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正しいだけでは 20.5.19

昨日、全国のうち39県の緊急事態宣言が解除された。
とは言え、医療専門家が「気を緩めないように」としかめ面でコメント。
それは医学的にはまったく正しい。
だが、世の中って正しい事だけで構成されているわけじゃないよね。

ぐうの音も出ないほど正しいことをおっしゃっているのはよくわかる。
だけど――僕が言うのもアレだが――、もう少し言葉に気遣いがあってもいいのでは、と思うのだ。

たとえば、地方の県知事が、自分の県への他県からの来訪を防ぐために、駅やパーキングエリア、空港で、強硬的に検温したり「今、来県は必要か?」なプラカードを掲げたりするのと、
あくまでも「お願い」として、相手を気遣ったメッセージを送られるのでは、印象もかなり違ってくる。

コロナ巡り岡山県は大炎上で島根県は絶賛 明暗を分けたのは言い方か


特に、初期の頃は専門家からの、ショッキングとも言えるメッセージが多かった気もするが、締め付けだけでは反発も買うし、強い恐怖や刺激にもいずれ人は慣れてしまう。

それがネット

いや、人間だから。(あげるくんを注意するトメ吉ボイス




東京都医師会、17の「新しいライフスタイル」を提案


(1)ネットでは3密が分からないと言われる。「むんむん、ぎゅうぎゅう、がやがや」と子どもにも分かりやすいセリフが出ており、こういう言葉を合言葉に、子どもたちにも分かってもらいたい

(2)「3密」の空間に行ったことは本人が自覚している。自分だからこそ分かることがある。3密空間に長くいたと分かったら、安定して大丈夫と思うまで人に気を遣う

(3)発熱・倦怠感・無味無臭などいろんな症状が出る。潜伏期間平均が5日くらいと一般的に言われている。自分がまずいなと思った空間にいてから5日後にこのような症状があったらすぐかかりつけ医に相談する。早めに(PCRなどの)検査をして、早目に対応する。症状が出る前後にウイルスの排出量が一番多く、早く検査して早く確かめることが大切

(4)顔を触る前には手で触れない。アルコール消毒をする

(5)今回クラスターが発生するのは高齢者施設、病院など高齢者が多いところで多い。施設にウイルスが入らないように頑張っているが、気持ちが緩むと父、母に会いたい気持ちになるが、行くときには慎重に考えていくように

(6)くしゃみのときは手ではなく、布で抑える。マスクやハンカチでしっかり押さえる

(7)電車、スーパー、お店に行くときは、必ずマスクをつけていくのが流行中のしばらくのエチケット

(8)テレワーク、時差出勤、新たな働き方改革を模索する

(9)デパート、スーパー、小売店では消毒液が置かれ、間隔開けて並ぶようなところが選ばれるようになるかも知れない

(10)カウンターで食事が出る飲食店で「いらっしゃいませ」の大きな声をマスクしないで言われると大丈夫かなと思ってしまうかも知れない

(11)食事会で大きなテーブルを囲むのはいいが、ずっと食事がテーブルの上にのったままわいわいやっていると飛沫が降り注ぐ。それを食べるのは危険。気を付けよう

(12)夜の街の接客スタイルは感染を生み出す可能性がある。新しい接客スタイルを考えないといけない

(13)公園などでオープンスペースは大丈夫と思ってしまうが、楽しいからその後飲み会をやっちゃう。健康にいいことをやったあとで健康に悪いことになる。新しいマナーづくり、スポーツのルール作りを

(14)パチンコ、ライブハウス、ジムなどクラスターが本当に発生した場所をどう運営するか知恵がわれわれにはないが、運営の方々が新しいスタイルを考えてもらいたい

(15)外出後はかならず手を洗いましょう。手のアルコール消毒をする

(16)普段からバランス良い食事をとる

(17)喫煙。重症化が2.2倍、死亡率が3.2倍。これを機に禁煙していただくことを東京都医師会として望む

以上、記事より引用


先日の記者会見で、副会長がこう述べているのだが、……どうだろう。


しゃべり言葉をそのまま文字に起こしている(?)ことを差し引いても、意味が分かりづらい、はっきり言えば意図不明な点が散見されないだろうか。

医学面での主張を前面に押し出したあまり、9・10・12など、「しれない」というあいまいな言葉を使って、流れを一つの方向にもっていこうとしているように思える。
かつ、「新しいスタイルを考えなければならない」としながらも、そちらの専門家ではないということで、口は出すものの具体例は述べない。
かつ、14で、クラスターの発生場所として、「パチンコ」と誤った例を挙げるおまけつき。(のちに謝罪


何度も何度も言っているが、健康であったとしても、お金がなければ人は生きていけない。
特に、たまたま三密となる職業で収入を得ている人たちへの配慮もお願いしたい。

「こちらの職業の方には申し訳ないが」、その一言だけでも。


正論だけでは人は動かない。


最近、東京での感染者数は一桁が続いている。
第二波・第三波の危険性は充分にあるとはいえ、一時のほぼ完全自粛要請よりは、希望が見えてきたのではないか。

「しかめ面おじさん」たちも、そろそろ「新しい解説スタイルを考えないといけない」。

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