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千年後の命を守るために 女川の石碑 20基目除幕 11月に残る1基披露

 多くの被害をもたらした東日本大震災の津波の教訓を後世に伝え、千年先の命を守ろうと、女川町立女川中学校の卒業生が設置に取り組んできた「女川いのちの石碑」は8日、19、20基目が除幕された。町内に21ある浜全てに建立する計画。残る1基は小学校併設の新しい中学校敷地内に建て、11月21日に披露する予定。

 19基目は小乗浜、20基目は横浦に建立。いずれも新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、地域への披露式が1年延期されていた。このうち横浦は高台の防災集団移転団地に建立。地域住民や須田善明町長のほか、卒業生のうち4人が海の見える団地内の公園に集まり、石碑を覆った白い布を下ろした。

女川命の石碑 横浦に20基目 (10)

20基目の石碑が除幕された

 4人のうち伊藤唯さん(23)は「町や地元の人に支えられて20基目まで来た」と10年を振り返り、阿部由季さん(23)は「震災を伝えていくのに役立ってほしい」と期待。残り1基となる中、鈴木智博さん(22)は「建てて終わりではなくこれからがスタート」と見据え、山下脩さん(22)も「仕事の合間を縫って語り継ぐことをしてけたら」と話した。

note用女川命の石碑 横浦に20基目 (30)

 取り組みを進めたのは、震災翌月に女川第一中(後に女川中)に入学した1年生。社会科の授業をきっかけに津波被害を最小限にする3つの対策(①互いに絆を深める②高台に避難できる町づくり③記録に残す)を考え、その一つとして津波が到達した地点よりも高い場所に石碑を建てることにした。

 2年生の3学期に募金を開始し、半年余りで1千万円が集まり、その年の11月に最初の2基が完成した。石碑は統一した形で台座を含めた高さは2メートル、幅1メートル、重さ2トン。碑文に3つの対策を刻み、津波が来た時の避難や笑顔あふれる未来の町への願いを記してある。【熊谷利勝】


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