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2023年10月、再度「将棋の駒を持つ女子中学生」を生成AIに描かせてみた:Bing Image Creator編
はじめに
以下のような投稿がありました。
生成AIでイケメン棋士の作成には成功したが、盤面がチェスになってしまう。 pic.twitter.com/dFSJ3LO3FZ
— 西尾明 (@nishio1979) October 22, 2023
この「盤面がチェスになる問題」は将棋系生成AIあるあるで、このnoteでも過去に取り上げたことがあります。
さて、2023年3月時点では
「将棋ともチェスともつかない何か」を生成
してしまいましたが、あれから半年経って、状況は変わったでしょうか? 今回は改めて「将棋の駒を持つ女子中学生」の生成を試みようと思います。
DALL·E 3
今回はBingの「Image Creator」を利用します。エンジンはDALL·E 3(ダリ3)です。
まずは、普通に「将棋の駒を持つ女子中学生」というキーワードを指定してみます。
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いきなり前回のクオリティを大きく超えて
きました。盤面上の駒はチェスっぽかったあったり、駒を右手には持ってくれませんでしたが、なんというかこれでもう十分な気がします。
プロンプトに「将棋」を使わないで試行してみる
さて、このnoteの仮説は「将棋 → 英語で“Japanese Chess” → Chess をもとに画像生成」なのですが、逆に言うと、
Chessという語を使わなければ、将棋っぽい絵が描けるのでは?
と考えました。せっかくプロンプトがいろいろ指定できるので、今回は将棋の駒や盤の様子を表現してみようと思います。
将棋の駒がチェスのようになるので、「駒」という言葉は使わない方針にしました。将棋の駒はどういう形をしているかを考えてみると
駒(こま)は、将棋において盤上に並べて動かす用具である。駒を識別するため、先が尖った独特の五角形の木片の表裏面に文字が書かれている。
将棋の駒を「木片」と呼ぶのは気が引けますが、他に良い語がないので今回はこれで指定してみます。また大きさも指定してみます。
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女子中学生のクオリティは相変わらず高いですが、駒は五角形ではなく丸い形になってしまいました。これでは
将棋ではなく象棋(シャンチー)
の駒です。
この後もいろいろ試しましたが、

どうしても駒の厚みが消えません。これでは麻雀牌のようです。
おわりに ~ そろそろ「日本」のデータで学習した生成AIが求められる
少し古いですが、2023年3月に自民党が出した生成AI活用に関する提言書、いわゆる「AIホワイトペーパー」が発行されました。
その中で、日本に関する絵を生成することの難しさが語られています。
海外の画像生成AIが、日本に関する絵をうまく作成できない、いわゆる「データバイアス」について、課題を提起。官民データの利活用に対し、標準データモデルの整備のほか、政府や地方公共団体が保有している公式データをAIモデルで利活用できるよう、整備を進めるとした。また、データバイアス解消のため、海外のAIモデルに日本関連データを積極的に提供することも盛り込んだ。
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このように、日本に関する絵を生成しようとして、いくらプロンプトを頑張っても、そもそも
学習データに「日本っぽくないもの」しかなければ、日本っぽくない絵しか描けない
ということになります。
その意味で、お試しレベルから一歩超えて、生成AIで「日本っぽいもの」を描くのであれば、学習データはやはり日本で撮られた「日本」の物が必要となってくるでしょう。個人的には、将棋に関して、まさにそれを期待したいところです。
2023.11.21追記
noteから直接Adobeの生成AI機能が使えるようになったそうなので、せっかくだから作ってみました。
(おわり)
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