鬢付け油は何でできているの?
先日、カットを担当した外国人のお客さまが
「京都で舞妓さんを見た時にとても興味深く、色々と疑問がわいた。」
とお話されていました。
どうして舞妓さんになったのか?
ずっと着物で大変ではない??
その髪の毛は地毛なのか?
どうやって、ケアしているのか?
崩れないの??
など、気になったことが沢山あったそうです。
(それは、日本人でも感じることかも。)
そして、私に
「日本で日常的に髪を結っている舞妓さんや力士のヘアスタイルが崩れないのはなぜ?何を使っているのか?成分は何でできているの?」
と質問が。
…
英語でなんと伝えるのか?ということよりも
恥ずかしながら、
鬢付け油の成分をよくわかっていませんでした。
「伝統的なスペシャルなオイルである。」
ということ以外にまともに回答が出せず、答えは次回に持ち越しました。
日本人なら、みんな知っている?
時折、
外国人のお客さまから髪の毛のことに関わらず 日本文化について尋ねられることがあります。
知らないので答えられない
または、
知っていても上手く答えられない
ということは多々あります。
この瞬間、これは日本人としてまずいのでは?
(汗汗汗汗)という心境です。
こんな時はシンプルに
知らないから、詳しくはわからない、今すぐ答えられません。と伝えた方が良いと思います。
せっかく知りたいと思った日本文化について、 嘘を教えることになります。
そして、そんな時に自国のこと、文化をよくわかっていない!という事実を突き付けられます。
鬢付け油とは
主に木蝋、菜種油、ヒマシ油、香料、トコフェロール(ビタミンE)が原料。
木蝋はハゼの木の実を砕いて、採った蝋(ろう)のこと。
ハゼ(櫨)はウルシ科の植物で秋に紅葉するのだそうです。
日本の特産で、日常的に女性の髪結いに使われていた歴史があるとか。
この鬢付け油以外の油だと、力士同士のぶつかり合いで髪がバラバラになってしまうのだそうです。
確かに、あの距離、あの勢いで当たっても、そう簡単にバラバラにならない髷は、床山さんの技術とそれを支える道具や材料の総合力の賜物。
それらが全て文化、歴史にもなっているのだと感じました。
訊かれるのはドキッとするけれどチャンス
お客さまからの質問は時折、ドキッとさせられます。(特に外国の方、子供さんからの質問はストレートで本質的なことが多いです)
今回の質問は、
美容師である前に日本人として
日本文化をどのくらい知っているのか?を問われ
美容師としては、髪にまつわることだから
知っているのでは?という期待を投げかけてもらえたように思います。
その度に、自分の理解度や説明がきちんと出来るのか、伝えられるか?を問われてもいますし、
わからないことは調べよう、と学びの原動力にもなります。
異文化コミュニケーションから、自国を知ることの大切さを感じた次第です。
Aya Horiguchi
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