読書感想文⑮「復活力」サンドウィッチマン
この本はサンドウィッチマンが2007年M1優勝して1年後の2008年に出した本を10年経って文庫化したもので内容はM1で売れるまでの2人の過去を書いており、自分は別にサンドウィッチマンのファンではないがM1でネタを見た時は衝撃だったし笑ったしDVDも2本持っていたのでネタはけっこう好きなほうだと思う。読んでみて正直学生時代のエピソードとかは興味なかったけど芸人としての下積み時代の話とかM1で決勝行くまでのエピソードや裏側なんかは興味深く読めた。あと意外に天才肌だと思っていたトミーが実は熱い男で自信家の部分があるのを知れて好感を持った。若いとき売れている先輩に口すっぱく説教された「命がけでお笑いをやれ!真剣に取り組めば、必ずいい結果はでるからな!」と。だけど僕は真面目に受け取ってなかった。勝ち組のあなたはそう言えるでしょうって。頑張ったから売れる世界じゃないだろうと、どこかで決めつけていた。とんがってる気分で、実はスネてただけなんだ。売れてない自分自身に。努力してない自分を、なんとかごまかしたかったんだ。最悪だ・・そういう芸人こそ本当に敗者だ。今仕事が忙しくなって、色んな人に声をかけていただけるのは、本当に、本当に、ありがたい。あのとき先輩が言った言葉が、重くのしかかっている。頑張らないヤツに、いい結果はついてこない。今スネている若手がいたら、僕もまったく同じことを言うだろうな。「命がけでお笑いをやれ!真剣に取り組めば、必ずいい結果はでるからな!」と。こういうのを読むとトミーはクールそうに見えて内心じつは物凄く熱い男なんじゃないのと感じた。それに敗者復活戦で他のコンビの漫才を楽屋で見てサンドウィッチマンが勝ち上がる可能性がありえると思っていたらしく他のコンビも錚々たる実力者ばかりの中でそういう風に思えるってことは相当自分らのネタに自信を持っているってことだし、伊達ちゃんも富澤は変わり者なところを挙げたらキリがないけどネタ作りは間違いなく天才だと語っているところを読むと揺るぎない信頼関係で結ばれてるんだなと思った。