夢だけ見てる 19.12.21
六年ほど前だろうか。
『暴れん坊力士!! 松太郎』というテレビアニメが日曜早朝に放送されていた。
主演声優にマツケン(平清盛ではなくサンバのほう)を迎えたこともあり、原作『のたり松太郎』のタイトルを変えてまで開始された。
僕のツイッターを当時からご覧の方はご存知のように、松に惚れていた僕は、
松の設定を勝手に一歳上げられようとも(原作では初登場時19歳。飲酒シーンがあるため)
松の顔が回を追うにつれて雑になろうとも
原作とかけ離れたお子様向け無味無臭無害、さらにはナンセンス展開になろうとも
毎週欠かさず観ていた。
そこらへんについて詳しくは
https://twilog.org/hidaryu/search?word=%E6%9D%BE%E5%A4%AA%E9%83%8E&ao=a&order=al
(当時の僕のツイッターの、松太郎関連つぶやきまとめ)
お茶漬けメーカーがスポンサーにも関わらず、トイレなどのシモネタを繰り返した挙げ句、半年で終了。(バッドエンドで打ち切り)
当然、ストーリーは未完のままである。
以下、最終回直後の僕のブログより引用。
さらば松太郎??
2014/09/28
今年の四月に始まった、『暴れん坊力士!! 松太郎』(原題・『のたり松太郎』)が本日で終了した。
放送期間は半年。連載期間が20年を越える超長編漫画が原作の割には、極めて短いと言っていいだろう。
ネット上でも、番組としては良い評判を見かけることは少なかった。
ちば先生単独の作品としては、『おれは鉄兵』『あした天気になあれ』などとともに、代表作として挙げられるこの作品。
大御所俳優マツケンを主演に迎え、当初の話題性は充分だったはず。
それが、なぜこのような形で「千秋楽」を迎えてしまったのだろうか。
自分なりに検証してみることにする。
独断と偏見で。
・マツケンの“ミスマッチ”
マツケンが大御所俳優であることには異論はない。
ただ、番組を当てに行こうとして、かえって……という印象も。
視聴者の子供にとっては、マツケンのご威光もまったく効果がないはず。
にもかかわらず、タイトルを改題するなどマツケンに気を遣い過ぎていたような気も。(それでいて あ の ストーリー展開……と言ってはいけない)
声の演技にしても、当初からマツケンそのもので、それは基本的に変わることはなかった。
慣れもあってか徐々に違和感はなくなっていったものの、なぜ声優としてはそれほど実績がない彼が主役だったのか……。
まさかマツケンのギャラが高すぎて、放送が続けられなくなった……ということもないだろうけど。
あるいはマツケン自身が降りたいと言ったというなら、ありうるかもしれない。
単なる推測だが。
・青年漫画を子供向けアニメにしてしまった影響
松太郎の“魅力”は、ざっくり言ってしまえば、恵まれた巨体と、法律を無視してしまうほどの荒くれっぷりだと思う。
だが、それを子供向け早朝アニメにしてしまった結果、
未成年飲酒シーンも
婦女暴行(未遂)シーンも
田中が酒乱という設定も
きれいさっぱりなくなって無毒無害無味無臭なお話に。
なおかつ、(スタッフが考えるところの)子供受けを狙い、冒頭に実写「大相撲 伝説の名勝負」を挿入したり、解説者になぜかサッカーの松木氏を起用したりと、迷走は続く。
いつしか、おならや排せつなどの下ネタが多くなり、
さらに
あのポワトリン・カーレンジャーで名を馳せた?
浦沢先生がシナリオに加入。
当初はまだおとなしい作風であったものの、すぐに“頭角”を現した先生は、『松太郎』に
シュール
ドタバタ
ナンセンス
下ネタ
微エロ
を持ち込む。
それらがもっとも色濃く出ていたのが、第19話の「大暴れ、結婚式」かと。(タニマチの娘の結婚式をぶち壊す話)
ただ、ストーリーとは別に、松太郎の入浴シーン・成金キャラ・犬の真似などを見せてくれた功績? も。
・作画問題
二回以上見た人はお分かりいただけると思う。全国ネットであるにもかかわらず、毎回キャラの顔が(極端に)違うことに。
果ては一つの回でも前半と後半で松太郎の顔が違う事態に。
『ミドロが沼の巻』もかくや。(知らない人はググろう)
……と、さまざまな問題を抱えたこのアニメだったが、それでも善意に解釈するならば、スタッフとしては、昔懐かしい「大河アニメ」をやりたかったのではないか。
ただ、それが(番組の質も含めて)時代に合っていたかは疑問だが……。
悪いところばかりを挙げるのもなんなので、番組が「放送されて」(番組そのものではなく)良かった点を挙げるならば、
・松太郎の魅力を全国の視聴者に伝えられた
このアニメが始まるまで、松太郎の存在を知らなかった人(組合のご同輩)は多くいらしたと思う。その人たちに松太郎という萌えキャラを伝えられたのはよかった。
案の定、「組合」の一部で松太郎ファンも増え、松太郎プチオンリーイベントも企画されるまでに。(残念ながら、開催はされなかったが……)
・貴重な「萌えアニメ」としての価値
筋骨たくましい荒くれた男たちが、半裸、というかほぼ裸でくんずほぐれつする姿を見られるのは、真の相撲ファンにとっては失礼であろうが、やはり純粋にうれしかった。
この二点だろうか。
だからこそ、こういった形で幕を閉じるのは極めて寂しいし残念でもある。
さて、このブログを読んで
「『松太郎』はアニメが原作に追いついたので、ちょっと休止しているだけなんです、打ち切りじゃありません!」
と、文句をつけてくる人はいるだろうか。
(参照)
このクレームなら
大 歓 迎。
それはさておき、番組のラストは、二又さんのこのナレーションで締めくくられる。
昭和の暴れ馬、坂口松太郎。
お前は田中を引き連れどこへ行こうというのだ?
明日はどこへ暴れ風が吹くぅううぅ???
まさかの田中エンド。
その後番組として『ワールドトリガー』という、ジャンプ系アニメが放送されたが、これもまた、『松太郎』よりは長く放送されたものの、ストーリーの途中で終了した。
それから四年弱。
まさかの
ま さ か の
新シリーズを放送するという。
『松太郎』
ではなく
『ワートリ』の。
えぇぇぇ……
リメイクじゃなくて続編?
いや
それならさぁ
『松太郎』の続編をやったっていいんじゃないの?
今度は時間帯を遅くして、大人向けの描写も交えて。
ついでにタイトルも戻して、声優ももっと野太い声の方にお願いして。
ねぇ
うん
誰もそんなにキョーミがないことは知ってる。
ただ、
『松太郎』(アニメ)の終わり方があまりにも……
だったので
夢をつい見てしまったのさ。
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