5月5日は端午の節句 柏餅の日
1月1日に始まり、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日と、奇数月と同じゾロ目の日は縁起が悪いとされ、邪気を払うための行事である”節句”になっています。今日、5月5日は祝日的には”子供の日”ですが、昔は”端午の節句”と呼ばれていました。
この端午の節句は、江戸時代から公儀の祝日として定められていたそうです。武士の家では、跡継ぎの男子の誕生は最大の祝い事であったため、端午の節句に兜や幟旗を飾って盛大にお祝いをしました。そのお祝いが庶民にも広まり、今に至っています。
私は食い意地が張っていたので、”柏餅を食べる日”くらいの認識しかありませんでした。柏餅は和菓子屋さんやスーパーなどでも売られていますが、一度だけ自家製の柏餅を作ったことがありました。
詳しい経緯は忘れましたが、5月5日に知り合いの家で柏餅を作ることが急遽決まりました。「柏餅って家でも作れるんだ・・・」と小学生だった私は、柏餅が家で作れることに驚きました。私は田舎出身ですが、田舎でも柏餅は店で売られているのが一般的で、自家製の柏餅の話は聞いたことがありませんでした。
知りたがり屋の私は、柏餅の作り方に興味津々でした。柏餅作りは餡子作りから始まります。小豆は前日から、洗って水と一緒に鍋に入れていたようですが、小豆が炊けて粒あんを作るまでに約2時間くらいかかりました。今なら粒あんだってスーパーで簡単に手に入りますが、昔は全て手作りでした。
粒あんができると、次は餅の部分を作ります。餡を包む餅の材料は米粉(上新粉)でした。この時の餅の原型は、米粉を水で練って耳たぶくらいの固さにしたもので、この皮で粒あんを包んで、柏の葉っぱで包みました。この包んだ”生の柏餅”を蒸し器で蒸しました。
二家族分の柏餅を作ったので、結構な数の柏餅ができました。柏餅づくりを身近に見たのは、人生でこれっきりでした。今日は端午の節句なので、50年以上前のことですが、ふと懐かしく思い出しました。