母が緒形拳さんに出会った話
今から40年以上も前の話です。福岡から豊後高田市の実家に帰省した時に、母から「緒形拳さんに会った」と言う話を聞きました。母の話は次のような内容でした。
母は、パートで勤めていた会社の慰安旅行で、パート仲間たちと別府市の鉄輪温泉に行ったそうです。温泉に入り、食事/宴会も終わって、そろそろ寝ようかという時間に、尿意を催してトイレに向かったそうです。そのトイレまでの廊下で緒形拳さんに会ったそうです。母は最初は「テレビで見たことがあるような人がいるなぁ」と思っていたら、緒形拳さんだと気付いたそうです。母は恐る恐る「拳さん?」と短く尋ねると、照れ臭そうに「はい」と小さな声で答えたそうです。
後で聞いた話ですが、このとき緒形拳さん達は『復讐するは我にあり』という映画のロケで、鉄輪温泉に来ていたそうです。この映画では、九州・浜松・東京で五人を殺し、詐欺と女性関係を繰り返した主人公の反省が描かれています。もちろん、この主人公を演じたのが緒形拳さんです。この作品は、昭和50年に直木賞を受賞した佐木隆三さんの同名の小説の映画化でした。この映画は、1979年4月21日に劇場公開されました。
母が泊まった旅館が、たまたま映画のロケで使われていた旅館でした。しかも、緒形拳さんが宿泊していたのです。それ以降、緒形拳さんが出演したドラマを見るたびに、このエピソードを思い出しました。私とは全く接点が無いのですが・・・。
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