6月4日 虫歯予防デー
6月4日は語呂合わせで「虫歯予防デー」ですね
今回は、虫歯予防デーにちなんで、歯の話を中心に書いてみたいと思います
口の中の歯は、食べるための最初の臓器と言われています。
口腔内で摂取した食物は、咀嚼によって歯を使い噛み砕かれて。唾液と食物は混じりあって味を感じることができます。
食物の「食」という字は「人に良い」と書きます。
食べることは、生命維持には絶対に必要不可欠です。
『「食・食べること」には4つの機能があります』
・1次機能:栄養素を取り込み、成長と健康を維持する
・2次機能:おいしさ、嗜好を充たす
・3次機能:体の機能を更に高めて生体調整をする
・4次機能:人間の交流を広げ、深める コミュニケーション
食べるための歯の数は、こどもでは20本。大人では28本(親不知を含めると32本)あります
むし歯は、歯周病とならんで歯を喪失する主な原因になっています。
歯の喪失は、噛む力を減少させるだけでなく、栄養摂取にも影響がでます。
喪失本数が多いほど、たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄、カリウム、カロテン、ビタミンA・C・E、食物繊維の摂取量が少なく、炭水化物の摂取量が多い傾向が認められたという調査結果があるそうです。
この結果からも、十分な栄養摂取には歯の喪失予防も重要であると思います
歯があることの最大のメリットはものを食べられることではないでしょうか。何本の歯はあればどのような食品が食べられるのかのおおよその目安を示します
『何本の歯で何が食べられるの?』
0~5歯:うどん、そば、ごはん、卵焼き、とうふ、刺身、焼き魚・なすの煮つけ、バナナ、プリン、ゼリーなど
6~17歯:とりささみ、かまぼこ、こんにゃく、りんご、とりから揚げ、白菜漬け、カツ丼、小魚、れんこん、豚肉薄切り、おこわ、せんべいなど
18~28歯:酢ダコ、真ダコ、イカの刺身、するめいか、たくあん、フランスパン、堅焼きせんべい、ステーキ、きんぴらごぼうなど
になります。
『子どもと大人とではむし歯の出来かたに違いがあります』
子どもは、生えて間もない歯は石灰化が進んでいないために弱くむし歯になりやすい。奥歯の溝、歯と歯の間などから発生するむし歯に分けられます
大人は、歯の根面のむし歯(根面う蝕)、歯の詰め物の裏側のむし歯(二次う蝕)子どもと同様のむし歯に分けられます。
むし歯や歯周病になって歯を失った場合に歯を抜けたままにすると口の中でその開いたスペース等の方向へ隣接する歯が倒れはじめて噛み合わせがずれてくることもあります。噛み合わせが悪くなると咀嚼力も低下します。
歯の喪失部分を適切に、義歯としてのブリッチや部分入れ歯、総入れ歯、インプラント等で喪失した歯の部分を補うことによりに失われた咀嚼能力の回復を図ることは大切です
また、歯を失って義歯を使わなければ「転倒」と、「認知症」のリスクが上がるという論文が2012年に発表されており「認知症でのリスクが最大で1.9倍に」「転倒のリスクが2.5倍に」という結果だったそうです。
栄養状態の低下、転倒、認知症を予防する点で、歯を失った時には放置せずに早めに歯科での診察を受けることが大切です。
『虫歯の予防に関して』
むし歯は細菌が糖質をもとに作り出す酸が歯を溶かすことで生じます。
むし歯を作る要因は疫学的に「歯の質」「細菌(むし歯原因菌)」「食物(砂糖)」の3つにまとまっているので、それぞれの要因に対応する形で、むし歯の予防法は「フッ化物の利用とシーラント」「歯みがきの励行」「就寝前の糖質を含む食品の摂取頻度の制限」になります。
ちょっと長くなりましたが、自分の歯を守るために、むし歯を予防することが大切で、歯を喪失することになった場合には義歯をつくって入れることが大切です。