover/amsterdam-translators-house
オランダとフランドル(ベルギー)の文学基金のリストに載っている翻訳者が滞在できる場所ですが、新しい翻訳者たちも使えるように、最近では柔軟な受け入れも始めたと聞いています。

所在地は交通便利なミュージアム広場のすぐ近く。部屋は全部で5室、それぞれにオランダの有名作家の名がつけられ、ほかに事務室、キッチンダイニング、サンルームがあります。2023年6月に大規模な改装工事を終えたばかりで、私も改装後の利用は初めてでした。今回泊ることになったのは、3階の「アニー・M.G.シュミット」の部屋です。ドアを開けると、そこはピンク一色のアニーの世界。様々な言葉に訳された本や写真、コンビを組んだフィープ・ウェステンドルプの描いたポスターが、壁いっぱいに飾られていました。

「翻訳者の家」の担当者から、「翻訳ワークショップ」について最初の打診があったのは9月でした。「『ミシュカ(Misjka)』の
https://www.singeluitgeverijen.nl/querido/boek/misjka/
各国翻訳者が集まり、この本ならではの翻訳の問題点を話し合い、お互い翻訳のスキルを磨きあいます」「作家のエドワルト・ファン・デ・フェンデルと画家のアネット・スカープも出席します」と書かれたメールに心が躍り、前後のハードスケジュールは覚悟のうえで、参加を決めました。翻訳者の家ではこんな「翻訳ワークショップ」を定期的に企画していて、今回の企画は、翻訳者の家、オランダ文学基金、版元のケリド出版が協力しあって計画されたものだそうです。

テーマ作品の『ミシュカ』は、アフガニスタン難民としてオランダにやってきた家族と、その家で新しく飼えることになったウサギのミシュカの物語。エドワルト・ファン・デ・フェンデルが、難民だった青年(共作者のアヌーシュ・エルマン)から聞いたエピソードがもとになっています。2023年度オランダ金の石筆賞に輝き、日本語も含めて、現在までに9つの言語圏で翻訳出版権が売れている作品です。

長年、第一線で活躍している作家・詩人・翻訳家のエドワルト・ファン・デ・フェンデルですが、2023年には「ブルーグラス出版」というインプリントをシンゲル出版の中に立ち上げました。エドワルトは、2024年国際アンデルセン賞作家賞候補としてショートリストにもノミネートされ、
https://www.ibby.org/awards-activities/awards/hans-christian-andersen-award/hans-christian-andersen-awards-2024/hcaa-2024-shortlist-profiles
業績全体に対して、今年テオ・タイセン賞が贈られています。
https://literatuurmuseum.nl/nl/literatuurprijzen/theo-thijssen-prijs
いっぽう、挿絵を描いたアネット・スカープは、『Hoe overleef ik(私はどのように生き残るか)?』(未邦訳)シリーズの絵など、画家として長く活躍してきました。初めて文章と絵の両方を手がけた『Lampje』で2018年に金の石筆賞を受賞し、作家としても脚光を浴びている人物です。
https://www.edwardvandevendel.nl/
http://www.annetteschaap.nl/index.html

二人についての報告は、また別の機会に譲ることとして、今回は各国翻訳者との出会いに光を当てましょう。招待された翻訳者はRolf Erdolf(ドイツ語)、Nancy Forester-Flier(英語)、Kairi Look(エストニア語)、Maurice Lomré(フランス語)Laura Piganatti(イタリア語)、そして日本語の私の計6名です。実は出発直前まで『オランダ語の議論に、ちゃんとついていけるだろうか?』と心細く思っていたのですが……なにしろ集まったのは、同じ作品の訳を手がけた仲間同士、すぐに意気投合しました! なお12月9日から12日までの全日程に、オブザーバーとして、新人翻訳者の薬袋洋子さんも参加しました。

「翻訳ワークショップ」の中では、ロルフ、ナンシー、カイリ、モーリス、ラウラ、私の6名が、それぞれ翻訳に苦労した文章の一節を、ソース原語(原文)とターゲット言語(翻訳先の各自の言語)で抜き出し、一時間ずつプレゼンテーションを行いました。このうち、エストニア語版と日本語版以外は、すでに出版物になっていて、『Mischka』(ドイツ語版、フランス語版)『Mishka』(英語版)『Misha』(イタリア語版)と、スペルの微妙な違いが目をひきました。ミシュカは、もともとロシアの人名ミハイルの愛称です。「なぜ、ウサギの名前がミシュカ?」と作家に質問すると、「現実にそういう名前だったから」とのこと。エストニアではミシュカという名は、ロシア人の中年男性か、オリンピックのシンボルだった小熊のイメージが強すぎて、ウサギの名前に使えない。そんな悩みも新鮮でした。

ほかにも、主人公ロヤの両親が使う謎のウサギ語をどうするか?という話題や、動作はどう訳すのか、という話題が出ました。「自然なドイツ語にするためには、動作の順序を入れ替えたり、言い換えたりする必要があるんだ」というロルフの話にうなずきつつも、『動作や習慣がまったく違う日本の場合、あまり和風にしては原文を損なうなあ』と、私は心の中でつぶやきます。「オランダ語のリズムは移し替えられないけれど、イタリア語では心地よくSの音が続くようにしたの」と、ラウラは一節を朗読したあとで、説明してくれました。『ミシュカ』は絵本でも、詩でもなく、日本ではたぶん、中学年以上の読み物になる作品ですが、どの翻訳者も、声にした時のリズムを大事にしていることが、心と耳に残りました。

ラウラ(ラウラ・ピニャッティ)は、児童文学だけではなく、ヘラ・S・ハーセやヘルマン・コッホなど数々の文学作品も訳してきた大ベテラン。今年、オランダ文学基金の翻訳賞を受賞した方です。
https://www.letterenfonds.nl/actueel/laura-pignatti-ontvangt-letterenfonds-vertaalprijs
12月9日の授賞式の夜、私は他の翻訳者たちと誘いあわせて、市内の文化サロンSpui25に向かいました。檀上のラウラが、まぶしく見えます。作家たちからのビデオ・メッセージ(バルト・ムイヤールトや、エドワルトからの賛辞も!)に目を見張り、ラウラの感謝の言葉に耳を傾けました。そして「翻訳者としてだけではなく、オランダ語とオランダ文学を愛する一人の人間としての自分にこの賞が大きな意味を持つこと」や、自分を信頼してくれた作家たち、出版社、文学基金への感謝に加えて、三十年以上の経験に裏打ちされたラウラの言葉が、忘れてはいけないことを思い出させてくれました。以下、本人の許しを得て、謝辞を一部引用します。

「今回の受賞は、私自身の仕事に対する評価であると同時に、翻訳という芸術に対する賛辞でもあると考えています。ですから、このまたとない機会に、翻訳者の欠くことのできない役割を認識したいと思います。翻訳者としての私たちの仕事は、自分の声を押しつけることなく、作者の声をできるだけ忠実に伝えることです。そのためには、一方では高度な技術が要求され、他方では謙虚さが要求される。原文に忠実であることと、訳文がターゲット言語でも流暢で自然に読めることを保証することの間で、微妙なバランスを取る必要があるのです。著者の声が別の言語でも、可能であれば同じ力とニュアンスで響くようにするために……かげで働く仲介者なのです。このニュアンスの追求こそが、翻訳をやりがいのある魅力的なものにしています。翻訳には、両方の言語に関する深い知識だけでなく、文化的背景に対する感受性や、細部への鋭い観察眼も必要です。翻訳者は、行間を読み、隠された意味の層を見極めることができなければいけません」
そして、ラウラの謝辞はこう締めくくられました。
「ですから、国境を越えた文学の理解と鑑賞を推し進め、より良い世界的なコミュニケーション、理解、平和を推し進めるために活動している翻訳者のコミュニティの一員であることを、私は誇りに思っています。文学には国境を越え、人々をつなぐ力がある。翻訳は単に、言葉をある言語から別の言語に変換するだけではありません。異なる文化間の架け橋となり、思想や感情、文化を伝える行為なのです」

言葉の「葉」を一枚ずつ拾うことに汲々としてき私は、翻訳という大きな「樹」を見上げるのを、いつのまにか忘れていたようです。解決の見えない戦い、無意味な破壊が続く世界だからこそ、橋渡しとしての翻訳者はいっそうの自覚をもち、役割を果たすべきなのだと実感した瞬間、『アムステルダムに来てよかった!』と思えた瞬間でした。

次回は、ラウラの本を出版しているイタリアのSinnos出版のこと、そしてロルフ(2024年ドイツ児童文学賞で翻訳者として特別賞を受賞したロルフ・エアドルフ)の紹介もできればと考えています。
2025年が少しでも良い年になるよう、心からの祈りをこめて!

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三辺律子です。

 先日、日本で難民支援のボランティアをしている方とお話ししました。最近の問題は(もちろんそもそもの受け入れが少なすぎる問題とか、法整備の問題とかはとうぜんとして)、SNSでのヘイトがネットを飛び越え、小中学校に通う子どもたち(当事者も含む)にも悪影響を与えつつあることだそうです。悲しい。
 ヘイト対策は、いろいろな方がいろいろなところで活動していらっしゃるそうなのですが、教育現場ではまだ十分とは言えないそう。そこで、「移民・難民やヘイトの問題を教育現場で考えるきっかけのひとつとして、学校図書館で移民・難民・ヘイトにまつわる書籍や絵本、グラフィックノベルなどを置けないか」ということでした。実現するといいなと思います。
 わたしも大学生に毎年、テーマ別にお勧め本と映画のリストを(無理やり)配っているのですが、ジェンダー、フェミニズム、格差などに加え、「移民・難民」というジャンルも設けています。年度の授業開始までに自分が読んだ/観たものの中からなるべく大学生に興味を持ってもらえそうなものを(持ってくれーと、祈るような気持ちで)選んでいるので、まったく包括的ではないし、過去作品はあまり含まれていないし、そもそも翻訳や翻訳文学の授業なので海外のものしか載せていませんが(番外編として日本のものも少し)、ここにも掲載させてください。あ、自分の訳書もちゃっかり入れていてすみません……。でも、ファンタジーという形でワンクッションを置いてこのテーマを考えるのもいいかなと思っています。

⑤移民のテーマを持つ作品

『トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?』トレバー・ノア 英治出版
『行く、行った、行ってしまった』ジェニー・エルペンベック 白水社
『ぼくたちは幽霊じゃない』ファブリツィオ・ガッティ 岩波書店
『ハナコの愛した二つの国』シンシア・カドハタ 小学館
『アンナは、いつか蝶のように羽ばたく』(ウェイ・チム)アストラハウス 
『僕たちは星屑でできている』(マンジート・マン)、岩波書店
『アフガンの息子たち』(エーリン・ペーション)、小学館
『トラからぬすんだ物語』テェ・ケラー、評論社
『ズィーラーン国伝Ⅰ 神霊の血族』ローズアン・Aブラウン 評論社
『ズィーラーン国伝Ⅱ 王の心臓』ローズアン・Aブラウン 評論社
『オリシャ戦記 血と骨の子』トミ・アデイェミ 静山社

(番外:『やさしい猫』中島京子、『バグちゃん』増村十七、『家(チベ)の歴史を書く 朴沙羅』、『日本に住んでる世界のひと』金井真紀)

⑥移民のテーマを持つ作品(映画版)

『FLEE フリー』Flee 2022
『トリとロキタ』2023
『ミセス・クルナスvsジョージ・W・ブッシュ』2022
『アルマゲドン・タイム』2022
『ブルー・バイユー』2021
『海は燃えている 〜イタリア最南端の小さな島〜』2015
『ドーナツキング』2020
『希望のかなた』2017
『ヒューマン・フロー 大地漂流』2019
『グッドライ~いちばん優しい嘘』2014

(番外編『スープとイデオロギー』2021、『マイ・スモール・ワールド』2022、『東京クルド』2021)

 あと、別件です!(メールみたいですが)
 10代向けの海外文学をもっともっと読んでほしいし広めたいので、来年はひとつ企画をしよう!と思っています。みなさまに、「最近面白かった/10代に勧めたいと思った海外文学はなにかなー」と考えておいていただければとてもうれしいです。来月の「児童文学評論」までには、ちゃんと考えておきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〈一言映画紹介〉
『動物界』
人間が動物に変異してしまう奇病が発生した近未来が舞台。16歳のエミールは、獣化して“新生物”になりつつある母親をすんなりと受け入れることはできない。16歳としては当然だろう。フランスでは、獣化した患者を隔離することになり、エミールと父は母を追って南フランスへ引っ越すことに。ところが、患者の移送中事故が起こり、獣化した人々は森に逃げ込んでしまい…
獣化した人々の描写が恐ろしくもあり美しくもあり、映像にひきつけられる。思春期のエミールの複雑な気持ちが描かれ、ストーリーにもひきつけられた。今回のイチオシです。

『バグダッド・カフェ4Kレストア版』
 わたしは初めて見ました。正直、前半の砂漠にたたずむさびれたモーテルに、ドイツ人のジャスミンが住み着くあたりは「変わった映画だなー」と。でも、ジャスミンとカフェの女主人ブレンダのあいだに奇妙な友情?連帯感?が芽生えはじめたころからじわじわと魅力を感じはじめ、最後、あるシーンで泣きそうになってしまった。理由は不明。この時代に、黒人女性が主人公の映画って珍しかったのではと思う。主題歌「コーリング・ユー」最高。 

『映画を愛する君へ』
アルノー・デプレシャン監督の自伝的シネマエッセイ。そう、この「エッセイ」というのがぴったりで、初めて映画館へいった時、映画部の学生時代、評論家から映画監督になったころ、という自身の歩みと19世紀末の映画の誕生からの映画史をいっしょに描いている。名作も50本以上登場しているそう(私にはぜんぶわからなかったけど)。

『リアル・ペイン』
 ニューヨークに住むユダヤ人デヴィッドと従兄弟ベンジーが、ホロコースト生存者の祖母の生家を訪ねるため、ポーランドへ。ワルシャワの蜂起記念碑からルブリン強制収容所まで回る。圧倒的なホロコーストの苦しみを前に、デヴィッドが自分には苦しむ権利があるのか、何が「リアル・ペイン」なのだ? と問うシーンが心に刻まれる。
今の世界情勢を考えずに見ることは不可能で、複雑な気持ちを抱えながら鑑賞した。

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◆ぼちぼち便り◆ *作品の結末まで書かれています。

12月の読書会は毎年絵本を取り上げます。今年は、去年12月にシュルヴィッツの『よあけ』(瀬田貞二/訳 福音館書店 1977年6月 原書 Dawn 1974)を読んだことに関連し、また、JBBYの国際アンデルセン賞国内候補にあべ弘士さんが推薦されることになったことから、『よあけ』(あべ弘士/作 偕成社 2021年10月)を課題本に選びました。「わたし」が「黄金の9月」にじいさんと「クロテンやカワウソの毛皮を町へ売りにいく」ために、川を下って夜明けに遭遇する様子を描いた作品です。参加者は事前に『よあけ』とそれ以外に『よんでたのしい! いってたのしい!どうぶつえんガイド』(福音館書店 1995年4月)や『宮沢賢治「旭川。」より』(BL出版 2015年2月)などのあべ弘士の作品を読んできていましたが、最初に私が『よあけ』を全員の前で読み、あべが巻末に感謝の言葉を書いていることからシュルヴィッツの『よあけ』と『鹿よおれの兄弟よ』(神沢利子/作 G.D.パヴリーシン/絵 福音館書店 2004年1月)も紹介しました。

全体としては、すばらしい。静謐な世界。よさがじんわりと伝わってくる。「生きとし生けるもの」という言葉が浮かんだ。自然とともに生きるというイメージが伝わる。ダイナミックな世界が描かれていると思った。クライマックスは、星野道夫の写真と通じると思った。動物は大きく、人間は小さい。景色の中でも小さく描かれていて、大きい自然の中に人間が生かされているというあべ弘士の世界のとらえ方が感じられる、などの感想が語られました。

場面ごとに関する感想では次の発言がありました。冒頭は、遠くから見るとより魅力が伝わった。じいさんの語る動物の物語からは、動物と人間の距離の近さを感じた。動物が人間っぽくて、動物に対するじいさんと孫の親近感が伝わる。じいさんの語る物語の動物の絵を見ると、焚火の熱や、孫のどきどきが伝わってきた。天の川や水に映るものが美しかった。鳥の目、動物の目が魅力的。アビの羽の模様が四角く、調べると正確に描かれていることがわかった。他の生き物も細かいところまで正確に描かれているに違いないと思った(インタビュー記事『別冊太陽 絵本の作家たち 2』 小野明/聞き手 平凡社 2005年5月には毛並みも気になるというあべの発言があったことを紹介)。乳白色のページが続く中で少しずつ晴れていく様子が魅力的。日が差す一瞬が頂点として描かれている。毎朝日はのぼっているんだなあと思った。クライマックスの黄金色の美しさにびっくりした。ページをめくると、ぱっと変化して驚きが感じられる。最後に「ゆうべの岩山の上をふたつの雲があそんでいた」という表記と雲が2つ遊ぶ様子の絵があり、雲も擬人化され、じいさんと孫に見立てられているというのがユニークで、シュルヴィッツの自然のとらえ方との違いが感じられた。魂の自由を表現しているように思えた、などです。

また、シュルヴィッツの『よあけ』と比較して感じたことを述べる人も多くいました。シュルヴィッツの『よあけ』もあべの『よあけ』もそれぞれに個性がある。前者は音と色のない世界から急激に変化することで、光が色を作っていることが実感できる。後者は力強さ、地に足がついた感じがした。あたたかさを感じた。シュルヴィッツ作品は静けさから多彩な色が出現する。あべ作品は最初からにぎやかな感じがするが、明るいところから暗くなり、また明るくなるという変化があって、前半と後半の対比が印象的。また、動物が魅力的。シュルヴィッツ作品と比べるとにぎやかな感じがした。違っているけれど、似ていると思った。あべ作品は人間くさくて、絵本の中でのじいさんと孫の存在感が大きく、自然の中に溶け込んでいる感じがした。シュルヴィッツ作品では自然を見て感動する存在として描かれていたように思った、などです。

あべの他の作品についても感想が語られました。『よんでたのしい! いってたのしい!どうぶつえんガイド』 は、読んで楽しかった。何度も読みたくなった。図書館の本もぼろぼろで人気の高さがうかがえる。あべと言えばこの作品の作家だと思って覚えていた。1見開きを1時間かけて見られるほどおもしろい。凝り性で動物園の仕事が好きなんだなあと思っていた。動物好きにはたまらない。知っているようで知らない情報が多く、見るところが違うと思った。ヒトも登場しているところが興味深い。トナカイの角がクリスマスまで持つかなどの視点もユニークだと思った、などです。『宮沢賢治「旭川。」より』については、賢治のいた旭川に誘われた。自然の大きさ、美しさを感じた。賢治の詩からこういうイメージが浮かんだことに驚いた。大人の絵本だと思った。賢治の詩だけではわからない旭川のイメージが絵と足された言葉によって広がってすがすがしい気持ちになった。静けさを感じた。さわやかさを感じた。詩は簡潔で、文はやや説明的に感じた。こういう文学の楽しみ方もあると思った。色数を抑えることで魅力が増している。絵本から風や音やにおいを感じた。賢治と旅をしているような気持ちになった、などが述べられました。『ふくろうめがね』(くどうなおこ/詩 あべ弘士/絵 童話屋 1994年11月)を読んだ人もいて、あべの絵によって詩がカラフルに見えた、と語り、『ゴリラはごりら』(くどうなおこ/詩 あべ弘士/絵 童話屋 1992年10月)が好き。声に出して読んだら楽しかった、という人もいました。

あべ作品全体を通して、多様な絵本があり、物語の挿絵もすばらしい。いろいろな手法で描ける人だと思った。それぞれの作品にそれぞれの世界があると思ったという感想が語られました。

そのあと、『よあけ』を1ページずつめくりながら、みんなで作品の工夫をチェックしていきました。その中では、目の前に木があって覗き見るような視点が与えられているページが冒頭に数ページあること、じいさんが語るページは同じ構図の繰り返しながらだんだんズームアウトしていること、乳白色のページが6見開きあり、表紙のヘラジカの場面と重なる場面があること、日が昇った場面は抽象的な絵から具象的な絵に変化することなどの気づきを語りあいました。そして、自然の中に溶け込んで暮らしているじいさんと「わたし」の様子が伝わることや、「わたし」の回想であることが絵からも伝わってくることなどが確かめられました。

最後は参加者の有志によるリコーダーのミニコンサートがあり、一年を終えました。今年も一年お世話になりました。来年がみなさまにとってよい年になりますように。読んでくださってありがとうございました。(土居 安子)

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スペイン語圏の子どもの本から(69)

『むてっぽうな女性探検家ずかん』(クリスティーナ・プホル・ブイガス文 レーナ・オルテガ絵 星野由美訳 岩崎書店 2024.8)
 27名の女性たちの25の冒険をとりあげた、スペイン発のノンフィクション絵本です。
 登場するのは、エゲリア、グズリーズ、ジャンヌ・バレ、サカジャウェア、マリアンヌ・ノース……。はじめて聞く名前がほとんどかもしれません。それもそのはず、訳者あとがきによると、作者のクリスティーナ・プホルも、はじめはアメリア・イアハートしか知らなかったそうなので。27名の中には、女性としてエベレストに世界で初めて登頂した田部井淳子さんもいます。
 見開きごとに、ひとりの人物(1つだけ3人組のものがあり)の冒険、というか挑戦を、とりあげ、地図や移動の経路などのイラストレーションとともに解説するという構成です。その人物がどんな困難を乗り越え、偉業を達成するに至ったのかが明かされます。
 やわらかなタッチの豊富な絵が親しみやすく、「ずかん」として眺める楽しみをうんでいます。服装などから、その女性の生きた世界が垣間見られるのもいい。
 解説のなかで一番私が興味をひかれたのは、その冒険のキーとなるものごと−―イアハートであれば飛行機、田部井淳子であれば登山−―に、とりあげた人物がどうして惹きつけられたのかという部分です。「好き」とか「やりたい」という、論理では説明がつかない、抑えがたいどうしようもない思いがしばしば、女性たちの「むてっぽう」の原動力になるからです。人はなんとさまざまなきっかけで何かに興味を持ち、とんでもないことをやりとげてしまうことか。
 何をなしとげたかという成功談だけでなく、時にはとりつかれたように何かに向かっていく人間の不思議さが感じられる本です。
 女性ばかりがとりあげられていますが、女の子も男の子も一緒に読んでくれるといいな。学校図書館や公共図書館で、目にとまる場所に置いてもらえますように。
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b10085983.html

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イベントのお知らせ
1、国際シンポジウム「いま、子どもの本は世界とどうかかわるのか」アーカイブ配信
JBBY50周年を記念して11月16日に開催されたシンポジウムが、アーカイブで見られるようになりました。当日自然と拍手がわき起こった、世界各国の12人の児童文学者によるメッセージビデオ(制作過程にも見るたびに感動しました)と、岩瀬成子(作家)、長倉洋海(写真家)、さくまゆみこ(翻訳家)の3名によるシンポジウムの模様をおさめています。子どもの本にかかわる方、必見!
配信期間:2025年3月31日まで
(ビデオ出演者)
デイヴィッド・アーモンド(イギリス)、ジャクリーン・ウッドソン(アメリカ)、デボラ・エリス(カナダ)、クォンユンドク(韓国)、グスティ(アルゼンチン/スペイン)、ピーター・シス(チェコ/アメリカ)、ラフィク・シャミ(シリア/ドイツ)、曹文軒(中国)、ビヴァリー・ナイドゥー(南アフリカ/イギリス)、キャサリン・パターソン(アメリカ)、降矢なな(日本/スロバキア)、エミリー・ロッダ(オーストラリア)
詳細とお申込み↓
https://jbby50thehonsakka.peatix.com

2、JBBY希望プロジェクト・学びの会「どんな子も本を楽しめるように~バリアフリー絵本づくりからみえたこと」(オンライン)
多様な背景を持つ子どもたちが誰でも楽しめるバリアフリーな図書とはどのようなものなのでしょうか。また、どのように制作されているのしょうか。世界で唯一の点字学習絵本、視覚障害のある子も晴眼の子も共に楽しむことができる雑誌『テルミ』の編集長であり、多くのバリアフリー絵本の制作をされている、スギヤマカナヨさんにお話しいただきます。
日時:2025年1月26日(日)14:00-16:00
講師:スギヤマカナヨ
詳細とお申込み↓
https://jbbyonline054.peatix.com
 
今年も1年、読んでいただきありがとうございました。くさらず恨まずへこたれず希望をもって、来年も元気にいきます。(宇野和美)

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*以下、ひこです。

【絵本】
『こいぬのがっこう』(きたむらさとし 岩波書店)
 大好きなルーシーが学校に行ったのでつまらないこいぬは、自分も子犬の学校へ行きますが……。犬の気持ちはたぶんこうなんだろうなあと、飼い主が思っているであろうところに寄り添っていて、犬好きにはたまらない絵本です。
https://www.iwanami.co.jp/book/b653988.html

『こうえん通りのへんな家』(はせがわまき 工学図書)
 こうえん通りにある家に住んでいる老人は、殆ど外出せず思い出の中に沈んでいて、子どもたちは興味津々、覗きに行きます。最初は追い払う老人ですがやがて、子どもの好奇心によって、外の世界に開かれていきます。
https://sankyu-book.com/sankyus_picturebook/1056/

『移動する民』(キンチョイ・ラム:作 くまがいじゅんこ:訳 玉川大学出版部)
 移動する民とは、ノマドのこと。世界7つのノマド社会の生活と文化を紹介しています。定住生活に慣れ親しんだ私たちは、その視点で寝起きし、食事をし、恋愛もしていますが、それはあくまで一つの生活文化なのだと心に留めておくことは大事だと、この絵本を読んで思います。
https://www.tamagawa-up.jp/book/b10094580.html

『ゆきだま』(キム・ギジョン:ぶん ムン・ジョンフン:え おおたけきよみ:やく ほるぷ出版)
 最初小さな雪玉を、次々みんなが寄ってきて、どんどん大きな雪玉に。学校に行くのもわすれてしまう気持ちはわかるよね。最後は先生にプレゼント。楽しい冬絵本です。
https://www.holp-pub.co.jp/news/n58012.html

『おはしをじょうずにもてるかな』(深見春夫:作 岩崎書店)
 お箸の持ち方指南の絵本です。右手は、お箸の持ち方が上手ではありません。そこで、左手が、一つずつ教えてくれます。左右対称になるので、理解がしやすいです。うれしいのは左手が差別されずにあること。わたしが子どもの頃は左利きは矯正されたので、わたしは右手でお箸を持つのに苦労しました。子どもじゃなくなってからは左手に戻しましたけれどね。
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b10092368.html

『いじめ、みちゃった!』(和久田学:作 イモカワユウとイモカワチヒロ:絵 子ども発達科学研究所:監修 世界文化社)
 「いじめ」の研究データをベースに、いじめと向かい合い、解決へ導きます。「シンキング・エラー」の気付き、そして「傍観者教育」。「いじめはダメ」ではなく、何故それはいじめなのかを理解してもらうこと。
https://books.sekaibunka.com/book/b10103499.html

『あのこはだあれ』(北村人 岩崎書店)
 ダルメシアンの子犬が、色んな模様の動物と出遭います。子犬の好奇心が見ていて楽しい、小さな子が手に取るにはちょうどいいサイズの作品です。奇をてらわない画と構図が、この作家の腰の強さを表しています。
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b10092366.html

『いたいの、とんでけ! くまのこちゃん』(アヌスカ・アレプス:作 岩崎書店)
 なるほど、うまいこと考えてあります。どんぐりが落ちてきて痛い鼻の頭、痛いお腹などの部分だけ紙ではなく布になっていて、そこを優しくなでてあげる仕掛け。部位毎に、違った感触のものを使っているので、リアルに遊べます。わたしはもっぱら肉球を触っています。
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b10092371.html

『糸をつむいで世界をつないで』(ケイティ・ハウス:文 ディナラ・ミルタリポヴァ:絵 ほるぷ出版)
 世界中の織物たちを謳った、美しい絵本です。絹、綿、亜麻。様々な素材が、様々な織り方で、服に、絨毯に仕上がっていきます。まるで文化や歴史そのものが織り上がっていくように。人の暮らしに根付くものは美しいですね。
https://www.holp-pub.co.jp/book/b654667.html

『空はみんなのもの』(ジャンニ・ロダーリ:文 荒井良二:絵 関口英子:訳 ほるぷ出版)
 『チポリーノの冒険』のロリーダによる、空に自由を託した言葉に、荒井が絵を付けました。空は、だれ目にも映るし、世界中が繋がっているのに、どうして大地はそうでないのだろう。荒井は、移り変わる空の風景を描くことで、自由の豊かさを謳います。
https://www.holp-pub.co.jp/book/b654487.html

『クマダさんのどんぐりコーヒー』(はやしますみ:作 アリス館)
 冬眠の流れのままに引きこもりとなってしまったクマダさん。外で飲んだどんぐりコーヒーを懐かしみながら、焙煎をして、挽いて、珈琲を淹れます。すると、カフェと勘違いした森の仲間たちが次々とやってきます。こうしてクマダさんはだんだん外へと気持ちが開いていくのでした。ゆっくりがいいね。
https://www.alicekan.com/books/9392/

『ふしぎな魔法パズル ルービックの発明物語』(ケリー・アラディア:文 カラ・クレイマー:絵 竹内薫:訳 西村書店)
 生誕50年(ブームの頃が懐かしい)のルービック・キューブが、立体パズルゲームとして開発されたのではないことは知りませんでした。ハンガリー生まれのエルノーは、27個のキューブ(実際には真ん中は抜くので26個)で出来た3×3×3の立方体を、崩れることなく縦横上下に自由に動かせるシステムを発明したのでした。カチャカチャ動かしていると、これ、どうして元に戻せるんだ? となって、ルービック・キューブが生まれたのでした。20手あればどんな状態でも、元に戻せるそうです。
https://www.nishimurashoten.shop/?pid=183474345

『夜空の切手』(安東みきえ:さく nakaban:え 佼成出版社)
少年は、凧を揚げながら亡き祖父のことを思い出しています。次々と、次々と。タイトルが少年の心を現していて、実に素晴らしい。Nakabanは、安東の言葉と一緒に、この世界を読者の感情にまで届けます。。
https://books.kosei-shuppan.co.jp/book/b652245.html

『こうして、ともにいきている』(多屋光孫 汐文社)
 昼と夜、水面と水の底、共存するどうぶつたちは、うまく食料を棲み分けて食べています。その姿を描くことで、人間が多様な生き方を考えるヒントになります。独占はいけません。
https://www.choubunsha.com/book/9784811332222.php

『パンパンジェントルパン』(増田和子 福音館)
 ジェントルマンならぬジェントルパン。パンの紳士です。こういう、ベタなノリは好きだなあ。それで、頭がコルネのおじさんとぶつかって、両方の頭が取れてしまいます。こういう無茶な展開も好きだなあ。で、お互いの頭を間違えて付けてしまう。ジェントルパンの頭がチョコレートクリームの詰まったコルネになってしまうんです。いいなあ。さて、どうなりますか。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=7619

『おはなしはどこからきたの?』(さくまゆみこ:文 保立葉菜:絵 BL出版)
 南アフリカ、ズールーの人たちに伝わる昔話。おはなしを探しに行くおはなしです。様々な動物に訊ねるけれど、おはなしはなかなか見つからない。探している過程そのものがもうおはなしになっているので、それはどういうことだろうと考えても、面白いおはなしです。
https://www.blg.co.jp/blp/n_blp_detail3.jsp?shocd=b11505

『あたらし島のオードリー』(川上和人:文 箕輪義隆:絵 アリス館)
 海底火山の噴火によって、海鳥の島は溶岩に呑み込まれてしまいます。果たして再生するのか? 小笠原群島の西にある西之島をモデルにしています。隣の島とは130キロ離れている新島は世界にも類がなく、どのように生物が移り住むのか興味は尽きません。っても100年単位だしなあ。
https://www.alicekan.com/books/9318/

『水のはなし』(オリガ・ファジェーエヴァ:文・絵 横山和江:訳 すずき出版)
 水に関する可足掻くから歴史まで、ありとあらゆることが語られていきます。重要な部分は付箋のようにして画面の中でより詳しく解説されます。
 水という、生物にとってもっとも大切な物質について考えてみませんか?
https://www01.hanmoto.com/bd/isbn/9784790254416

【その他】
『新訂版 小学生になったら図鑑』(長谷川康男:監修 ポプラ社)
 今年もこの季節がやってきました。2024年の新情報を入れた版です。だから2025年版になるのかな。新入学の不安を解消ですが本当に、すること、覚えること、一杯あるなあ。「ネットリテラシー」も学ばないといけないもんなあ。興味のあるところから読んで下さいな。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/4900392.html

『放課後によむ詩集』(小池昌代:編 理論社)
 勉強に疲れてでしょうか、友だち関係に疲れてでしょうか、ちょっと物憂い時間に開く詩集。ですから、ストレートな言葉は並んでいません。ちょっと引っかかった言葉から、自分のことを色々と考えられます。
https://www.rironsha.com/book/20636

『おすすめ!子どもの本 新しい時代をつくる350冊』(JBBY:編 小学館)
2018年からのJBBY年刊誌に採り上げられた作品から350冊が選ばれています。章立てには、多様性やSDGsなど、今の時代を反映していていいですね。章ごとに紙色が変えてあって、楽しいブックリストです。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09227422

【絵本カフェ】
『クマのひとりのじかん』(マルク・フェルカンプ 文 イェスカ・フェルステーヘン 絵 野坂 悦子 訳 化学同人)
 ピアノの演奏がうまいクマは、森の動物たちの間で人気者。
「みんな うっとりと ききいり、とりたちも うたいません」
それほどの美しい音楽だからみんなが、クマのピアノを聴きたがります。何度でも、何度でも。
誰も悪気はないのです。心の底から、クマの演奏を聴きたいと願っているだけで。ただし、一人一人の願いは小さくても、みんなの願いが集まればそれは、クマにとって大きなプレッシャーとなります。
「もっともっと、もっときかせて!」
クマは休みたいのです。一人、静かにのんびりしたいのです。願いは、ただそれだけなのに、そうさせてくれる雰囲気はとてもありません。
どんなに走って逃げても、声が聞こえてきます。「もっともっと」と。その声は、相乗効果でだんだん大きくなってしまい、とうとう耐えきれなくなったクマは、いつもは穏やかな性格なのに思い切り吠えます。それに驚いたり、怒ったりして、シマウマを除いたみんなは去っていきます。シマウマは、いつもピアノを聞かせてくれるお礼に、クマに本を読んであげようと思っていたのです。それでも邪険に一人でいたいとシマウマを追い払ったクマですが、一人になってみると、シマウマのことが気になる。そこでクマは立ち去ろうとするシマウマを呼び止めます。そして、互いに一人一人でいながら、一緒に寄り添う提案をします。
 みんなでいるばかりでは、疲れてしまいます。かといって、一人ぼっちは、何やら頼りない。お互いが、相手を個として認め合いながら、一緒に過ごす。
 理想が過ぎると思われるでしょうか? いやいや、始めてみれば、案外簡単で心地良い関係だと思いますよ。
https://www.kagakudojin.co.jp/book/b650111.html

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相米慎二監督『お引越し』『夏の庭 The Friends』4Kリマスター版
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https://www.youtube.com/watch?v=-fgflgnaLi0

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