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食器と「ハグ」する

 BBCドラマ「ブリティッシュ・べイクオフ」を毎朝、仕事前にドトールで見続けて一年が過ぎた。いろいろな気づきがあったし、今後の人生に活用できそうな生き方のヒントになると思った。

 今日は一つだけ。

 それは、参加者同士の距離の近さ。

 参加者の性別・年齢・職業は多彩。民族もいろいろ。

 そんなライバル同士。毎回のコンペが終わる度、しっかりハグして、称え合う。惜しくも脱落してしまった人にも優しい言葉をかけて、それまでの努力を称え、将来の活躍を期待していく。

 「ハグ」っていいなぁ。 

 「ことば」には、ウソもあるし、本音もある。

 でも、ウソの「ハグ」はすぐにバレると思う。

 「触(ふれ)る」ことは、相手に親しみを伝える大切な方法。

 だから、親しみを覚えなければ、ハグはできない。

 日本人は「ハグ」をしない。人に対しては。

 インターナショナルスクールの授業で「和食のマナー」を取り上げたことがある。挨拶からお箸の使い方まで、いろいろある。

 一つ面白いのは、お茶碗を手に持って食べることは世界的に珍しいということ。

 私たちにとっては当たり前でも外国の人はお皿を手に取るということはあまりない。

 そういえば、スティーブ・ジョブスの日本文化好きは有名だけど、彼が焼き物の工房を訪ね、器を手に取って堪能するという経験は物凄く意味が深いということだ。

 そう、最近また陶芸が復興している。器を眺め、そして優しく手に取る。

 焼き物は自然からの贈り物。ものや自然に心を通わせることが大好きなのだ。

 「人」とハグするのは苦手だけど、好きな器と「ハグ」することで自然を感じることができる。都会暮しの楽しみ…。

 

 


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