非認知能力爆上げ?ファミリー野遊び・山遊び(東海地方の里山・里海編)
そもそも、なぜ、今、野遊びなの?
21世紀に大切な1つのスキルに、Collaboration(協働力)があると言われています。この協働力としては、みんなでスキルを持ち寄って何か1つのことを成し遂げるという意味が主だとは思うのですが、これを他者との効果的な相互作用(Effective Interaction)と考えると、21世紀に外せないのは、複雑系の中でうまく振る舞うということだと思います。
この複雑系は例えば株式市場も複雑系の1つですが、Emergent Property(発現特性)と呼ばれる事象にうまく対応できるスキルがあるかどうかと言えます。これは、例えばBlack Swanと呼ばれる「まさか!」というような大暴落に対して、「想定外」といって狼狽するのでもなく、全資産を失うことなく、一時的に職を失っても困らない直感力・対応力を持っていることが生きるチカラだと言われるとしっくり来るところがあるのではないでしょうか?
そして、自然もこの複雑系の1つであり、里山や里海という自然の境界での野遊びというのは実践を通じて自然との相互作用(Interaction)を体得することととらえることができます。だからこそ今、特に小学校低学年まではそういった野遊びは初等教育においても、複雑系のコンテキストでの思考力・対応力を磨く上でとても効果的になりうるという主張も一理あると考えます。野遊びは、最近はやりの”非認知能力”を鍛えるのにとってもいいかも!?ということでもあります。
また、最近では、新しい形の学校がこのような地方での体験を重視しています。例えば、インフィニティ国際学院さんは北海道の大雪山と奄美大島がキャンパス(滞在地)になっていますよね。コレって世界を旅する大学、ミネルバ大学の”都市がキャンパス"というコンセプトに近いと思いませんか?
昔の農業を想像した時に、最近話題の非認知能力の"Collaboration"という要素はどうだったんでしょうか?農民の皆さんはコラボせずになにかできたんでしょうか?里山での農業体験で学べる事、里山・里海をキャンパスに!というのは決して時代の方向性とずれていないと思います。まずは、里山・里海に足を運んでただ遊ぶそれでいいと思います
遊ぶ:3歳2ヶ月児で踏破できた東海の"低山"登山
東海地方にもたくさんのそういった野遊びに良い山があるのをご存知でしょうか?低山は真夏だと暑すぎるため、10月末〜12月初の涼しくなってくる時期がおすすめです。
楽しみ方
低山登山には、季節としては、10月末〜11月末の暑くなってきた季節がオススメです。
また、その土地の食べ物を食べてみたりするのは、その町の経済にも微力ながらお役に立てますし、何より美味しいです。
山の近くは温泉などがあることも多く、お風呂セットを持参し、山で一汗かいた後のお風呂はとっても気持ちがいいです。
低山と侮るなかれ、トップ画像の遠見山(岐阜川辺町)もそうですが、百々ヶ峰、鳩吹山すべてかなりの絶景が楽しめます
そして、禁止の山も多いですが、山でのメスティン飯はとっても美味しく感じるので、ぜひ一度は挑戦してみてください
山遊びするための準備
低山登山は、子どもたちは普通のスニーカーで大丈夫です。ただし、手をついてしまったりしてもいいように軍手はあったほうがいいです。また、岩場や葉っぱの上で滑り台をしてもいいように汚れてもいい服、汗をかくので着替えの服を用意しておくのが良いです。
また、YAMAPのアプリは登山記録を残したり、挑戦しようとしている山の情報を収集するのに便利でオススメです。(1ヶ月までに2座まで無料で地図をダウンロードして登山に活用できます)
準備(お買い物)では、好日山荘さん、モンベルさん、スノーピークさんにお世話になっています
登山してみたお山の紹介
実際に、登ってみて良かった東海地方の山をマップにしてみましたので、参考にしてみてください(Google Map - マイマップ 、Yamap-私の登山記録)
"小学校受験でも流行る"農業体験、風の人(関係人口)
小学校受験でも、農業体験が流行ってます。うちの子も当時、行かせてみましたが、当時とても違和感を感じました。コスパ(対価に対する得られる体験)も良くなかった印象ですが、なんか違うなと感じたんです
こういった誰かに連れて行ってもらうというのは、万が一にもお子様をおあづかりして怪我をさせてしまってはいけないという意味で、どうしても体験の制約が多くなってしまいます。なので、里山遊びは「自己責任」で基本的には親または、近しい友人・知人などと「コラボ」してやるしかないのです。(そうでないと、コストがかかりすぎてしまいます)
里山での農業体験で体感できるのは、自然は、基本的に「管理」できるものはではないということです。人間が自然に合わせるという「対処」ができることです。
これは、株式市場で暴落というEmergent Propertyを「管理」(=起きないようにコントロール)はできないが、「対処」(=何かがおかしい、、と感じ取り、今はちょっとポジションを落としておこう、暴落がはじまったと思われるから一旦ポジションを精算しよう)はできます
逆に20世紀は、工場で不良率をOO%に抑えようというのは「管理」の賜物です
農業に目を向けると、自然の恵み、力を借りているので、どうしても「管理」には限界があり、「対処」しかありません。つまり、雨が降ったら傘をさすしかなくて、雨を降らないように雨雲の位置は動かせないんです。この当たり前のようなことが実はわかっているとは思えない大人が増えているのが今の時代でもあります。つまり、複雑系に対処できない。複雑系は理論的に整理されてきていますが、やはり筋のよい複雑系での思考ができるようになるには、小さな頃の体験、原体験がとても大切のように思います。
今は、里山が失われようとしています。それを保全していくためには、地元に根をおろし「土の人」として活躍する人、外からやってきて労力や資金面で協力してくれる「風の人」の両方が必要です。
子どもが小さい時に、里山に足を運んで、のびのびと田んぼの生物を観察したり、農業のお手伝いを少ししてみる。親は農作業をお手伝いする、棚田の保全に資金を拠出する。地元の方や土の人は地に足をつけた活動で美しい里山を維持することで、そこに人が集まるこの循環が世代を超えてつながっていくことで、棚田の農業従事者の平均年齢80歳というような状況が改善していきます。
東海地方の農業体験(作成中)
例えば、東海地方からある程度のアクセスでいける棚田の1つが、新城市の四谷の千枚田(場所はこちら)です。まずは、こういった場所に足をぜひ運んでみるといいと思います。新潟の十日町にもありますが、こちらは雲海もとてもキレイです。今回お世話になったハッピーランドプロジェクトさんのフェイスブックページです。
こういうところで、農業体験をさせてもらえることは本当に貴重だと思います。そして探せば、今ならまだこういう里山の原風景はギリギリ残っていて、維持していくことが可能なのです