![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172026932/rectangle_large_type_2_e7a720ac6dfbb474638d87f167243f9f.png?width=1200)
AIは学習に使えるのか、使えないのか
はじめに
生成AIが脚光を浴びて以降、「教える」AIが既にいくつも登場しています。これは、教育の分野に限らず、たとえば囲碁のようなゲームでも同様です。
こちらのサイトでも、以前記事を投稿いたしました。
今回は、その点について、改めて深堀していきます。
AIは「嘘をつく」から教育には使えない?
生成AIによる出力を業務改善やプログラミングに使おうとする動きが加速する一方で、生成AIはハルシネーションといった「嘘の出力」をすることが知られています。嘘とまでは言えなくても、たとえばプログラミングのようなものではバグが埋め込まれたコードが出力されることが知られています。
このように、AIの出力には嘘や間違いが含まれますから、「AIから習うことは危険」だと捉える人がいます。これは本当でしょうか?
AIに教えてもらうと、バイアスが消える
そんな中で、つい先日にはAIが生徒に囲碁を教えた結果、男女の実力差が解消したという研究結果が発表されました。
AIにより「バイアスのかからない教え」が実現し、その結果個人の能力が引き出されるようになったのであれば、それは非常に素晴らしいことです。
「AIが完璧ではないこと」が知られている業界
ここまで囲碁の事例をご紹介しましたが、お隣の将棋界でも「AIは完璧ではない」ことはよく知られています。
将棋や囲碁、チェスなどの、いわば盤上や手駒がすべて見えているゲームを「完全情報ゲーム」(*)という。林さんは、完全情報ゲームおいては、AIはもはや人間をはるかに超越しており、その差も広がる一方だという。「翌年には自らに80%、90%勝つAIが生まれるわけですから、人間が追いつくのはもう不可能でしょう」。
AIは何年も前に人間を凌駕したものになってしまいましたが、そんなAIでも
「去年のAI」と「今年のAI」が戦えば、「今年のAI」が80%以上勝つ
ことが知られています。ということは、ハルシネーションの例を挙げるまでもなく
現時点の正しい答えも「未来の技術の視点に立てば」完璧ではない
ことがわかるわけです。
おわりに ~ AIに「正しく」習うには
今回は「AIに習う」ことについて考えてきました。
AIは唯一無二の正解を出力してくれそうな印象がありますが、実はそんなことはないことは上で述べてきたとおりです。一方で、AIを使って学習することに効果がありそうだということも見えてきました。結局のところ、AIを使った学習におけるもっとも重要な点は
AIが「完璧ではない」ことを理解したうえで使うこと
だと言えるでしょう。
そもそも、これまで人間は人間に習ってきていました。しかし、人間は完璧ではありません。言われてみれば当たり前なのですが、大事なことは
唯一無二の正解を求めるのではなく、現時点の「有用さ」を求める
なわけで、その対象は「人」でも「AI」でも変わらないということが、今回改めて認識できたかと思います。
今後も引き続き、AIの活用については考えていきます。
(この項おわり)
DX事例として、これまでデジタルが活用されてこなかった領域への取り組みが取り上げられることが多いです。たとえば、以下の事例は将棋という分野において、これまで紙に人力で棋譜を記録していたものを、システム化したという事例です。
実はこのシステムは2020年から導入されていたものです。
これまで人手で行っていた記録作業をAI(画像認識)技術を活用して省人化。 技術は平易だが、「記録=修行の一環」と考えられてきたため、技術導入が進んでいなかった。 記録員の慢性的な不足という実情と、海外での類似事例により導入が進んだ。 コロナ禍による3密回避手段という思わぬ効果も。
いいなと思ったら応援しよう!
![#ヒデ @hideh_hash_845](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107354092/profile_171d5d89c72c34229b549e3f5197200d.jpg?width=600&crop=1:1,smart)