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オンライン診療/電話診療はホームページで適切な情報発信を

加藤@理学療法士/WEB問診エバンジェリスト です。

先日、「オンライン診療の医療機関1万余 厚労省HPでリスト公表」という見出しのニュースが多く発表されていました。

実際の医療機関のリストを確認しましたが、ニュースタイトルと実際にギャップがあるように感じました。

大多数の人がオンライン診療=「テレビ電話を使って診察し、お薬も配送してもらえる」という認識ではないでしょうか。ただ、実際のリストの中身は「電話等を用いた診療の実施の有無」であり、この見出しでは世間の認識と医療機関の実際が乖離してしまっているのではないかと思います。

また、リスト内のいくつかの医療機関のホームページを拝見しましたが、電話での診療やオンライン診療についての記載がないものが多く、このニュースを見てオンライン診療に期待しリストから近所の医療機関を探し、ホームページを訪れた患者さんにとっては不親切な構造になってしまっています。

厚生労働省からの「医療機関が電話やオンラインによる診療を行う場合の手順と留意事項」としてトラブル防止のため、内容についてホームページ等に表記するように記載があります。

コメント 2020-04-27 185654

そこで、本件について医療機関で発信しておくべき内容についてまとめてみようと思います。


1.オンライン診療や電話診療についての説明

先程も書いたように、患者さんにとってはオンライン診療や電話診療の区別もしっかりついておらず、「テレビ電話で診察を受けられる」と思ってホームページを訪れている事も予想されます。

まずは、【オンライン診療について】【電話診療ついて】といったタイトルで簡単に医院にて行っている診療についての説明を記載すると良いと思います。

【オンライン診療について】
オンライン診療は、スマートフォンやタブレット、PCなどを使用し、テレビ電話など繋ぎインターネット上で行う診察方法です。
【電話診療について】
新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、電話を用いた診療のうえファクシミリ等でお薬の処方箋を送ることが可能となっております。
図を用いて分かりやすく概要をトップページで説明するのもオススメです
海老名ファミリークリニック様はトップページの目立つ部分にオンライン診療についてをイラストと概略で伝えています。


2.対象の患者を明確にする

続いて、対象の患者を明確にしておくことです。特に電話診療については再診のみで症状が安定している、受診歴が3回以上など対象が絞られることから誤って初診、特に受診歴があるが新たな症状で受信希望の患者が勘違いの上で問い合わせ等をせずにすむように、分かりやすく記載しておくことが必要です。

コメント 2020-04-28 094422


3.受診の流れについて説明

対象の患者に対して、診療のために必要な流れを説明します。
◆予約が必要であれば電話かオンライン予約か、◆WEB問診を答えて症状を伝えてもらいたいのか、◆まずはアプリのダウンロードが必要なのか
この辺りの流れについては現在さまざまな流れのご案内があるかと思います。他院でオンライン診療等経験した事がある患者さんでも混乱してしまいやすいところですので、まず何をしたら良いかを明確にしましょう。

コメント 2020-04-28 095326

WEB問診を活用したオンライン診療等の流れについては以前の記事で紹介しています。


4.トップページ等、目立つ場所に掲載する

今回のニュースを知った患者は、オンライン/電話診療が可能な医療機関をリストないし検索サイト等で探すかと思います。
その時にトップページの目立つ場所に記載があれば、情報を見つけられず結果電話等で問い合わせが入る事も少なくなります。

診療の流れなど、詳しく書く場合はトップページでは記載しきれないと思います。その場合はトップページにてお知らせやバナー等で実施の有無を表示し、詳細ページに遷移して受信方法など説明する形がわかりやすいです。

コメント 2020-04-28 121347

電話再診については、対象を絞りやすく患者にとっても使い慣れたツールになるため、トップページのお知らせ欄への記載でも十分な情報発信が可能かと思います。


5.その他の工夫や注意事項等

電話等を用いた診療を行わない・中止している場合
もし、電話再診を現状で行っていない旨をホームページのトップ画面にて説明される事をおすすめします。
はすぬま内科様は対応していない旨、その理由等も記載しており不要な問い合わせを少なくされる工夫をされています。

コメント 2020-04-28 133306


院内の掲示物を使用した情報発信も併用する
現状、電話再診による処方については2月28日の通知より開始されていましたので多くの医療機関にて行っていると思います。その場合院内にて次回以降、安定していれば電話再診を行うことが可能な旨を案内されていたかと思います。その他掲示物やお知らせの配布などで対象患者さんに周知することも有用です。
その場合、『電話診療については対象患者様に当院からご案内します』などの記載がホームページにあると親切です。


処方箋または処方薬の受け取りについて
定期通院の患者にとってはこの部分が非常に重要かと思います。
患者はオンライン/電話診療を通じて、『外出することなく処方薬を受取る事が出来るのか』を気にされていることが多いと思います。
また、なかには『すぐに処方薬を受け取りたい』ため近所のかかりつけ薬局であれば取りに行っても良いと思っている患者さんもいらっしゃいます。
医療機関によっては、処方箋を直接受け取りに来て頂き同時に支払いも行っていると思いますが、そういった処方薬についての内容も以下のようなイメージで記載があると良いです。

お薬の配送をご希望の場合は患者様からの承諾のもと、当院から調剤薬局へ処方箋をFAXいたします。お薬のご準備ができ次第、調剤薬局よりお薬の使用方法等のご連絡をいたします。
処方薬を急ぎご自宅近くのかかりつけ薬局で受け取りたい場合は、その旨を受診の際にご連絡下さい。
電話再診でも、クリニックに処方箋をとりに来ていただいております。遠方の方はお近くの薬局に処方箋を郵送する事も対応いたしますが、電話再診料、処方箋料に加えて送料(自費)をご負担いただきます。お支払いは次回来院時で結構です。


支払い方法について
こちらも、同様にどのような方式をとっているのか記載があると親切だと感じます。
■オンライン決済なら、使用サービスを明記
■次回来院時に支払いになる場合はその旨を明記
といった形で、患者が心配に感じやすい部分を予め解決出来るようにしましょう。


5.雑感

今回、2月28日の電話再診についての通知から段階的に規制緩和がすすみ、医療機関でも対応に苦慮しているように感じます。
同時に患者にとってはそれ以上に制度の理解等はしにくく、より平易な表現での情報発信が求められます。

僕もユーザーさんの事例等を共有させて頂きながら医療機関での情報発信についてまとめつつ、自分自身から患者に対しての情報発信にも力を入れていこうとおもいます。


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