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雨の日にポップコーンを作ること

ポップコーンがポンポン弾ける音と、窓に打ちつける雨音を同時に聞いた時、私はしみじみ幸せだなぁと思いました。

その日は、兄夫婦が実家に帰ってきている日で、皆でおやつを食べるのに、ポップコーンを作ろうという話になったのでした。小さい頃は、ポップコーンやポテトチップスをよく手作りしていたのですが、大人になってからはめっきりやらなくなっていました。

だからでしょうか、鍋にコーンと油を入れて、蓋をして出来上がるのを待つ間、子どもの頃に戻ったかのようなあたたかい気持ちになったのです。

そして、ふっと外を見ると薄暗い空と雨。雨音とポップコーンが弾ける音がこんなに合うなんて、と思いながら、皆でできたてのポップコーンを食べました。

口にこそ出しませんでしたが、私はこの瞬間、幸せをかみしめていました。



実は、この時に、この小さな幸せを書き留めておこうとしたことが、このアドベントエッセイのテーマ「24年の人生で見つけた、24の幸せ」の始まりでした。

日常でふと幸せを感じた瞬間は、あっという間に記憶の彼方に流れて消えてしまいます。でも、それを忘れずに記憶しておくこと。そのこと自体が私たちを幸せにしてくれる気がするのです。

雨の日にポップコーンを作ったこと、晴れた日のドライブで、車の窓から気持ちよさそうに顔を出すワンちゃんを見たこと。

どれも、日常のほんの一瞬の出来事です。

でも、その一瞬に幸せがつまっているのだと私は思うのです。


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この作品は、アドベントエッセイです。クリスマスまでの24日間をワクワク過ごしてほしい、という思いから、「24年の人生で見つけた、24の幸せ」をテーマに毎日1本ずつエッセイを書いています。

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元町ひばり
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