人生と一つの本との出会い

四月。暖かく過ごしやすい季節がやってきた。桜もきれいに咲いている。新社会人も仕事が始まって、ふとキラキラして見える。どこを見ても幸せそうな人ばかりに感じる。そんな中、私だけ時間が止まったようだ。

自分だけが月日とともに置いて行かれている、そんな感じ。去年もそんな感じで春を迎えた気がする。

不幸だと感じるのは、私だけだと第二の自分が耳元で囁く。

「皆はちゃんと正社員で働いて、親孝行!」

「お前はなんで生きているんだ?」みたいな。


なぜ自分にこうも自信がないのか、今日は真剣に考えてみる。長くなると思うので時間がある方に読んでもらえればすごく嬉しいです。


人間、時間は平等に流れているし、皆つらいこともそれぞれあるはずだ。なのに私はなぜこんなに劣等感を感じてしまうのだろう。

幸せだと感じる事は確かにある。欲しかった物が手に入った時、人間関係がうまくいっている時、些細な幸せというのは私にも人並みにあるのに、何か満たされない。

他人と私の決定的な違いというのは、まさしく「自己肯定感」とやらのせいだと思っている。


私は、いまだにずっと「お前は幸せになる資格などない。」と思っている。

だから素直に幸せに身を任せることができないのかもしれない。


私の大好きなエッセイ漫画家さんに、永田カビさん という方がいる。

その方の一番最初の漫画を何年か前に初めて本屋で見かけて、なぜかビビッときた。

本の帯に、「心を開くって、どうするんだっけ・・・」と書いてあったのだ。(さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポという本です)

その文字を見たときに私は直感で、「今までのこの心のつらさって、もしかしてこの人も感じている気持ちなんじゃないか?」と。

期待しながら家に帰ってさっそく読んだ。はっきり言って当てはまりすぎる。号泣して本を濡らしてしまった。

内容はぜひ永田カビさんの著書を読んでほしいのだが、私と作者様とは共通する決定的な部分があった。


私は、親の評価が絶対なのだ。


ここからは私個人の話になるのだが、昔から親に呆れられると辛かった。親の言う通りに生きてきた。

「大事だから、まともになりなさい。」「大事だから怒るんだぞ」

実をいうと「これは教育」、そう言われながら暴力を受け、人格を否定するような叱責を今まで受けてきたのである。そのときはそれが正解と思っていた。

例えば、「どうしてそんなに頭がおかしいの?」「病気なんじゃない?」

「産んであげたのに、こんなんじゃ恥ずかしい。」

頭はよくなかったが別に何にも悪いことなんてしていなかった。

やがて親がギャンブルにハマって帰ってこなくなった頃、

6歳で、「逆らったら捨てられるから何でも聞こう」と決めた。

その時の気持ちを今でもしっかり覚えている。全てに期待しなくなっていた。

両親の代わりに幼い弟を勉強しながら面倒見るくらいにはいい子だったと思う。今思えば。

私の両親は私を まっとうな人間 にしたかったようだった。


高校を卒業すると同時に私はとあるアパレルメーカーに就職したが、親は泣いて喜んだ。「やっと普通になってくれた!」と。

今だから話すのだが、そもそもアパレル業界で働きたいなんて思ってもいなかった。ただ給料がよくて、待遇もいい、親が決めた会社だった。

私は入社したが全く嬉しくなかったし、考えていたのは

「やった、両親が喜ぶ。」ただそれだけだった。

親に自分の意見を言うことなんてなかった。嫌だとも言わなかった。

親が幸せそうにしているならそれでいい、と思っていた。


ただ、運悪くそこはいわゆるブラック企業で初日から激務で、

帰りは深夜2時。残業だらけ。

一年も持たずに私はうつ病になってしまった。医者曰く相当酷かったらしい。

何かの糸がプツンと切れたように、ロボットのように無意識で仕事に行き、気づいたらベッドから起き上がれず、涙を流すことしかできなくなっていた。

見かねた祖母が、母に精神科に連れて行くように言ったらしく、

私は精神科に連れていかれた。うつ病の診断を受けた時の事は覚えていない。

ただ、病院の帰りに母から言われた言葉だけははっきり覚えている。


「せっかくお金かけて育てたのに、使えない人間になったね。」

その言葉は、今まで言われてきた言葉の中で一番、苦しかった。

そこから私は、普通になるために病気が治らないまま、夜の仕事に就くことになる。4年間ぐらい。それはまたの機会に話したい。


予想以上に自分の話が長くなってしまったけれど、未だに母と父の期待に答えなければという気持ちが強い。

普通にならなくては、という気持ちも強い。だから生きづらい。

この 永田カビさん という方には今もものすごく救われている。

今もつらい時、死にたいときにこの本を抱いて寝る。

私は永田カビさんのように自分の人生をエッセイにしたい。昔から文章で何かを表すのがすごく好きだった。もちろん今も。

それには、まだまだ勉強や知識が必要だが、私は私なりに自分の人生を

文字に残したい、と思った。

永田カビさんはこの本のほかにも沢山エッセイを出されているので、

是非私のブログを読まれた方で興味がある方は読んでみてほしい。


文章としてまだまだ拙い所がたくさんあったと思うけれど、ここまで読んでくださってありがとうございます。これからも書いていくのでどうぞよろしくお願い致します。何卒。

2021.4.2

#うつ病 #エッセイ #人生 #毒親 #永田カビさん #メンヘラ #愛着障害  #本






いいなと思ったら応援しよう!