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フグリ!② vol.473
人間、教える教えられるの間に信頼関係はもとより、こいつを育てたい!いう気持ちが根底になければ、本気であらゆること伝授することは難しい。
そういう気質を自然に持ち合わせている人間がいたとしたら、どれほど周りは教え冥利に尽き、その成長の程度とそいつの今後を楽しみにしていくに違いない。
そんな男が俺の近くにいる。
フグリである。
そんな風に目されているのにそのゲスな呼び名。笑
大切にされているのかいないのか、皆目見当がつかん!笑
しかしながら、この男のハツラツさと機敏な動きと軽妙な受け応えを目の当たりにしていると、どうにもこうにもこいつを陽の当たるところに送り出したいと思ってしまうらしい。
得な男である。
人間、天然自然にそうした天賦の気質を持ち合わせている者がいる。
こいつを押し立てていけば万事うまくいく的な雰囲気を持っている男。
古くを例に出せば、漢帝国の祖の劉邦がそう。
彼は良く言えば、周囲の英才達を受け入れ、それを彼の中で取り込み、並び替え、最も理にかなった配列にして万事を良き祭り事としていく男。
逆に悪く言えば、何でも無差別に受け入れてしまうバキューム馬鹿。
こんな二面性を持つ男である。
フグリをそこまでリアルに歴史的巨人に投影するのは無理があるが、何れにしてもこのフグリ、俺らの未来を照射して止まない雰囲気を持つ男である。
フグリ!
その命名を行なったのは他でもない、「如水」。
何故にその命名かというと、フグリの風貌を見て、こりゃまぁ下半身が安定してそうだー!という直感と、それに伴う玉袋の重量感を思わさる面付きに、一瞬にして迷わずその命名を行なったという。
フグリ、大迷惑である!笑
だが、この男の大度量は、その不本意な名前で呼ばれるたびに程よい切り返しをすることである。
フグリ、何気にこの呼び名、まんざらでもない!笑
そんなことからも、この男、かなりの人気者だ!
さてさて。
その割にはこの男、ナンパにおいてシャイであり、先日のお誘い後、次のオファーに容易に乗ってこない。
要は怖気付いたのである。
フグリの安定さは見掛け倒しかー??
教えたいと言えば、先日と言おうか今と言おうか、俺の営業所で持ち上がっている問題がある。
社員同士で諍いがあり揉めているということ。
それを間に立つ俺が問題をもっと大きくしてしまったきらいがあるのである。
それはそれとして、揉めているのはいずれも女子で一人は社員女子で50代の中核をなす人物。
今一人はただ単にアルバイト。
このアルバイトがひょんなことからこの女上司を怒らせ仕事の教えを受けられない羽目になってしまった。
当然我が身に降りかかる難というものを察知していたに違いない。
このアルバイトは近い将来社員になりたいらしい。
そのための勉強を日々女上司のもとでしなければならないが、その女上司を怒らせ態度を硬化させてしまったのである。
だがこのアルバイト女、この上司の行為を、上司としての懈怠とし、仕事に私情を持ち込むな式に女上司を突き上げている。
意味が分からない。
お互いにどんな事情があろうとも、そもそも教えてもらう立場にある人間なら、およそ押し出し得る態度というものがそもそも存在するであろう。
にもかかわらず、上司の気持ちを逆撫でしておいて教えてもらうのは当然であるという態度を決め込むのは、かつてのMonsterと全く同じではないか。
そんなこんなで我が営業所はかなり揉めてある。
そんなことはいい。
要は、教える教えられるの間に、無理矢理感や教えたくない感が伴う関係というのは、とにかく危険である。
もし女上司がやろうと思えば肝心なことは伝えず、アルバイトが自分の料簡で行ったことをアルバイトのミスにして、相手を追い詰めることだってさじ加減一つなのである。
このアルバイトの女、一見仕事は出来ると自負しているようで、こんな計算もできないくらいのアホな女である。
フグリのことがどんだけ愛おしく思えてしまうことか。笑(終)