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日銀短観、製造業と非製造業の明暗

日銀短観、製造業と非製造業の明暗

日銀が3月の短観(全国企業短期経済観測調査)を発表しました。
それによると、大企業製造業の現状の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス1ということで、前回調査の昨年12月から6ポイント悪化しました。
業況判断指数(DI)とは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した割合を差し引いた数値です。
大企業製造業のDI悪化は5四半期連続となりました。

逆に、4四半期連続で改善が見られたのは、大企業非製造業。
DIはプラス20で、前回調査から1ポイント上回り、4四半期連続で改善しました。

資源価格の高騰などで素材業種の企業心理が悪化した他、半導体市況の低下も影響し、大企業製造業の景況感は悪化しました。
一方、新型コロナウィルスの感染減やインバウンド消費の回復が支えとなったのが大企業非製造業です。
ただし、まだまだ改善に力強さがあるわけではありません。
全体としては、物価高が引き続き企業の景況感の重荷になっているのは事実です。

企業の先行き不安を払拭するには、価格転嫁が進展していくことが必要不可欠です。
ただ、これはあくまでも企業側の視点によるものです。
単に物価が上がるだけでは、景気はよくなりません。
コストプッシュ型インフレでは、経済は上向かないというのは、その通りです。
消費者心理を冷やさぬように、積極的な賃上げの継続が必要です。
しかし、景気が現在のように上向かないままでは、日本の企業のほとんどを占める中小企業全体が、賃上げに応じるとは思えません。

景気回復をさせるためには、まずは需要を拡大させることであり、賃上げをすることが最初ではありません。

世界に比べて、主要国中一番成長度が高いとされていた日本。
しかし、それはただ単に世界に比べてコロナ後の回復が遅れていただけです。
そんな淡い期待も消えていくようで、23年も世界の景気減速に引っ張られて、基本的に厳しい状況が続くという見方が多くあります。

『  』内、参考・引用
4/4 日本経済新聞
【物価高が曇らす企業の景況感】
【コロナ後回復に暗雲】より
#経済 #為替 #株式市場 #日経平均 #米株価 #金融 #投資 #世界経済 #物価 #国債

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