さよなら、「増岡」マスオさん。 20.3.26
ショック……。
これからは悠々自適に第二の人生を過ごされるのだとばかり思っていた。
物心ついたときから毎週楽しませて頂き、本当にありがとうございました。
天国の永井さん(初代波平役)、麻生さん(初代フネ役)とご一緒に、どうぞ安らかにお過ごしください。
お疲れ様でした。
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増岡弘さんが、二代目マスオ・ジャムおじさん役を降板されると発表されたのは、去年の8月5日。
そのほぼ二週間後の8月18日放送分で卒業されたので、今考えればかなり急だった。
そして、一般的に番組卒業の時期は春か秋の区切りのいい時期なので、その点でも、不思議に思わなかったと言ったら嘘になる。
ともあれ、この頃は、ご高齢だし、もしかしたら引退かもしれないけれど、のんびりとこれからの人生をお過ごしになられるのかな、と思っていた。
僕ら世代には耳馴染みがある、増岡さんの声。特撮・アニメ中心に多彩な役柄を演じられてきた。
まぁ、偉丈夫・番長役でも声のトーンが高めだったけど、それはご愛敬……。
そして、増岡さんと言えばマスオ役だが、実は二代目。(初代は近石さん)
僕がサザエファンだということは過去何度も書いてきたが、50歳になった現在でも、番組を毎週録画している。
で、三代目の田中さんにバトンタッチする直前、最後の週の録画をもう一度拝見してみた。
いつもと変わりないひょうきんな「増岡節」が聴かれ、その一年前の声と比較しても、特別な違いは感じられない。
ひいき目でなく、まだまだ演じられるように思えた。
マスオは優等生的性格で、妻の実家で同居している設定でもあり、言ってみれば影が薄い存在であるのだが、視聴者にそう思わせないのは、やはりあの特徴的な声にあるのだろう。
80代であの声をキープするのはさぞや大変だったのではないか。
これも何度か書いているが、アニメサザエさんが始まったのは、僕が生まれた年月《としつき》とまったく同じ(1969年10月)であり、かつ、物心ついた時に近石さんからマスオ役を引き継いでいるので、僕より若い人は皆そうだろうが「マスオ=増岡さん」のイメージが強い。
マスオの他に、もう一つ印象深い役は『エスパー魔美』の魔美パパ(佐倉十朗)役。
「温厚なパパ」はマスオと共通しているが、時には魔美を叱ったりと、人間臭い一面も強調されていた。
放送を観る前まではマスオのイメージが強くて、「……ん?」と正直思ったが、実際に観てみると、思いのほかはまり役だった。
ちなみに、ヒゲ+むっちりボディも、思春期の飛田流に多大なる影響を与えたわけで……。
ところでマスオの名台詞として
「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛」
がネット民にネタにされているが、僕は
「あっ、マスオですー」
を推したい。
これは、特別番組でサザエの声優さんたちが顔出し出演したときの、増岡さんの挨拶。
素のマスオというか、奇をてらわないマスオというか、ご本人の優しさがにじみ出たホッと安心できる声質。
それから30年近く経ち、マスオ以外にもジャムおじさん・『正直さんぽ』のナレーションなど、第一線で活躍し続けた増岡さん。
その声は、
子供のときも、大人になったときも
平穏なときも、しんどいときも
いつも僕が歩んできた人生のそばに寄り添ってくれていた。
初代波平役の永井さん同様に。
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増岡弘さん、本当に長い間お疲れ様でした。
ありがとうございました。
いただいたサポートは、飛田流の健全な育成のために有効に使わせていただきます。(一例 ごはん・おかず・おやつ・飲み物……)