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クルパカ!⑫ vol.481
クルパカが振るわない。
クルパカのクルパカたる所以は、アホがつくほどの馬鹿さ加減があるところである。
最近、それが認められない。
つか、このところエリアの数字が一向に上がらないため、それに纏わる不穏な噂が出始めている。
クルパカ、今年の3月に出処進退を迫られるのではないかと。
というのもクルパカの営業所、ものすごく数字が悪い。
エリアの足を引っ張っている嫌いが強い。
その数字の悪さの原因を広域GMは全てをこのクルパカの能力の欠如に由来するとしているようだ。
俺は何とかしてこの男を守りたい。
自分が直に数字に貢献できればいいのだが、それも出来ないイライラ感がある。
それよりか、むしろ俺自身の出処進退すら危ないかもしれない。
一年目の体たらくはまだ種々の理由でもってお目こぼしされるかもしれないが、2年目となればそうは問屋が卸さない。
いやむしろ、今年の不振は俺にあるのではないかと、痛烈に感じたりする。
俺の、諸事前任を反面教師とすべく正鵠を外した叱咤激励のやり方。
あるいは人に対する言葉のかけ方。
これらが全て上司のモチベーショナーたる立ち位置にそぐわないのではないか。
そんな風に思ってしまう。
何しろ歯車が合わない。
エリアの空気は、常時強硬な踊り念仏を求めつづけ、その颯爽たる英姿の到来を期待しているのだろうが、この現状、誰がその役割を担ったとしても、その唱えは結局空念仏のような気がする。
そのやり場のない鬱憤の全てがクルパカに向かいつつある。
決してクルパカが、エリアのスケープゴートになってはならないのだ。
年明け、喪中が明け、年賀をやり取りしなかった二人が、クルパカの電話により、いつもの挨拶を交わす。
俺に年賀を出してなかったから、挨拶だけでもという理由でである。
そんな優しさを見せる人間はエリアの何処にもいない。
神様。。。
もう少し俺に時間をください💧
せめて半年、俺とクルパカに、自分の運命を己の力で舵切るために必要な時間をください💧
だが無常にも、審判の時間は時事刻々と迫りつつある。(終)