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バトンは渡された。日銀総裁交代

バトンは渡された。日銀総裁交代

今日から日銀は新しい顔となります。
植田新総裁が今日から着任しました。
欧米が金融不安に動揺しながらの着任ですが、これからどうなるのか、その初動が着目されます。
植田新総裁は、どのような方なのか。
それは、様々なメディアに出ていますから、ここでは割愛します。

私は、黒田前総裁の今までやってきたことを、植田新総裁がどのように引き継ぐのか、または変えてくるのか、について注目しています。

まず、黒田前総裁は2013年就任直後から「黒田バズーカ」と呼ばれる異次元緩和を開始しました。

市場に供給するお金「マネタリーベース」を増やし、国債や上場投資信託(ETF)をどんどん買い増しました。
黒田前総裁は、そのような異次元金融緩和に対する自己評価として、こう述べています。
『日本経済の潜在的な力が十分発揮されたと言う意味で成功だった』

これに関して、植田新総裁は、
『目標の実現にとって必要かつ適切な手法』
と概ね黒田前総裁の取った対策に、高評価をされています。

植田新総裁は、異次元金融緩和の今後について
『工夫を凝らしながら継続することが適切』
と少し部分的に、または数量的に変えることはあるかもしれないが、継続する意向を示しています。

つまり、日本はまだ不況の最中にいるということを、十分に認識しているということです。

その金利操作については
『より柔軟に経済・物価情勢に対応できる』
と黒田前総裁は述べていますが、これに対して植田新総裁は
『様々な副作用を生じさせている面は否定できない』
とし、
『将来は様々な可能性がある』
と、状況を見極めながら、金利引き上げをするかもしれないということを示唆しています。
ただ、今はまだその段階ではないということは、前述の異次元金融緩和は継続することからも分かると思います。
金利引き上げを期待する人もいるのかもしれませんが、まだ時期尚早です。

黒田前総裁は、ここが一番拘った部分だと思います。
それは「物価」についてです。
ちなみに、それまでの総裁と比べると、黒田前総裁から発せられた「物価」という言葉が圧倒的に多いそうです。

当初、黒田前総裁は2%物価上昇を目標として掲げました。
この目標自体については『適切』であったと考えられています。
ただし、
『ノルム(社会通念)が根強く、持続的、安定的な実現に至らず残念』
と、目標未達成については素直に認めてられています(数値が物語っているので、当然と言えば当然ですが)。

植田新総裁は、この「物価目標2%」についてはどのように考えているのでしょうか。
『表現を当面、変える必要はない』
としながらも
『(達成には)時間がかかる』
と、時間はかかるかもしれないが、引き続き目標達成を目指すという意向を鮮明にしています。

私達国民にとって、特に「物価」については生活と切っても切れないものです。
2%の物価上昇があったとしても、生活を脅かされないようにするためには、所得を2%以上上昇させる必要があります。

そのためには、企業に賃上げを要求するというのは、当然の反応ではありますが、企業だけにそれを押し付けるのは得策ではないし、実現も遠のきます。

日銀の金融政策と日本政府の財政、これがミックスされてこそ賃上げと物価上昇は可能になると考えます。

特に、政府には今こそ経済回復のための財政出動が必要ですが、それと同時に消費税減税が特効薬となり得ることを付け加えさせていただきます。

『  』内、参考・引用
4/9 日本経済新聞
【日銀新旧総裁、語録で比べる緩和姿勢】より
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