クリニックでの新型コロナ対策紹介
元外来整形の理学療法士→医療系システム営業の加藤秀和です。
「医療をもっと分かりやすく」というコンセプトに共感し入社してからもうすぐ1年ですが、医療機関⇔患者のコミュニケーションや業務効率について改めて考える毎日です。
臨床現場に立つことはほとんどなくなりましたが、弊社サービスを含めたクリニックのオペレーションについて臨床で働く皆さんと一緒に考えられるのは、理学療法士としての経験が活きていると感じています。
この3月4月で開業を控えるクリニックさんも多く、医療現場未経験のスタッフ様向けの効率的な患者導線や院内オペレーションについてお話する機会があり、その中でやはり話題に上がるのが新型コロナの対策についてです。
新型コロナと思わしき患者さんがいらっしゃったらどうするのか、他院での取り組みも教えて欲しいと聞かれることも多くあり、患者さんはもちろん医療機関で働く皆さんも不安な中で日々の業務に取り組まれていることを強く実感します。
そこで、2月下旬に『新型コロナウイルス感染症対策の基本方針』内でも触れられた
院内感染対策のさらなる徹底といった内容について、患者さんへの案内や、特にクリニックでの対策について、医療機関⇔患者のコミュニケーションのシステム活用を交えてまとめたいと思います。
1.ホームページでの患者さんへの注意喚起
来院前の患者に対して
・新型コロナウイルスの検査・治療は自院で行っていないこと
・(基礎疾患がなく高齢でない等の場合)軽症であれば自宅での安静を求める
・患者様が各々で感染対策(手指消毒や咳エチケット)を行うようお願い
・感染が疑わしい場合には「帰国者・接触者センター」への相談を促す
などを発信し、患者ひとりひとりが適切な行動をとれるように促しています。
弊社ホームページ運用サービスご利用中のだて整形外科リハビリテーションクリニック様では、院内での感染予防の取り組みと併せて「電話診療による処方箋の発行」などの案内も同ページ内で掲載しており、受診が必要な患者には少しでも安心してもらえるように・通院の必要がない方には電話診療の流れをしっかりとお伝えしており、感染対策を踏まえた受診行動を促しています。
他にもだて整形外科様では院内での取り組みもご紹介されており、後述いたします。
2.WEB問診の活用
事前に問診回答が可能なWEB問診では来院前に患者の状態を把握できるというメリットがあり、その情報を基に医療機関での対策をとっています。
【事前問診で症状確認・一覧画面で一括確認】
患者が予め入力してくださった内容から、「特定の回答」をピックアップし来院予定(問診回答済み)の患者一覧画面にて表示させています。以下の画面では「発熱」「嘔吐あり」といった症状だけでなく、新型コロナに関する質問を用意した上で「新型コロナリスク」の表示や、治療中の疾患を確認して「基礎疾患あり」などの表示が可能です。(どういった表示をするかのカスタマイズは医療機関ごとに可能)
一覧画面上にて状況確認して、必要に応じて来院前に患者に以下のような連絡を入れるなどしています。
■コロナ感染のリスクが高ければ保健所や渡航者・接触者相談センターへの相談を促す
■発熱や呼吸器症状のある患者さんは受診時間を指定して、定期受診の患者さんとの接触を防止する
といった活用が効果的なようです。
それ以外でも、緊急性が高い患者には予約の時間よりも早くの受診を促す・嘔吐は別の感染症が疑われるため来院してすぐに別室へ案内し待合室の汚染を防ぐなどの活用も同時に行われています。
【問診内容のカスタマイズでより効果的に】
WEB問診のメリットの一つに、質問のカスタマイズが可能で、患者の年齢・性別や回答内容によって次に表示させる画面を変更可能なことが挙げられます。
これにより、
■発熱や呼吸器症状がある方→「中国への渡航歴」の質問表示
■新型コロナウイルス感染の疑いで「帰国者・接触者相談センター」への事前連絡が必要な方→「帰国者・接触者相談センター」へのリンク表示(以下の画像を参照)
といった活用事例があります。
↑このような質問を出して、チェックをつけた方には…
↓こういったご案内と相談センターへのリンクを表示しています。
患者は自分自身で『相談センターに連絡すべきか』の判断に迷うこともあるかと思います。そんな中、医療機関の事前のWEB問診によって必要に応じて医療機関からの情報提供があれば、患者も適切な行動を取りやすいのではないかと感じます。
3.来院時の対応
実際に来院した患者には、院内での感染防止に協力してもらう事が重要です。
そのため、ホームページの注意喚起でも触れましただて整形外科様では、院外にて検温を行い、感冒症状があれば一度ご帰宅いただく・最小限の診療に留めるなどで他患者やスタッフとの接触機会を最小限にするなど取り組まれています。
他院でも、入り口での手指消毒の徹底のために受付スタッフによる来院患者全員への指導や声掛けや、感冒症状をもつ場合の隔離室案内や隔離室の都度除菌など行われています。
【待ち時間を活用したコロナウイルスの情報共有】
来院した患者の中にはホームページなどで情報収集をしていない方も多いです。そんな方に向けて院内のディスプレイを使用て情報提供を行っているクリニックも多いです。
また、厚生労働省の感染要望の資料等を患者様に共有されているなどは比較的簡易に行える情報提供となっているようです。
4.まとめ
今回は実際のユーザーさんの事例などを基にクリニックでの感染対策について記載しました。
友人の医療従事者と話をしていても、新型コロナに対しての対応は手探りな部分も多いと感じます。そんなときだからこそ、医療機関同士の情報を共有し少しでも感染予防につながればと思います。