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サックスコンで日本一 石巻西高1年 菊地さん 演奏にプロ奏者も注目

 全国規模の「第6回Kサクソフォンコンクール」の結果が発表され、湊中出身で現在は石巻西高1年の菊地恋さん(16)が中学の部で日本一に輝いた。菊地さんは高音域のソプラノサックスで出場。新型コロナウイルスの影響で年度またぎの審査、発表となった。コロナ禍で本選は動画審査となるなど苦難もあったが、柔らかで伸びのある音色が審査員の心をつかんだ。【近江  瞬】

湊中時代にエントリー

 菊地さんは友人の影響で小学5年のころにサックスと出会い、湊中吹奏楽部に交じって演奏。6年生からは「石巻ジュニアジャズオーケストラ」に入り、東京ディズニーランドのステージなど大舞台も経験した。

 中学校の吹奏楽部時代、「団体でなく、個人の力を確かめたい」と臨んだのがJBAソロコンテスト南東北大会。2年連続の金賞だったが、東北大会には届かず、悔しい思いもした。

石巻西高校1年菊地恋さんがサックスコンクールで中学校日本一 (6)

中学部門で日本一に輝いた菊地さん

 「このまま終わるのはもったいない」。当時、吹奏楽部顧問の加藤仁久教諭(65)は中学生のうちに結果が出る「Kサクソフォンコンクール」への出場を勧めた。菊地さんはJBAでも演奏した思い入れのあるT・A・ヴィターリの「シャコンヌ」の録音審査で、予備審査を通過。ステージ予選で演奏する機会を得た。

 こうして迎えた3月8日の予選。「とにかく楽しめればいい。気楽に行こう」と母親のめぐみさん(46)のピアノ伴奏に乗せて自分らしさを表現。わずか40人に与えられる本選への出場権を手にした。

 新型コロナの影響で3月29日の本選は動画審査に変更。コロナ禍でホールを借りることも難しかったため、菊地さんはグランドピアノがある牡鹿地区の母親の実家で、その時にできる等身大の演奏を動画に収めた。

 本選の結果は7月7日に発表され、日本一が現実となった。「えー!」。まだ学校内にいた菊地さんは周囲を気にすることなく驚きの声を上げたという。講評では、国際的に活躍するプロのサックス奏者である審査員が「素晴らしいセンス。心から期待している」「高い技術で自信を感じさせる演奏」とたたえた。

 今月11日には都内で受賞者コンサートが予定されているが、菊地さんは新型コロナの感染状況を鑑みて出場を辞退。現在は日程未定のグランプリコンサートに目を向ける。

 今後もソロでの大会出場を見据え、「技術が衰えないように努力する。将来は加藤先生のように音楽を続けながら、動物園の飼育員になるのが夢」と笑顔を見せた。


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