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温故知”芯”~へっちゃら解釈~『Impro for Storytellers』≪第6章:⑯Instant Trouble(即座のトラブル)≫

前置き

このブログのタイトルにある「温故知芯」とは、私が大切にしている考え方を表した造語です。先人の知恵や経験を深く理解し、私なりに、その本質を捉えることによって、新たな発見や創造に繋げたい。そんな想いをこの言葉に込めています。

今回は、前回のnote記事(▽こちら)からの派生note記事です。
※「物語を妨げる行動リスト」のひとつを詳細に解説します。

おさらい

このnote記事では『Impro for Storytellers』(Keith Johnstone (著))

の、第6章 Making Things Happen の解釈について拙筆を走らせます。

この章では、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を阻害する様々な行動が挙げられています。

これらの行動を理解し、適切に対処することで、プレイヤーはより効果的に物語を構築し、観客の興味を引きつけ続けることができます。

今回は、以下の行動について、解説します。

Instant Trouble(即座のトラブル)

「Making Things Happen」セクションの「Instant Trouble(即座のトラブル)」は、即興劇(インプロ)において、物語を中断させ、展開を停滞させる可能性のある要素として扱われます。 このセクションでは、即座のトラブルが、どのように物語の流れを阻害し、観客の興味を失わせるかを説明します。また、これらの要素を理解することで、物語が活性化するヒントを提供します。

即座のトラブルに関する主なポイントは、以下の通りです。

即座のトラブルとは:

  • 物語の流れを断絶する要素: 予想外の出来事や登場人物の行動が、それまでの物語の展開を断ち切ってしまうこと。

  • 緊張感の欠如: トラブルが単に唐突に発生するだけで、登場人物の感情や行動に変化をもたらさないこと。

  • 観客の期待を裏切る要素: 物語に新たな展開が生まれることを期待していた観客が、ただ状況が混乱するだけを見て、興ざめしてしまう。

即座のトラブルの具体例:

  • 意味のない登場人物の乱入: 唐突に現れた人物が、物語に何の役割も果たさない。

  • 唐突な計画の変更: 物語の展開が、何の理由もなく急に変更される。

    • 例: 旅に出るはずだった人物が、突然、家で寝ている。

  • 説明の欠如: トラブル発生の原因や、影響が説明されない。

    • 例:突然、火事が発生するが、なぜ火事が起こったのかが説明されない。

  • 脈絡のない行動: トラブルに対する登場人物の反応が、脈絡がなく、不自然。

    • 例:大切なものを盗まれた人が、悲しむのではなく踊り出す。

即座のトラブルの弊害:

  • 物語の停滞: トラブルが、物語の展開を阻害し、何も起こらない状態にしてしまう。

  • 観客の期待を裏切る: 予測可能な展開を期待していた観客が、ただ状況が混乱するだけを見て、興ざめしてしまう。

  • 相互作用の欠如: 登場人物がトラブルに対して何も反応せず、関係性が変化しない。

  • キャラクターの個性の喪失: トラブルに対して、どのキャラクターも同じような行動をするため、個性が失われる。

  • 物語の焦点の不明確化: 物語の焦点がどこにあるのかが曖昧になり、観客の関心を失わせる。

  • 感情の欠如: 登場人物の感情が感じられず、共感することができない。

即座のトラブルの修正と活用:

  • 物語の発展への利用: トラブルを、単なる中断ではなく、物語を変化させる要因として活用する。

    • 例:トラブルによって、登場人物が新しい行動をとるようになる、新たな関係性が生まれる。

  • 感情の変化の促進: トラブルを通じて、登場人物の感情が揺さぶられることを利用する。

    • 例:トラブルによって、喜び、悲しみ、怒りなど、感情の振れ幅を強調する。

  • キャラクターの掘り下げ: トラブルに対する反応を通じて、キャラクターの新たな一面を掘り下げて見せる。

    • 例:普段は冷静な人物がパニックになったり、臆病な人物が勇気を振り絞ったりするなど。

  • 予想を裏切る行動: トラブルに対して、観客の期待を良い意味で裏切る行動をとる。

    • 例:トラブルにパニックになるのではなく、解決に動いたり、ユーモアで切り抜ける。

  • プラットフォームの構築: トラブルを物語の出発点として、そこから新たな物語を展開する。

    • 例:トラブルによって生まれた新たな関係性を活用して、物語を新たな展開にしていく。

重要な点として、インプロにおける「Instant Trouble(即座のトラブル)」は、本来物語に変化と予測不能性をもたらすはずですが、安易に使うと物語を停滞させ、観客の興味を失わせる可能性も秘めていることを理解する必要があります。即座のトラブルは、変化のきっかけとして使い、観客を常に驚かせ、演者の創造性を刺激するような、効果的な使い方を心がけることが大切です。

まとめ

第6章は、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を理解するための重要な章です。

これらの行動は、一見すると無害で、またはコメディのために必要不可欠なものに見えるかもしれませんが、実は物語の展開や観客とのつながりを阻害する要因となります。

プレイヤーは、これらの行動を認識し、意識的に避けることによって、より豊かで、刺激的な物語を創り出すことができるでしょう。

また、これらの行動を意図的に利用することで、物語がどうなっていくのかを理解し、自発的に物語を作り上げていく能力を高めることができるでしょう。


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