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ムダに教養がつくかも知れない不定期な雑学講座の連載(講義中は寝ないこと)~社会制度を考える~ 「年金制度」とはいかなるものであろう。その2

*厚生年金や共済年金を払ってる人はどうなるのけ?・・・(・A・?)

 この仕組みによると、共済年金や厚生年金を払っている人の掛金の内訳の中に、ちょうど国民年金分を組み入れて「基礎年金」の部分を作っちゃいましょう。
 そして、その他に「報酬比例年金」として上乗せしちゃいましょう。という二階建てにしたわけなんです。
 さらには、今までの厚生年金基金の分については、その上にさらに上乗せして三階部分を作ってもいいよ。という仕組みに変わったんですね。

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 で、もともと国民年金の加入者であった自由業者などは第1号被保険者。厚生年金や共済年金の加入者は第2号被保険者。そしてそれまで国保には任意加入だった、専業主婦は第3号被保険者として、すべての人が共通の基礎年金(1階部分)を受け取る仕組みになったのです。

 さらに、第1号被保険者の人でも、上乗せ年金(2階部分)としての役割を持った「国民年金基金制度」が平成3年(1991)に作られ、希望すれば誰でも加入できるようになったわけです。

 この新制度の下では、原則として20歳から60歳まで40年間加入すると、満額の老齢基礎年金が受給でき、最低でも25年以上加入すればその年数に応じて老齢基礎年金がもらえるというルールになります。
 さらに、共済年金と厚生年金の一元化が平成27年(2015)に移行し、年金の受け取り年齢が今までの60歳受給から段階的に65歳受給に切り替わってきております。

 さて、ここまで年金制度の「基礎部分」をさらってみましたが、こういう制度であり、歴史を持つと言うことを踏まえた上で、いよいよ具体的な「年金問題」って、なに?にかかります。

だから、「年金問題」って、なんだ?

 とにかく「年金問題」といわれても、いくつかのカテゴリーがあります。最近のマスコミも含めて、そもそもこの制度自体が何となくしち面倒くさく、ややこしいもんですから、その実体すらわからず、ただ問題だ!けしからんと騒いでおるのが大方なんではないでしょうかねぇ・・・ (´・ω・`)

 そもそもの年金問題とは、大騒ぎになった「消えた年金問題」だとか、「グリーンピア破綻問題」なんていうような、ちんけな事ではございません。

 ぶっちゃけていえば、今の年金制度をこのまま続けていけるかどうか?という、「持続可能性」の問題なのです。

 すべてのおおもとは、これにつきるわけですが、これを踏まえた上で、受給時期のあ~たらこ~たらとか、公平性がどうの、未払い率がどうのこうの、世代格差がど~の、少子高齢化がど~だ。という一連の課題が生まれてきますよね。これをひっくるめて「年金問題」といっているわけですよ。

 つまり、どうやったら不満なく、うまく年金制度が将来にわたって維持できるだろうか?という今のところ正解の見えないことが、大きな問題なのでございます。ここをきちんと押さえないと、はっきり言って何にも解決することはできません。

 今の日本の年金制度は、二つの側面があるわけです。

 一つは現役労働世代が高齢者の生活を支えるという社会福祉的な側面。
 もう一つは高齢者が生涯にわたって一定の生活水準を担保できる金融資産(保険資産)という二つの面です。

 前者は拠出方式による「基礎年金」の部分であるし、後者は報酬比例年金や年金基金などの上乗せの部分であったり、物価スライド制による給付方式であると言えるわけです。そこで考えてみると、こういった制度を維持させるためには,常に安定した「財源」が必要だよ。って事に気づくと思います。

まず一つ目の問題。

 現在の年金制度を維持し続けて行くためには、収支バランスがうまくとれていなくてはならないのですが、実を言うと、給付は増加の一歩をたどる中で、入ってくる財源となる保険料は、どんどん少なくなっているってのが実際のところなのです。  

 ところが、高度成長期に「物価スライド制」を取り入れた結果、バブルの狂乱物価を抜けた後の年金給付額は、うなぎ登りに上がったというわけです。
 実のところ右上がりに上がる経済成長神話が、そっくりそのままスライドしてしまってるって感じなんですが、じゃあ、景気が下がったから給付を下げるったら、こらもう大変な作業ですよね。

 ですから、納付額と給付額の差額で生じるキャッシュフローの「基金」自体を切り崩していかにゃならなくなったわけです。

 基金がなくなるって事は、こら~もう重要なことでしてね、将来的に少子高齢化が予想されますから、安定給付していくべき年金が、まさか自転車操業するわけにゃいかんでしょう。(ㆀ˘・з・˘)b

 すなわち、何とかこの基金に手をつけないで済む方法を考えなきゃならんわけです。

 それでいくつかの選択肢が出てくるわけです。一つは給付を減らすこと、二つ目は納付を増やすこと、そして三つ目は基金自体を増やすことです。

 一つ目と二つ目はこら~反発が必至ですし、一筋縄じゃ行きません、また時間も結構かかっちゃいますよね。

 じっくり制度改革していかなければならないわけですが、そうしている間にもどんどん基金を切り崩す事態が発生してしまってるわけです。

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