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少女漂泊~Monologue by HARUKA  ε

生まれて初めての一人暮らし

6畳一間に申し訳程度の台所。
トイレは共同だ。

ものすごいカルチャーショックだった。

部屋代を考えれば、当然といえば当然・・。
でも、これからはここがあたしの「お城」

あえて選んだ、あたしの「進路」なんだ。

あたしは、東京を離れて、
おじいちゃんの「後輩」になった。
そう、京都の大学進学を選んだのだ。

内海センパイの計らいで紹介してもらった下宿だけど
築何年?って言うくらいの「昭和」な建物だった。

でも、部屋代が安いから文句は言えないだろう


だけど・・・

あたしは考えてみた。

あたしは、「ひとり」から始めてみるべきなんだ。
あたしという「ひとり」は、
一体どこから来て、これからどこに向かえばいいのか

それをあらためてリセットした状態で
考える必要がある。

それが、「あたし」を本当に見つけることじゃないのか
そう考えたのだ。

というより、
あたしというのが全然わからないんだ。

いったい、どこにあたしがいるんだろう。
で、
たぶんこれは誰も教えてはくれない。

あたしが「気づく」しかないのだろう。

そのためには、あたしの今までの生活
それをすべて捨てて
新しい生き方をするしかないと考えたんだ

たぶん、客観的には甘いかも知れないが
あたしにとっては「大冒険」なのだ。

何が起こるかわからないし
何も起こらないかも知れない

でも、すべてを受け入れることだ。
そう、あのメッセージにはあった。
うん、やれるところまでやってみるよ、あたし

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新しい六畳一間の窓からは
荘厳な「五重塔」が見えていた。

う~ん、さすが京都だな。


TO BE CONTINUE

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