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2024年9月10日の政治・経済ニュース 日本の保守は演歌化する 高市早苗氏の出馬会見

高市早苗さんが総裁選への出馬を表明しました。会見は見ずに記事だけを読んだのですが具体的なことが何も語られていませんでした。これを読んで「日本の保守は演歌化しつつあるんだな」と感じました。つまり過去のものになりつつあるということになります。

実は演歌は西洋風の流行歌で当時のJポップのような存在です。韓国にも似たようなジャンルがありますが「トロット」と呼ばれ伝統歌ではなく西洋風の音楽として扱われています。

日本のポピュラーミュージックの一部は左翼・反戦運動と結びつきニューミュージックと呼ばれるようになりました。しかし地方から出てきた労働者はこれに追従せず「自分たちの生活には陽が当たらないがそれでもいいんだ」と自分たちの境遇を慰撫する歌に慰められるようになります。レコード会社は「これこそが日本の心なのだ」とリラベルし「演歌=日本の心」という歴史改変が行なわれました。これに合わせる形で地方の名所を扱わせたり歌手に着物を着せたりしました。

日本の保守にも似たようなところがあります。彼らの言う「日本の伝統」をたどるとせいぜい明治時代に原型が作られたようなものが多いのですが、彼らはそれを認めようとはしないでしょう。

安倍晋三さんがメインストリームに取り込んだかに見えたのですが岸田政権以降傍流化してしまい、高市早苗氏のもとで

  • 日本はスゴイ国のはずなんだ

という心情主義に陥ってしまいました。

今回の総裁選挙を見ていると「このまま何もなかったことにして卒業しよう」という人たちが多く、アベノミクスは間違っていたと指摘する石破茂さんが唯一の例外になっています。

おそらく一定数の支持を集めたあとに衰退し過去のものになってゆく過程なのだろうと思います。

日本の歌謡界はニューミュージック・Jポップを経て心情主義に陥ってゆきました。例えばつんくがプロデュースしたモーニング娘もさしたる根拠なく「日本の未来は明るい(はず)」と主張していました。そしてどんどんと内面化しています。最近では「令和歌謡」と呼ばれるそうです。韓国ではグローバル展開を意識して単純なダンスミュージックが流行っていますが「それでは物足りない」として令和歌謡に人気が集まっているそうです。

日本で演歌というジャンルが確立したのは時代が急速に変化しそこから取り残されつつある人の焦りをうまく捉えたからでしょう。つまり成長しているからこそ取り残された人たちが出てくるわけで「好景気」が始まっている証とも言えます。

逆に本当い停滞しているときには「日本の未来は本当は明るいんだ」というようなつんくのような歌が流行るわけです。

そのことから考えると日本もすでに「もはやデフレではない」状態に差し掛かりつつあり、それに対応できない人が石破茂(地方こそ経済成長の中心であるべき)とか高市早苗(日本は本来すごい国のはず)というようなメッセージに惹きつけられてゆくと言う現象が起きているのかもしれません。

もう1つ扱ったテーマは国民民主党の候補者選定を巡るトラブルです。Quoraでは斎藤知事の問題について途中経過を書いています。維新のドタバタぶりが印象的でした。これまで不信任案が可決されたのは4回しかなく、知事が議会を解散すると現行制度では初めてになるそうです。


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