オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㊵
やっぱりゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラが好きだ。
さて、昨日に続き『ゴジラ』映画です。今日は、甲乙つけがたい怪獣映画の傑作『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』について語って行こうと思います。
この2作を好きだ!と思う理由の一番目は、やはり『ゴジラ』初体験のイメージからだと思います。で、初体験となった『モスラ対ゴジラ』と『三大怪獣 地球最大の決戦』の二つは、やっぱりTV局が何度も放映するように出来がメチャクチャ良いんですよ。
それは、この2作をセットで語る理由でもあります。
映画『ゴジラ』(第一作)、映画『空の大怪獣ラドン』、映画『モスラ』。の3作品は非常に良くできた特撮映画(あえて、怪獣映画と言わない)です。この3大怪獣を主役とした映画3本は、監督・本多猪四郎さん、特技監督・円谷英二さんタッグの作品。なので、一切、怪獣をなめていない大人の鑑賞に堪えられる作品になっています。
『ゴジラ』(第一作)は、反核映画としての傑作であることは言わずもがなです。それは本多監督の演出した俳優が演じるシーンと見事に融合した特撮シーンのアングル、ミニチュアの精巧さで実現したと思います。
そこには日本初の特技監督の称号を得た、円谷英二さんの存在があります。CGではなく模型とミニチュアと着ぐるみで、あれだけの迫力を出してくるのは、カメラマンからスタートした映像制作者だからだと思います。とにかく特撮でのカメラアングルはスゴイ。
まさにゴジラの恐怖、臨場感は、ここにポイントがあると思っています。
で、その凄さは『空の大怪獣ラドン』の福岡飛来シーン、阿蘇山での最後を迎えるシーン、『モスラ』の幼虫の進行、東京タワーでの繭作り、羽化した成虫の美しさ…予算不足で海外都市のシーンは不満だったと本多監督は言うが、こちらにしてみれば“どこが?”と言った感じです。(多分、逃げ惑う外国人の部分だとは思うけど)
で、この怪獣たちの出現には伊福部昭さんの音楽が伴っており、ドラマ性、特撮、音楽が印象に残る作品になっているわけです。
さて、何を言いたいか,想像がついてきましたか?
『モスラ対ゴジラ』は『モスラ』および『キングコング対ゴジラ』の続編で、『三大怪獣 地球最大の決戦』は、『モスラ対ゴジラ』と『空の大怪獣ラドン』の続編。
そして2作品共に、監督・本多猪四郎さん、特技監督・円谷英二さん、音楽・伊福部昭さんトリオの作品なんです。これは、とてつもなく重要な事だったと思います。つまり、それぞれの怪獣映画を独立した映画として生み出したメンバーだからこそ、その対決や共闘が描けたのだと思います。
『モスラ対ゴジラ』の怪獣戦の展開を考えると、それまでのゴジラの対戦結果を引き継いでいることが良くわかります。
『ゴジラの逆襲』=対 アンギラス ゴジラの勝利
『キングコング対ゴジラ』
=対 キングコング 同時に落下 ゴジラの消息不明
上記の結果から、ゴジラとモスラを、どう激突させ、モスラに勝利をもたらすかは本当に難しかったと思います。それをモスラの母性と絡めた展開で見事にやってのけたのだから素晴らしい。
① ゴジラ モスラの卵を狙う
② モスラ成虫 ゴジラと卵を引き離す激闘
③ だがゴジラの力が上回り、モスラ成虫 ひん死に。ゴジラ、その場を去る
④ ひん死のモスラ 卵を温める 幼虫孵化 双子である
⑤ 双子モスラ ゴジラを追いかける。
⑥ モスラ2匹 糸をはいてゴジラの視界を共闘で奪う
(実は、映画『モスラ』では、糸を吐くことを攻撃には使っていない)
⑦ ゴジラ 視界を遮られ海中に モスラ インファント島に帰還
ゴジラ 親には勝つが双子に負ける!(公開時のポスター=扉絵などを見ると幼虫の姿が無く、完全に隠し玉ですね)
この設定が、悪役ゴジラの撃退による爽快感を生んでいます。子供の心わしづかみです。で、チビモスラに感情移入すると『三大怪獣 地球最大の決戦』
での、ゴジラ、ラドンへの説得シーン、説得失敗の後のギドラへの単独戦闘→あっさり吹き飛ばされる、そしてゴジラ、ラドンとの共闘に…が、めちゃくちゃ楽しいんですよ
『モスラ対ゴジラ』の激突の続編だからこそ『三大怪獣 地球最大の決戦』において、とてつもない宇宙から来た天敵・キングギドラの威圧感、破壊力に対し、ゴジラ、ラドン、モスラで共闘しなければならない説得力が生まれたと思います。(もちろんギドラのデザイン、破壊光線の稲光のようなギザギザな軌跡、良く動く首と翼、地球怪獣とは違う鳴き声など、キングギドラそのものの魅力も絶大だと思います)
この映画の魅力的シーンの一つ“キーンと音を響かせて夜空を舞うラドンを睨みつけて戦いを予感するゴジラ”。
この同等の感じこそ、それぞれの怪獣のドラマを生み出した“親”だから演出出来たもののような感じがします。で、その作り手の本気は、結果的に子供たちにも届いたんでしょうね。(その意味では『キング・オブ・モンスター』のラドンは、日和見すぎたな~)
この後、ゴジラは敵方から子供の味方になって、次回作『怪獣大戦争』ではシェーまでしてしまいます(それは、それで嫌いじゃないんだけどね)。もし、ゴジラとの出会いがファニーなゴジラだったら、ここまで好きになっただろうか解らないですね。
おそらく『三大怪獣 地球最大の決戦』のエッセンスは海外の方々にも伝わったんでしょうね。ゴジラ、ラドン、モスラ、キンギギドラそろい踏みの『ゴジラ キング・オブ・モンスター』には懐かしさと嬉しさを感じました。
さて、ハリウッドさん『キングコング対ゴジラ』を、どう料理しますかね?
楽しみです!
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