しおひがり
毎年4月くらいに千葉に潮干狩りに行っている。
30年以上前のまだ小さいころ、親に連れられて関西のどこかの海岸の潮干狩りに連れて行ってもらった記憶があるが、その時は割れた貝で足を切ってしまって、潮干狩りには良いイメージがなかった。
こんなの何が楽しいのだろう?と、まだ小学校低学年の自分には全くわからなかった。
が、子供ができて何かのきっかけで潮干狩りに行くことになった。
全く今は東京に住んでいるので、東京から潮干狩りに行くなら千葉になる。まったく情報がなかったがいろいろ調べて、江戸川海岸の潮干狩りに行くことにした。
持ち物も何を持っていったらよいのかわからず、とりあえず熊手と、貝を洗うためのドレッシングを入れるようなボトルをダイソーで購入して、その他には小さなバケツを持って行った。
潮干狩りには細かなルールがあり、場所によっては熊手でも、網付きの熊手はNGなところがあったり、ジョレンはもちろんどこの潮干狩り場でもNGだった。YouTubeにはルールを破って禁漁区で潮干尾狩りをやったり、使ってはいけない道具を使っている人たちの動画も上がっていて、何かと気を付けないと、知らぬ間に罰金とかになりそうで、事前の学習が重要であった。
道具がそろえば、あとはいつ行くか。潮干狩りは大潮等の潮の満ち引きによっていろいろ条件が異なってくる。が、土日に大潮が重なる日にはとても多くの人がやってきて、ゴールデンウィークに重なるような場合は、アクアラインは大渋滞となる。
それらの情報をしっかり調べないと、東京から千葉の潮干狩り場に向かうには、大渋滞に巻き込まれると、到着に時間がかかりすぎて、潮が満ち始めているとかになりかねない。
また交通事情についても把握しておく必要がある。都内から千葉の潮干狩り場に向かう場合は、ほぼすべての人がアクアラインを利用することになる。出発時間を間違えると、大渋滞にまきこまれ、通常なら1時間程度て到着できる距離が、3時間かかるなど普通にありえる。
特に川崎浮島ジャンクションが難所で、羽田を超えたあたりで早めに左車線に入っておかないと、アクアラインに入っていけない。
かといって早くから左車線に入って、大渋滞の行列に並びながらちびちびと進んでいるところに、アクアライン入り口直前で割り込んでくる車も多い。最初から左車線に入っている組みは、この途中割り込みをさせないために、みんなが連携して割り込まれないように車間距離を詰めているが、それでもどうしてもわりこまれてしまうと、非常に憂鬱な気分になってしまう。
とか言いながら、海ほたるまでたどり着けば一安心。ちょっと休憩して、宇海ほたるから潮干狩り場までは1時間もかからない。
千葉の潮干狩り場に初めて行ったときは、ルールも何もわからずにとりあえず掘っていたが、あさりとハマグリの2種類があり、ハマグリが非常に人気で貴重であることを知った。初めての時は、子供たちが偶然大き目のハマグリをいくつか見つけて、その年はハマグリが5つくらいとれた。
はまぐりが5つもとれて大喜びしていたのだが、その後いろいろ知識をつけた3年目には、あさりよりもハマグリの方がたくさんとれてしまうというくらい、ハマグリを大量に掘り当てた。
大量にとったアサリやハマグリは、海水に浸けて自宅に持ち帰るのだが、自宅に持ち帰ってからは砂抜きの作業になる。砂抜きにも非常にコツがあり、これも慣れてくると手早くできる。砂抜きしたアサリやハマグリは、ジップロックに入れて冷凍保存しておくと1か月はもつ。
そこから1か月は毎晩アサリやハマグリの酒蒸しを食べることになる。
我が家では私しか貝を食べないので、10キロ以上持ち帰った貝を毎晩のようにひたすら食べまくる。
そこで気になるのが、福島原発の汚染水。さすがに震災直後の数年は潮干狩りに行く人は激減していたようだ。なにせ貝は水を綺麗にするフィルターのような役目もはたしているので、汚染水をフィルタリングしているような物と気にしていたが、さすがに10年以上たつとそこまで気にする人もおらず、毎年多くの人でにぎわっている。但し、今年は福島原発の処理水を間違って大量放出してしまったなどのニュースもあり、少し気になっている。
10キロの大量のアサリやハマグリを1か月ほぼ毎日食べ続けることになるにおいて、やはりこの処理水の放出をミスしたニュースは非常に気になった。
ところで、アサリかハマグリか?についてだが、皆さんはどちらを好まれるだろうか?もちろんアサリよりもハマグリの方が高級品であり、身も大きいので、たいていの人がハマグリの方がよいとおもわれるかもしれない。ただ潮干狩りの場合は、持ち帰りの量は、キロ数で制限されており、制限量を超えた場合は、追加料金を支払う必要があり、大人2名子供2名でチケット料金や持ち帰り追加料金を支払うと、普通に1万円を超えてしまう場合がある。
アサリに比べてハマグリは貝が大きいので、食べることができない貝の部分の重量が嵩み、食べることができる身の部分で考えた場合は、ハマグリを持ち帰るよりも、アサリを持ち帰った方がお得になる。
ただしこれは、アサリが好きかハマグリが好きかによって人それぞれなので、何とも言えないが、潮干尾狩りを始めたばかりの頃は、とにかくハマグリねらい!ハマグリを掘り当てたときの興奮は、宝探しで宝石を見つけたときのような興奮であったが、ここ最近は、そこまでハマグリよりは、アサリの方がいいんじゃないかと思うようになってきた。
潮干狩りについては、まだまだ語りたいことがたくさんあるが、今回はこの辺にしておきたい。
潮干尾狩りが季語であるように、やはりこの歳になってくると、季節を感じられるようなイベントは非常にいいものだなと感じる。今から40年昔の小さな心には感じえなかったこの感覚も、その当時私の両親は、そんなことを感じながらつまらなそうにしている私を潮干日狩りにつれていってくれていたのかもしれない。
幸い我が家の子供は毎回潮干狩りを非常に楽しみにしており、毎回大喜びしている。が、貝がかわいそう?か気持ち悪い?とかで一切貝を食べない。
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