頑張るほどにカラダは麻痺していく。
どう見ても肩が盛り上がって硬張っているのに
肩凝りになったことがないと発言しちゃう人がいる。
ところが実際にそんな肩に触れてみるとめちゃくちゃ硬い。
硬くなって、血流も悪くなっているのに本人は全く感じていない。
感じられないほどに鈍らせてしまっているわけ。
それはもう鈍りを通り越して麻痺になる。
麻痺しているからもの凄く硬張っている部位をぼくが触れても
硬張っていることさえ分かりませんって返事が返ってくる。
あまりにも麻痺しているカラダは
もはや生き物じゃなくて、物みたいになっているので
気を通していっても感応しない。
すなわち変化してくれない。
感じないカラダは変化しない。
感じない人を感じるようにするには痛みを使うのがいい。
ずーっと頑張りっぱなしだと
緊張を解除できなくて硬張りを育てていく。
眠りがちゃんと機能していれば
日中は交感神経優位だったものが
睡眠中には副交感神経優位に切り替わって
緊張を解除していくことができる。
ちなみに睡眠薬は目を閉じているだけで緩みをもたらさないので全く効果がない。
頑張りすぎが続いて睡眠が機能しなくなると
緊張が解除できなくなる。
いっこうに解除できない緊張を感じ続けると生きにくくなるので
カラダは終わらない大変な環境の中で生きていくために
感じないように適応していく。
問題はそのまま抱えているのに感じなくなっていく。
それが鈍り適応。
部下が適応障害になって突然出社出来なくなり
欠員状態で繁忙期を乗り越えないといけなくなり
3ヶ月休みがないという方がようやく休みが取れましたと飛び込んできた。
前回いらっしゃった時よりも当然硬張っている。
頑張っていたので当初はカラダを鈍りつつあることに気が付かなかった。
気がついたら、以前本格的に心身を壊された時の
カラダの感じになっていることに気づいてしまった。
もともと睡眠はうつ伏せ寝の方。
いつもだったらうつ伏せになるとべちゃーっとカラダが布団に付くのに
硬張ってしまっていて、全然べちゃーっとカラダが布団に付かなくなっていたんだそう。
それで初めて大きく育ててしまった緊張に気がつかれた。
もちろん必死に業務をこなしていたので疲れていることは分かってはいた。
必死になっているときは交感神経優位だから
感覚センサーが働かない。
だから麻痺が育っていることに気づけない。
10年に渡って親の介護をされてきて
今月看取ったという方が初めて整体指導を受けに来られた。
やはりカラダには頑張り続けてきた痕跡として
感じない、麻痺が大きく育っていた。
明確な硬張り、異常に触れても
何も感じませんって返事が返ってくる。
ホメオスタシスが動く前提条件は
異常や疲労が生じたら
それを感じられること。
動き出したホメオスタシスの働きを
ぼくらは免疫と呼んだり、自然治癒力と呼んでいる。
だから大切なことは病気治しよりも
ホメオスタシスが動けるような環境の整備になる。
本来の治癒って、ホメオスタシスの仕事だからね。
整体指導を終える頃には
いかに自分のカラダが硬張っていたのか
体中の至る所に麻痺が拡がっていたのか自覚できるようになった。
異常が感じられるようなれば
そこから先はホメオスタシスが動き出してくれる。
不感症が問題なのはホメオスタシスが働かないことだけじゃない。
カラダを感じないから、ココロも感じなくなっていく。
自分のココロやカラダを感じられなければ
いったいどうやって自愛できると言うのだろう?