文学イベント東京Vol.3 参加サークル紹介:ソナチネ
文学イベントを開催!
WEB小説書きさん・イラスト描きさん・漫画さんの作品を販売する「文学イベント東京Vol.3」
日程 2024年10月14日(祝日)
会場 代官山T-SITE GARDEN GALLERY
【入場無料】
サークル名:ソナチネ
作家名:峯本つづき
■【夜想曲】短編集
B6サイズ 48ページ。夜をモチーフにした4つの短編を収録しました。
目次
・波間のパヴァーヌ
・小さなねずみと星のはなし
・光る、ゆれる
・星月夜
夜想曲とは、夜に奏でられる音楽のこと。もともとは好きな人に想いを伝えるためのもの。英語ではノクターン、ドイツ語ではナハトムジーク。
〈波間のパヴァーヌ〉の冒頭を紹介します。
三月でも夜の海は寒いだろうと思い、ダウンジャケットを着て車を降りた。髪が風にあおられて視界が塞がる。あぁ、マフラーも必要だったなと気づいたけれど、持っていなかった。外灯を頼りに浜辺へと続いている階段を降りていく。今日はユイの命日で新月だったから、わざわざ二時間も車をとばしてここまで来たのだった。
夜の海は黒く横たわっていた。別にユイは海で死んだわけじゃなかったけれど、昔、おばあちゃんが、新月の日の海には死んだ人が戻ってくるのだと言っていたのを思い出したのだった。
・・・続く
3000字程度の短編ばかりです。
眠れない夜に、誰かを想う夜に。
物語の続きは、夢の中で。
■ 短編小説集
A6サイズ 114ページ。
ここ2年ほどで書いた短編小説(800字~1万字程度)を選んで収録しました。ジャンルは純文学になるかと思います。
目次
・雨宿り
・亀のゆくえ
・人魚の歌
・とんび、鳴く
・野生の馬
「亀のゆくえ」「人魚の歌」「とんび、鳴く」は原稿用紙30枚程度の作品です。中には子どもが主人公のものもあります。
物語の中に流れる時間や手触りのようなものを楽しんでいただけるとうれしいです。
「野生の馬」の冒頭を紹介させていただきます。
十二月の始めごろ、雪の舞う日に姉から絵葉書が届いた。宛名はわたしになっていて、差出人のところに姉の名前だけがあった。消印はちょうど一週間前の日付になっていた。絵葉書は海の側にある草原の写真で、草原には一頭の馬がいた。もう一度、裏返したが、メッセージはどこにも書かれていなかった。舞い込んできた雪がひとつ、馬の上に落ちた。わたしはそれをセーターの袖で拭ってから、玄関のドアを閉めた。
~野生の馬より 冒頭