見出し画像

【くら詩note】太陽しか見えない日

【太陽しか見えない日 】

私にはあなたが見えた 

太陽で何もかも見えない日
街の片隅でひっそりと臨んだ
消えそうで消えない
今日の朝の三日月を

まぶしすぎて見失ってしまう
うつむくだけで 
光の影になってしまう
いい子になるつもりなんてない
ただ誰かの笑顔が見たかっただけ

明るいことがすべてだと
勘違いしている真昼の世界から
どうぞ連れ出して

太陽しか見えない日に 
どうかしている私に 
素顔になれる光を与えてください

真っ白な三日月よ 
手に手をとって 
あなたとともに未来へ逃げる 

太陽よりも純粋な
夜を通り越してきた月
もうこれ以上
欠けないでください

やせっぽちの 
三日月が照らしてくれている

もう無理をして笑わなくていい
欠けた分だけ
未来へ連れ出してくれる

欠けているものに
満ちてください 
暮らしの中に満ちてください 

ためらうときも
かがやける日も
きっとあなたがそばにいる

消えそうな朝も
とまどう昼も
太陽しか見えない夜も


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?