しなくてもよいこと〈短歌×随想〉
ヤフーニュースに、養老孟司さんの記事が載っていた。愛猫「まる」の死について思いを馳せ、語られた記事である。
「まる」の生前、養老さんは(おそらく寝ているであろう「まる」に気を遣い)音を立てないで縁側のそばを歩くようにしていたところ、今でもつい、まるが生きている感覚が抜けずに同じようにしてしまい、もうそんなことをしなくてもよいと気づいたとき、寂しくなるのだそう。
私も同じことを感じたことがある。
かつてうさぎを飼っていたが、気温の変化でうさぎに負担をかけないよう、夏は特に外出時もエアコンは消さないようにしていた。
うさぎが死んでしまってから、もう旅行で家を空けてもよいし、エアコンを消してもよい。
それが時折、とても寂しく感じるのだ。
エアコンを消して出掛ける真夏日に
君の居た日を思い出してた