飛鳥井千砂「タイニー・タイニー・ハッピー」
飛鳥井千砂さんの「タイニー・タイニー・ハッピー」を読んだ。
タイトルにもなっている「タイニー・タイニー・ハッピー」は、大型ショッピングセンターの名前。
通称「タニハピ」。
登場するのは、タニハピで働く人やその恋人、友達、家族など。
タニハピを舞台に、そこにまつわる彼、彼女らの視点でそれぞれの仕事や恋、家庭模様がえがかれている。
登場人物一人一人はとても個性的なのだけれど、決して個性的すぎず、みんな「周りに1人はこういう人いるよね」という感じのキャラクターたち。
なので、それぞれの悩みや葛藤などがとても身近でリアルに感じられる。
私がいちばん親近感を覚えたのは、北川実咲。
一番はじめに主人公となるタニハピの名付け親、徹の妻。
タニハピ内のメガネ屋で勤務している。
実咲が主人公になるのは一番最後だけれど、他の人物のお話で何度もすでに出てきており、考え方とか行動が私と似ているなと思った。
最後は、すこし涙してしまった。
今月は小説を読む、と意気込んで読みはじめた1冊目。
とても素敵な物語だった。