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血液栄養検査から判明した身体の状態と今後の対策について

高城剛氏が主催の8weeks.aiに3期から参加している。先日、栄養解析の結果が届き、医師の方と面談することができた。自分の身体の現状と、対策方法を知ることができ勉強になった。

今回は自習で得た知識と、医師から学んだことを踏まえて、自分の検査結果を読み解き、ここに公表することにした。

また私は今度のノマドアカデミーにも参加する予定だ。そこでは血液検査の読み解きをやるらしいので、同じく受講する方は、今回私が晒すデータを練習問題として使って見てほしい。

血液データと簡単な結論

まずはデータを見てほしい。


これからそれぞれの項目を確認していくが、結論として私の身体は「糖質、脂質、タンパク質が足りておらず、肝機能も弱く、さらに赤血球が常に破壊されている」というものだった。ボロボロ過ぎて笑ってしまう話だが、なぜそうなったのかを解説していく。

タンパク質、肝機能系

まずはタンパク質、肝機能に関する項目を見ていく。

総蛋白(TP)
血液中に含まれているたんぱくの総称。7.5を切るとタンパク質が足りておらず、最低でも7.1は欲しい。私の場合は7.3で、数値だけ見ると合格ではない。日頃からタンパク質を多めに摂っていたつもりだが、数値が上がっていないということは消化吸収ができていないと考えられる。ただし総蛋白は脱水で数値が高くなったりするので、厳密に見なくても良いらしい。実際、面談でも言われなかった。

尿素窒素(BUN)
血液中の尿素に含まれる窒素分を表す値。一般的に数値が高いと腎臓が悪いと考える。栄養学的には数値が低いとタンパク質が足りないとされる。なぜならタンパク質が体内で分解された後に生成される最終産物だから。この値が15mg/dL以下の場合タンパク質不足またはビタミンB群不足でタンパク質代謝ができていないと考えられる。逆に上昇する原因は腎機能異常、脱水、感染、出血など。私の値は10.9で目安を下回っていた。理由はタンパク質の吸収ができていないのと、ビタミンB不足の両方だろう。

※逸脱酵素について
AST、ALT、γGTP、LDH、アミラーゼ、リパーゼ、ALP、CKは逸脱酵素と呼ばれている。本来細胞内で働いている酵素が細胞が破壊されるなどの理由で血液中に逸脱するからそう呼ばれる。これらの値が高いと臓器に問題があると考えられる。

γ-GTP
肝臓、腎臓、膵臓、小腸から逸脱するが、基本的に肝臓。男性は18~25U/L、女性は12~22U/Lが理想らしい。
細胞内へアミノ酸を取り込む機能があり、高いと肝機能に問題ありと言われ、特に飲酒する人が気にしている。値が低いとタンパク質が足りないとされる。γGTPと尿素窒素は同じ値が理想であり、GTPが極端に高いと脂肪肝や炎症の可能性がある。目標は20~30U/Lだが、私は17でタンパク質が足りていないと見える。

総コレステロール
コレステロールはタンパク質からできるので、低いとタンパク質が足りない。コレステロールは肝臓から作られ、細胞を修復している。つまりコレステロール値が高い=炎症がある。一般的な基準値120~219に対して私は196なのだが、これはタンパク質が足りていると見るより、肝機能に問題があると見たほうが良さそうだ。肝機能については後述する。

AST、ALT
ASTは肝臓、赤血球、心臓、筋肉から逸脱。ALTは肝臓から逸脱。生成の補酵素にビタミンB6が必要。両方とも20U/Lが理想。
お酒を飲んでいないのに数値が高いと、糖質の摂りすぎで肝機能に問題がある。
一般的にASTがALTよりも高い。
AST-ALT>2はビタミンB6不足。なぜなら半減期がASTは20時間、ALTは90時間なのでASTの方がビタミンB6の影響が大きいから。私は18-15=3なのでビタミンB6不足だった。
ALT-AST>2は脂肪肝、飲酒しないなら糖質過多で非アルコール性脂肪肝らしい。
ビタミンB6はエネルギー代謝の補酵素で、タンパク質の分解を助ける。セロトニン、メラトニン、ドーパミン、GABAなどの神経伝達物質はタンパク質からできているため、ビタミンB6は大事だ。私の場合はMAO-AとCOMT遺伝子に変異があるため、ビタミンB6が欲しい。また腸内細菌の善玉菌がB群の2~3割、特にB6は80%作るようなのでお腹の調子も整えなくてはならない。

コリンエステラーゼ(ChE)
肝臓で作られる酵素で、肝臓におけるタンパク質合成を反映。低栄養だと下がり、脂肪肝だと上がるが、様々な影響を受けやすいので参考程度に見ると良いらしい。後述のLDLコレステロールより値が高いと脂肪肝による肝炎の可能性がある。280U/Lが目標だが、私は262とやはりタンパク質が足りていないと見える。

LDLコレステロール
細胞膜、副腎皮質ホルモン、女性ホルモン、ビタミンDの材料なので数値が高いと細胞や血管に炎症があり修復していると判断する。よく悪玉コレステロールと呼ばれるが、こいつが足りないと炎症の修復が終わらない!
120以下だと糖質、脂質、タンパク質不足が疑われるが、私は116とわずかに足りていない。なお面談ではここは突っ込まれなかった。

クレアチニン
筋肉が運動する際にエネルギーを生み出した後の老廃物で、血液中に含まれる。高いと腎機能障害や脱水、0.65を切ると運動不足や筋肉量低下と考える。私は0.72と基準はクリア。だが心許ない数字ではある。

尿酸
9以上だと痛風発作が起きやすい。プリン体過剰や肥満による尿酸排泄量の低下も理由。アルコール、糖質、ストレスが多いと上がる。
3以下だと免疫力低下で癌になりやすい。タンパク質不足やビタミンB群不足の可能性もある。
私は4.9とまあまあで、面談でも何も言われなかった。

ヘモグロビン
低いとタンパク質不足であり、13.5以上は欲しいらしい。私は15.6と基準はクリアしていた。他の項目でタンパク質が見えている。

ミネラル系

次はミネラルに関する項目をみる。

ALP(IFCC)、アルカリフォスファターゼ
肝臓、小腸、骨、胎盤から逸脱するが、主に肝臓から。
63以上?が理想値で低いと亜鉛、マグネシウム、(時にはビタミンB12、ビタミンA)不足。私は58と少し低い。実際、亜鉛とマグネシウムが足りていないので妥当だ。

亜鉛
身体中の回路を回すので重要。加工食品やアルコール摂取で低くなる。100は欲しいが私は85なので足りていない。

Cu(銅)
亜鉛と100:100くらいが適正。銅だけ高いと炎症が起きている。私は95なのでやはり炎症が起きていると見える。

マグネシウム
骨の形成、エネルギー代謝、血圧の調整など様々な作用がある重要なミネラルなのだが、現代人は基本的に足りていない。足が攣るのもマグネシウム不足が原因。私も当然足りておらず、2.6は欲しいところが2.0だった。

LDH(乳酸脱水素酵素)
肝臓、心筋、赤血球から逸脱するが主に肝臓。
180が理想で低いと疲れやすくエネルギー不足。ビタミンB3であるナイアシンに関係。高いと肝臓、溶血性貧血、心筋梗塞、悪性腫瘍。私は155と低く、ビタミンB3を含めたビタミンB群が全体的に足りていないようだ。

フェリチン
貯蔵鉄で男性80前後、女性30以上が適正。高いと炎症が起きている。私は73と少し足りないかもだが、面談では突っ込まれなかった。

血清鉄
現在使う鉄で100~120くらいが安心。低いと血色素量も低くなり貧血となる。肉と野菜を食べよう。私は157と満タンだ。思えば貧血とかになったことがないので、鉄分関係は心配しなくてもいいのか?

その他

25-OHVD
ビタミンDに関する指標。ビタミンDは超重要で癌や神経障害や骨粗鬆症を予防したり、免疫を強化してくれる。まずは60欲しい。私はVDR遺伝子にホモで変異があるのでビタミンDが足りなくなる。そのため割とサプリメントを飲んでいたためか、65.3とまあまあの数値だった。いや、むしろ飲んでいるのにギリギリ基準クリアと考えるべきか?

好中球(白血球)、neutrophil
交感神経優位で増える。65.9だった

リンパ球、lymphocytes
副交感神経優位で増える。好中球と6:4~7:3のバランスが良い。値は25.6で俺はギリギリ7:3だが、副交感神経を日頃から使えていないと感じるのでもう少し上げたい。まずは深呼吸を日常的に取り入れる。

HbA1c
過去1,2ヶ月の血糖値の平均。ここがおかしいと糖尿病を疑う。私は4.9と安全圏内だった。だが夜間低血糖の可能性があること、血糖値スパイクを起こしていること、遺伝的に糖尿病になりやすいことを加味すると、予備軍であると考えている。

TG(中性脂肪)
一般的に数値が高いと血液が脂肪ドロドロでヤバいと思われているが、低くても問題がある。
この中性脂肪をここで語るには長すぎるので各自で調べてほしい。この記事が分かりやすい。

必要な基準値は80~90だが、私の場合は32! この数値が低い問題とは、糖質を脂肪に変換できておらず、エネルギーを回す脂肪の貯金がないから常に低血糖状態ということ。
この中性脂肪についてはもう少し深掘りできるので別記事にする予定。

ペプシノゲン1濃度
ペプシノゲンとは胃の粘膜から分泌される消化酵素のペプシンを作る物質で、食べ物の消化を助ける働きがある。ペプシンはタンパク質を分解する酵素だ。ペプシノゲンと胃酸が合わさることでペプシンとなる。
 ペプシノゲンはペプシノゲン1とペプシノゲン2に分類され、ペプシノゲン1は主に胃の入り口から胃の真ん中付近に多く分布する胃底腺から発生するのに対し、ペプシノゲン2は胃の出口付近に多く分布する幽門腺から発生する。
これまで書いてきた評価項目はネットなどで調べれば見つけられるものだが、このペプシノゲンは初めて面談で指摘された項目なので面白かった。分子栄養学的には50~55ほど欲しいが、私は42.3と低く、要はタンパク質の消化が下手くそなのだ。これは私の胃酸分泌が弱いためだろう。

間接ビリルビン
この数値が高いと酸化ストレスが多く、赤血球が破壊されていると見る。0.6以下の基準値に対して私は1.8と3倍だ。数値が小さいので大したことないように見えるが、1.8は中々に悪いと指摘された。
 
人間が持つ細胞37兆個のうち、赤血球は28兆個と半分以上を占めている。それが常にボロボロと聞いて思わず笑ってしまった。
 酸化ストレスが多いということはミトコンドリアをうまく使えずエネルギーを産生できない。だから食事をしてもエネルギー不足なのだ。

総合的に見えてくる身体の状態

まず全体的な傾向としてタンパク質が足りていないと判断できる。しかし、私がこの栄養解析を受ける前の1~2ヶ月間は豚肉、鶏肉、卵などのタンパク質をしっかり摂取していた。それで足りないというのは、消化吸収ができていないからと考えられる。実際にペプシノゲンが低いことから読み解ける。また昔やった遺伝子検査でも胃酸や腸に問題が起きやすいと指摘されている。よって私は消化と吸収に問題があるのだ。

胃酸が出ないとタンパク質やミネラルといった重要な栄養素を使えない。よって食べているのに栄養不足で、食べた分が無駄な脂肪に変わるという悪循環だ。

また脂質もうまく使えていない。肝機能が弱いため脂質を上手く使えず、脂質の貯金もない。だが糖質も上手く使えないので、ただでさえ足りないタンパク質を無理やりエネルギーにして生活していたのが今だ。

現在身体が動いているのは若いからであり、この生活が続くとどこかで折れると医師からは言われた。だがそれはその通りだと思うし、その不安があったから8weeksに参加した面もある。

今後の対策

8weeksに参加している方なら知っていると思うが、栄養解析後にサプリメントが2つ処方される。私の場合はクエン酸とフィッシュオイルだった。

私自身、ちゃんとしたビタミンB群やマグネシウムや亜鉛のサプリメントを摂ってきたが、効果はイマイチ感じなかった。それは根本の状態が悪かったからだろう。

クエン酸で酸化ストレスを減らしてミトコンドリア機能させ、エネルギーをしっかり回せるようにする。またフィッシュオイルの摂取で使えない脂肪を排出し、中性脂肪の値を改善させる。

そういった身体の土台ができてから、ビタミンやミネラルを補給していくというプロセスのようだ。

最後に

私は23歳で遺伝子検査、栄養解析、有機酸検査、フリースタイルリブレによる血糖値測定などをやった。そして私の身体がどういう設計図で、現状がどうなっているのか知ることができた。

だがあれから4年ほど経つが、私の身体は健康になるどころか変わらない、もしくは悪化している。もちろん自分の設計図を知ることができたのは良かった。あれからグルテンをなるべく摂らず、自分に適したサプリメントを摂るなどできることはやってきた。だが結果はこのザマだ。

これは努力不足があるかもしれないが、同時にこのデータを元にどういった対策をすれば良いのか知らなかったのが問題とも感じている。もちろん当時もしっかり指摘はされたのだが、いまいち腑に落ちないというか、理解ができなかった。

それが今回、8weeksに参加して道筋が分かったと思う。これなら痩せれそうだなと思ったし、生涯一番の健康を見ることができるかもしれない。

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