『きみのご冥福なんていのらない』全五巻を読みました！
お久しぶりです。てんひばです。
お正月休みという大人の冬休み期間に、『きみのご冥福なんていのらない』全五巻（著：松尾あき）を読了しました！！！
私は数年前に椎名うみ先生の『青野くんに触りたいから死にたい』を読んでからというものホラー恋愛漫画に目がなく、『兄だったモノ』や、最近連載がはじまった『やがて蛸になるきみと』等の漫画が大好物です！！
そんなホラー？オカルト？恋愛漫画大好きな私が『きみのご冥福なんていのらない』の感想を綴っていきます！
『きみにご冥福なんていのらない』あらすじ
死んだアイツの生命線＝あたしとのイチャイチャ!? 友達以上恋人未満なカンケイの同級生・小野に翻弄される女子高生・篠原。ある日、小野は事故で亡くなり、ゾンビとなって生き返るも身体を動かすには、篠原とのイチャイチャが必要で…!? きみを生かすため、さわる、つなぐ、だきしめる、そして…!! きみを救うためのむっつりラブコメディー、開幕!! 描きおろし４コマ漫画も収録。
好きなひとがゾンビに！？オカルティック青春ラブコメ！
一緒に補習を抜け出した篠原と小野。
小野は篠原に告白しますが、照れた篠原は告白をうやむやにしたまま逃走。告白の返事をできないまま、小野は交通事故に遭い、帰らぬひととなります。夏休みになり、篠原は小野のお墓参りにいきます。すると墓からよみがえる小野。（なぜか土葬……）かくして好きなひとはゾンビになってしまいました。
甘酸っぱ青春ラブコメ！
さて、ここからは私の感想になります。（ネタバレを含みます）
「付き合いたての恋人or両片思いの相手が交通事故で亡くなる」はホラー恋愛漫画定番の設定ではありますが、幽霊ではなくゾンビになるところが非常にミソですね…！！
ゾンビなので実態があります。見て・触れて・触れる…ゾンビの原動力は「胸の高鳴り」です。友田以上恋人未満の二人が、ゾンビになってしまった小野を動かすためにイチャイチャする様…最高です。
篠原の泣き顔があまりにも表情豊かで、幼いというか小さい子が泣くような顔で泣くのが私的に大好きポイント。私もギャン泣きしてしまいます。
篠原と小野の恋路を邪魔するライバルとして、伊吹くんが登場します。
４巻での伊吹くんの覚醒っぷりからのラストスパートが圧巻です。
物語の「怖い」部分や悪役の部分を、すべて伊吹君が担っていたので、伊吹君以外の人間関係、篠原の友達だったり、篠原の家族のパートは安心しながらほっこり読むことができました。篠原のために協力してくれる友人たち……もうすでに涙がちょちょ切れています。
すっきりした読後感と、終幕
物語を時系列で追っていくと、１巻で小野が亡くなるまで～が夏休み前。
最終巻で、小野が山梨に向かう～お盆前後と考えると、ほんとうに二人の物語は「ひと夏の思い出」だったんだなと思うというか……
二人の時間をきちんと未来に繋いでいくために、必死に今をあがいていた、二人の姿があるんだなと思うと切なくなります。
最終巻を読んでいる時はもう頭の中で『secret base～君がくれたもの～』が鳴りやまなかったです。
最後のページで、小野と「またね」をした篠原は、寮に戻るため歩いていくんですが、あの強い後ろ姿と、ときどき後ろを振り返りそうになる脆さも非常にグッときました……
終わり方がとても大好きです。
私も創作者のはしくれとして、何かを失ったひとが、喪失を抱えながらもそれからの人生に立ち向かって、そのひとのいない時間を生きていく、というのが好き…というか、そういう物語を書いていきたいので、「こんな素敵な読後感を目指したい」と思いました。
全五巻という巻数の中で、４巻からの急展開・そして５巻での圧巻のラスト。長すぎず短すぎず……絶妙なバランスと構成の、とてもいい塩梅の漫画でした！！ラブコメなので、伏線とか考察ですとかを考えずに、目の前のイチャイチャを享受することできて最高でした！！
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