CITY POP 🎶 昭和のシティポップ　1980年代編　VOL.1　男性アーティスト編side-A

こんにちは、Hideです🎵

今回も前々記事からの流れで、シティーポップの話をします。

前回は、日本のシティーポップの２大名盤の紹介しました。

今回はシティーポップという呼び名が一般的になった、シティーポップの全盛期とも言える80年代の作品を紹介したいと思います。

日本では高度成長期が一旦落ち着き、ベトナム戦争も終わり世界情勢が安定してきた時期です。

日本ではバブル景気という空前の好景気も相まって、世の中が平和で煌びやかな日々を楽しんでいた頃です。

いつの時代も世相を象徴してきたのが音楽でした。

シティーポップとは、ディスコミュージックと並び、日本の最盛期を反映する音楽だったのです。

現代のJーPOPにも大きく影響を与えた音楽と言えるでしょう。

前置きがながくなりましたが…

では、シティポップ全盛期の王道達を紹介していきましょう🎵

A面で恋をして / ナイアガラ・トライアングルVOL.2 　1981年10月21日発売は

作詞：松本隆 作曲：大瀧詠一 編曲＆プロデュース：多羅尾坂内（大瀧詠一）

ナイアガラトライアングルVol.2のアルバムジャケット

大瀧詠一を中心としたの3人のミュージシャン（トライアングル）で構成されたの企画ユニット。

メンバーは大瀧詠一・佐野元春・杉真理。

レコードの上に恋人同士が乗っているなんて、シャレの効いたジャケットですね

ナイアガラトライアングルVOL.1（メンバーは大瀧詠一・山下達郎・伊藤銀次）の発表から6年振りの第2弾から生まれたシングル曲。

恋をレコード盤をイメージした歌詞がすごく面白い例えになっていて、聴いていて楽しさを感じました。

MVも(40th Anniversary Version)も、当時の若者の恋が楽しげに描かれているアニメになっている。

若者の甘酸っぱい恋を感じさせるストーリーになっている。

ユニットメンバー3人がそれぞれパート分けをして歌っている。

前回の記事で紹介した大瀧の名盤「ロンバケ」のヒット中で、化粧品メーカーから大瀧が依頼を受け、制作された曲である。資生堂化粧品のキャンペーンソング。

A面で恋をして〜と言うフレーズは資生堂からの指定（化粧品のキャッチコピー）だった。

それを聞いた大瀧が、売れそうだなぁ〜と感じてすぐに曲が出来ちゃったという。

恋をレコードのA面になぞらえたタイトルがまた遊び心が溢れていて良かったですね。

当時はCDがまだ一般化されてなく、レコードが主流の時代でした。

＊この曲を聴くにあたりレコードを知らない世代の方の為に、解説をしておこう。

レコードとは主に黒い樹脂でなどでできた円盤型の音声を記録するメディアである。
レコードにはシングル盤（直径17cmで片面収録時間が5分〜8分程度）とLP盤（直径が30cmで片面の収録時間は長くても30分程度）の主に2種類の物があった。
当時のアルバムはこのLP盤で発売されていた。
現在のCDアルバムは12曲〜15曲位収録されているが、当時のLP盤は８〜10曲程度であった。
因みにシングルレコードはEP（エコノミープレイ）や形からドーナッツ盤とも呼ばれる。
LPとはロングプレイの略である。
昔はアルバムの事をよくLPという言い方をしていた。
レコードはCDとは違い、表面と裏面の2面が有り、それぞれの面に何曲かずつ収録されており、片方の面を聴き終わると別の面に入っている曲を聴く為には、レコードプレイヤーというレコードに針を落として再生させる機械の元に行き、レコードをひっくり返してまた針を落として聞く、という今からするとかなり手間のかかる作業だった。
アーティストが、主にヒットさせる為の曲を発表するのに用いるのがシングル盤レコードで、それにはA面•B面と呼ばれる面が存在して（LP盤もA面B面と呼ばれるがそれは両面に曲が収録されているという意味）メインとして発表する曲となるのはA面であり、B面は現代で言うことのC/W（カップリングウィズ）と同じ意味である。

この曲の歌詞の中で言うA面とはメインつまり本気で恋をして〜と言う解釈で良いのか、それとも二股をかけていてA面と呼ぶ相手が本命で、B面の人は浮気相手かサブなのか〜（笑）

といった感じで聴く側が色々イメージしてしまう位、制作側の大瀧達は遊び心いっぱいでシャレっ気満載気分で作ったのだろう。

まぁ私の憶測などどうでも良い話だが、大瀧の作った流れるようなテンポに乗ったメロディーと、明るいイメージのアレンジが大瀧のクリエイターとしての上手さを感じる。

サウンド作りでも、曲の所々に散りばめられているマシンガンの効果音が、遊び心を掻き立ててくれる演出になっている。

とにかく明るい80年代を彩った1曲に仕上げっています。

これもまた私がオススメするシティポップの名曲です。

スカイ・ハイ (TAKE YOU TO THE SKY HIGH) / 角松敏生　1983年4月21日発売

作詞作曲編曲：角松敏生　プロデュースも角松自身が行なっている。

角松は、東京都渋谷区代々木出身の都会生まれの都会育ちである。

1981年のデビュー当初は、レコード会社の意向にもより、山下達郎や大瀧詠一の様なリゾートミュージック路線を採っていた。

この「スカイハイ」は、Schickの髭剃りのテレビCMに起用され、リゾート風だが都会的な雰囲気が、彼の爽やかな声で歌われたことで、世間に角松敏生をシティポップシンガーとして認知させた。

発表後はライブでも定番曲となり、この曲が始まると観客が皆紙飛行機をステージに向かって飛ばすのが、恒例となっている。

CMも3年間この曲の起用が継続された。

メージャーデビュー以来、シンガーソングライターとして活動する傍、山下達郎や大瀧詠一の様に、中山美穂や杏里への楽曲提供やそれに伴う音楽プロデュース業も行なっていた。

中山美穂の代表曲でヒット曲1988年発売「You're My Only Shinin' Star」でも作詞作曲編曲を行なっている。

この曲はオリコンでも1位を獲得し、後に角松自身でセルフカバーもしている。

当時、杏里をブレイクさせた「CAT'S EYE」や「悲しみがとまらない」を含め彼女の多数のアルバムにおいて音楽プロデューサーも務め杏里の音楽性に大きな影響を及ぼした。

シンガーソングライターだが、作詞作曲アレンジャーやプロデューサーとして幅広く才能を発揮し、日本音楽界に貢献している。

コンピューターミュージックの打ち込みなども行い、サウンドエンジニアとしても才能を発揮しているマルチクリエイターである。

音楽的に広い分野で手腕を発揮できるミュージシャンの一人である。

角松も当時流行りのリゾート向けのウエストコースサウンド風の曲が多かったが、角松自身はブラックコンテンポラリーやファンクなどのブラックミュージックにも興味があり、その影響からその要素を曲の中に織り交ぜた作風に仕上げている曲も多い。

彼自身が歌っている曲は、バックの演奏を前面に出したいのか、若干ボーカルのボリュームが低めに設定されている。

この「スカイハイ」も夏らしくて爽やかで聴きやすくて良いのだが、私としては1985年発表のアルバム「GOLD DIGGER〜with true love〜」が一番のお気に入りだ。

1984年のアルバム「AFTER 5 CLASH」までは、リゾート路線だったがこの「GOLD DIGGER〜with true love〜」から都会の夜と喧騒を描く作風に変わっていった。

角松敏生の一推しのアルバム「GOLD DIGGER〜with true love〜」

このアルバムはニューヨークを意識したダンサブルな曲調の作品が多いのが特徴だ。

”夜と都会”をキーワードにセクシャルな表現が喚起されたこのアルバムに出会った当時19歳だった私は、田舎に住んでいたことから、都会の大人の世界をこのアルバムを通して感じていた。

ギター好きの1歳上の従兄弟も、角松のこのアルバムを推薦していて、「角松のギターカッティングは上手い」と好評価をしていた。

あくまでも私の趣味嗜好ですが、自分の中では、80年代のシティポップミュージシャンの中では一推しで、彼こそが真のシティーポップミュージシャンだと勝手に感じている。

シティポップに興味のある方には、是非とも「GOLD DIGGER〜with true love〜」を聴いていただきたい。

SUMMER SUSPICION / 杉山清貴＆OMEGA TRIBE 　1983年４月21日発売

作詞：康珍化　作曲・編曲：林哲司

オリコン週間最高順位9位　TBSザ・ベストテン9位

1978年に杉山を中心に結成され、1980年にヤマハのポプコンに入賞し、プロデューサーの目に止まり、1983年「サマーサスピション」で、デビュー。

ボーカルの杉山はもっとロックティストな曲をやりたかったらしいのだが、声質や見た目のイメージ、時代背景もあり、都会的なAOR路線でデビューすることになった。

シングルA面は、当時人気作家だった康珍化や林哲司を起用することにより、時代の流れに乗って数多くのヒット曲を連発した。

洒落た曲調と、杉山の甘く澄んだ伸びのある声が、当時の若い女性から圧倒的な支持を集めた。

80年代を代表するシティポップバンドである。

オメトラの成功がシティーポップという呼び名を世間に認知させ、他のミュージシャンにも影響を与えたと言っても良いくらい活躍したバンドだった。

このデビュー曲を見て、煌びやかなお洒落なサウンドの中にマイナー調のメロディーが乗り切ない歌詞のラブソングだったが、その都会的なサウンドと、何よりも杉山の声の伸びと音域の広さには驚かされた。

新人バンドながらTBSのザ・ベストテンでも９位を獲得した。

デビュー当時、まだボーカルの杉山はサングラスを着用していなかった。

この曲はカラオケで歌おうとしても、音域が広いのでキーを下げてもなかなか上手く歌う事が難しい。

実際に歌ってみて、改めて杉山のボーカル能力の高さに驚かされる一曲だった。

当時、新人ながら杉山のボーカルは、声質も良く歌唱力と音域の広さが卓越していた。

やはり杉山のボーカルの素晴らしさなくして、この曲のヒットはなかったでしょうね。

都会的なサウンドにリゾートの匂いを感じさせる雰囲気は、横浜市磯子区の海沿い育ちから自然と彼の中に浸透していたからなのかもしれない。

1985年12月にオメトラ解散後に、ソロになるがそれからも、サザンやチューブと並び、杉山の音楽は湘南サウンドと呼ばれた。

うちの妻も当時から大好きでよくカセットでドライブ中に聴いていたようだ。

未だに当時のアナログLPをまだ持っていて、レコードジャケットが夏向きでお洒落なので、今でもインテリアの一部として部屋にさりげなく飾っている。

ロック好きの私でしたが、かなりミーハーな部分もあったので、杉山清貴の音楽はよく車の中で聴きましたね。

彼女と一緒に聴ければなお最高だったのですが、男同士のドライブばかりだったのが残念でしたね（笑）

ロンリージャーニー /
山本達彦　1984年4月21日発売

作詞：来生えつこ　作曲：山本達彦

東京都新宿区出身。
シティポップシンガーは、やはり都心出身が多いのか…

私の中では、80年代を代表するシティポップと言えば、角松敏生と並んで山本達彦を外すことはできない。

この曲は、山本の都会的な中にも男らしさを感じさせる印象からか、ダンロップタイヤ「ル・マンJ2」イメージソングに使用されている。

当時は私の中では都会的でお洒落な音楽として山本は強く印象に残っているが、セールス枚数等をネットで調べてみると、そんな爆発的にヒットしたという曲はないのが不思議だ。

チャートのベスト10に入ったこともないながら、私の記憶に強く刻まれているのは、たまに聴こえてきた山本の曲の印象が強かったのだろう。

が、しかし山本達彦は、ヒットチャートを賑わす事はなかったが、若いお洒落な女性からの認知や支持も高く、実際聴いていた人も多かったので、私的にはシティーポップ🟰山本達彦のイメージが残っていたのだろう。

この「ロンリージャーニー」は、作詞は当時ニューミュージック系では売れっ子作詞家であった来生えつこが書いており、女性目線から見た都会の男のダンディズムがよく描かれていた。

前回取り上げた寺尾聰とはまた違う力強さというか男らしさを山本から感じられる。

彼の都心出身でイケメンな風貌もより都会的でお洒落なイメージを強くしたのだろう。

そしてまた、ピアノを弾きながら歌う姿が、都会を歌うビリージョエルにも重なったのかもしれない。

やはりYouTubeを観ても、男らしい顔をしてピアノを弾いて歌う姿には、男の色気さえ感じさせてくれる。

その中にも日本男児の雰囲気とちょっと演歌っぽさも感じられる曲調だったのが、きっと馴染みやすかったのだろう。

私の中では、角松に並び80年代を代表するシティポップシンガーであることは間違いない。

あとがき

シティポップの第2弾の記事でしたが、大好きな80年代の事を書いていたらついつい書くのが楽しくて白熱してしまい、長い文章なってしまいました（笑）

日本のミュージックシーンも成熟してきたのを象徴する80年代のシティーポップではないかと感じます。

経済成長とともに、シティーポップはさらに進化続けることになるのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。