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温故知”芯”~へっちゃら解釈~『Impro for Storytellers』≪第6章:⑤Joining(同調)≫

前置き

このブログのタイトルにある「温故知芯」とは、私が大切にしている考え方を表した造語です。先人の知恵や経験を深く理解し、私なりに、その本質を捉えることによって、新たな発見や創造に繋げたい。そんな想いをこの言葉に込めています。

今回は、前回のnote記事(▽こちら)からの派生note記事です。
※「物語を妨げる行動リスト」のひとつを詳細に解説します。

おさらい

このnote記事では『Impro for Storytellers』(Keith Johnstone (著))

の、第6章 Making Things Happen の解釈について拙筆を走らせます。

この章では、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を阻害する様々な行動が挙げられています。

これらの行動を理解し、適切に対処することで、プレイヤーはより効果的に物語を構築し、観客の興味を引きつけ続けることができます。

今回は、以下の行動について、解説します。

Joining(同調)

「Making Things Happen」セクション内の「Joining(同調)」の内容は、即興演劇(インプロ)において、他のプレイヤーの行動や感情に同調し、同様の反応をすることで、物語の展開を停滞させる行為を指します。このセクションでは、同調がどのように相互作用を避け、物語を単調にするかを説明し、それを避けて物語を活性化させる方法を提案しています。

同調に関する主なポイントは以下の通りです。

同調とは:

  • 同調反応: 他のプレイヤーの行動、感情、発言に対し、同じような反応を返すこと。

  • バランスの維持: 相互作用における変化を避け、現状を維持しようとすること。

  • 変化の回避: 物語の展開を避け、変化を恐れること。

  • 相互作用の欠如: 他のプレイヤーとの間で、新たな要素を生み出すような相互作用がない状態。

  • 共感の欠如: 他のプレイヤーのアイデアや行動に、共感や理解を示さないこと。

  • 物語の停滞: 物語を前進させることをせず、現状維持に終始すること。

同調の具体例:

  • おばあさんへの訪問: 「おばあさんのところにクッキーを届けよう」という提案に、「私もそう思ってた」と、同調する。

  • 狼との遭遇: 「おばあさん、お口が大きいわね!」に対し、「あなたもそうね!」と、同じ反応を返す。

  • 絵画鑑賞: 「私の絵を見て」という誘いに、「あなたの絵も素晴らしいわ!」と、同じ感想を述べる。

  • パーティーでの行動: パーティーで他の人が楽しそうに踊っているのを見て、「私も踊ろう」と、同じ行動をする。

  • 同様の感情表現: 誰かが怒っている時に、同じように怒る。

同調の弊害:

  • 物語の停滞: 同調は、相互作用や変化を生み出さないため、物語の展開を妨げる。

  • 観客の退屈: 同じような反応が続くと、観客は物語に飽きてしまう。

  • 相互作用の回避: 同調は、他のプレイヤーとの相互作用を避け、物語の可能性を制限する。

  • 創造性の欠如: 新しいアイデアや展開を生み出すことを避け、物語を単調にする。

  • キャラクターの個性の喪失: どのキャラクターも同じような反応をするため、キャラクターの個性が失われる。

  • 展開の予測可能性: 同じような反応が繰り返されるため、物語の展開が予測可能になる。

  • 笑いの喪失: 相互作用がないため、ユーモアが生まれにくく、笑いが減る。

同調の修正と活用:

  • バランスを崩す: 他のプレイヤーの行動や感情に対し、異なる反応をすることで、相互作用を生み出す。

  • 変化を促す: 物語の展開を促すような、新たな行動やアイデアを提案する。

  • 視点の転換: 物語の展開を別の視点から捉え、新しい展開を生み出す。

  • キャラクターの個性を強調: 他のプレイヤーとは異なる行動や感情を表現し、キャラクターの個性を際立たせる。

  • 予想外の展開: 観客の予想を裏切るような展開を作り、物語を面白くする。

  • プラットフォームの拡張: 同調を意図的に使い、物語のプラットフォームを拡張する。

    • 例:カードゲームをしているシーンで、カードゲームを中断して他の行動をするためのプラットフォームにする。

同調と協調の違い:

  • 協調: 他のプレイヤーのアイデアを受け入れ、それを発展させる。物語を前進させるための連携。

  • 同調: 他のプレイヤーの行動を単にコピーし、物語を停滞させる。

重要な点として、インプロにおいて「Joining」は、物語の停滞、相互作用の欠如、観客の退屈につながるため、プレイヤーは同調を避け、積極的に他のプレイヤーと関わり、変化を生み出すことが重要です。同調を完全に避けるのではなく、プラットフォームを拡張するなど、物語を面白くするために意図的にジョイニングを利用することも、インプロの重要な要素であるとされています。
また、同調は「見かけ上は協調的に見える」ものの、実際には変化を避けるための策略であると指摘されており、注意が必要です。

まとめ

第6章は、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を理解するための重要な章です。

これらの行動は、一見すると無害で、またはコメディのために必要不可欠なものに見えるかもしれませんが、実は物語の展開や観客とのつながりを阻害する要因となります。

プレイヤーは、これらの行動を認識し、意識的に避けることによって、より豊かで、刺激的な物語を創り出すことができるでしょう。

また、これらの行動を意図的に利用することで、物語がどうなっていくのかを理解し、自発的に物語を作り上げていく能力を高めることができるでしょう。


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