追悼・西田敏行さん・5 終 24.12.3

そもそも頸椎亜脱臼、および胆のう炎の治療・手術のため入院したのだが、なぜかヤクブツ使用疑惑として、ネットで一部の人間が書き込みをした。
この件は小騒動となり、所属事務所が警察署に被害届を提出し、サイトに警告文を発表する事態に。
ここまでは当然として、デマである以上、普通本人は触れないものだが、その人はそれすらもネタにして、冗談まじりながらもきっぱりと否定。
のちに、デマを流した人物は、偽計業務妨害容疑で書類送検されている。

その人の訃報が流れた直後、SNSなどでその人との思い出を語る人が、俳優のみならず一般人も多く現れた。
そのすべてが、優しくしてくれた・お世話になったなどのほっこりエピソードばかり。
誰に対しても、その人が分け隔てなく接していたことが窺える。

その人がナレーションを担当していた『人生の楽園』。
番組に登場する「楽園の住人」にエンディングで

「応援してまーす!!」

と、その人がエールを送るのが恒例だった。
それが、自分に送られているような気がいつもしていた。

亡くなってからもしばらくその人の声が流れていたが、ほぼ一か月が経ち、ついに本編からはそれが途絶えてしまった。

「応援しています!!」

は、同じくナレーターの、菊池桃子さんが引き継いだものの、その人の声がまだ耳に残っている。

これを書いている間に、声優の堀絢子さんの訃報を知った。
まさか、同じ年に、

ドラえもん(大山のぶ代さん)
野比のび太(小原乃梨子さん)
パーマン一号(三輪勝恵さん)

そして、ハットリカンゾウを演じた堀絢子さんが亡くなるとは思わなかった。
子どもの僕が『西遊記』や藤子アニメを楽しませていただいてから55歳になった現在まで、それ相応の時間が流れたことを思い知らされる。

悲しくないはずはない。
けれども、長く活躍し続けてきたその方々が遺した作品と思い出は、いつまでも残る。

西田敏行さん
長い間楽しませていただき、本当にありがとうございました。

あちらの世界でもまた、スーさん(三國連太郎氏)たち、数々の名優と再会されますよう。

(おわり)


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