温故知”芯”~へっちゃら解釈~『Impro for Storytellers』≪第6章:⑬Gagging(ギャギング)≫
前置き
今回は、前回のnote記事(▽こちら)からの派生note記事です。
※「物語を妨げる行動リスト」のひとつを詳細に解説します。
おさらい
このnote記事では『Impro for Storytellers』(Keith Johnstone (著))
の、第6章 Making Things Happen の解釈について拙筆を走らせます。
この章では、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を阻害する様々な行動が挙げられています。
これらの行動を理解し、適切に対処することで、プレイヤーはより効果的に物語を構築し、観客の興味を引きつけ続けることができます。
今回は、以下の行動について、解説します。
Gagging(ギャギング)
「Making Things Happen」のセクションにおける「Gagging(ギャギング)」とは、物語の本質を攻撃することで笑いを取ろうとする行為を指します。このセクションでは、「Gagging」が物語をどのように破壊し、不自然な展開を生み出すかを解説し、その解決策を探っています。
以下に「Gagging」に関する主なポイントをまとめます。
「Gagging」とは:
物語を攻撃する笑い: 物語の流れや登場人物の設定を無視して、無理やり笑いを取ろうとする行為。
物語よりも笑いを優先: 物語の自然な展開よりも、笑いを取ることを優先してしまう状態。
ストーリーを犠牲にする: 笑いを取るために、ストーリーの整合性や面白さを犠牲にしてしまう。
「Gagging」の具体例:
時代錯誤な言動: 古代ローマを舞台にした劇で、現代的なジョークや言葉を使う。
解説: これは、設定を無視して、無理やり笑いを取ろうとしている状態。
設定を無視した行動: シリアスな場面で、場違いなギャグやふざけた行動を取る。
解説: これは、場面の雰囲気を壊して、笑いを取ろうとしている状態。
ストーリー展開の破壊: 物語の展開を無視して、唐突にギャグを挿入する。
解説: これは、物語の流れを止めて、笑いを取ろうとしている状態。
キャラクターの崩壊: キャラクターの設定や性格を無視して、ギャグを言わせる。
解説: これは、キャラクターの魅力を損ない、物語のリアリティを壊している状態。
セリフのパロディ: 有名なセリフやフレーズをパロディ化することで笑いを取る。
突然の歌や踊り: 物語の文脈とは関係なく、突然歌い出したり踊り出したりする。
状況に合わない行動: 緊迫した状況で、場違いな行動をする。
例:殺人事件の現場で、急に踊りだす。
「Gagging」の弊害:
物語の破壊: 物語の展開や整合性を損なう。
観客の混乱: 観客は、ストーリーの脈絡が失われることで、混乱する。
リアリティの喪失: 物語のリアリティが損なわれ、観客が感情移入しづらくなる。
キャラクターの魅力低下: キャラクターの個性が薄れて、魅力がなくなる。
笑いの質の低下: 物語から切り離されたギャグは、面白くなくなる。
即興劇の質の低下: 物語が破綻することで、即興劇の質が著しく低下する。
「Gagging」のメカニズム
笑いへの欲求: 笑いを取りたいという欲求が強すぎるあまり、物語を犠牲にしてしまう。
安易な笑いへの依存: ストーリーを構築するよりも、手っ取り早く笑いを取ろうとする。
解説: ギャグは、即効性のある笑いを生み出しやすいが、物語を犠牲にしてしまう可能性がある。
思考停止: どのように物語を展開させれば良いかわからず、ギャグに逃げてしまう。
観客の反応への過剰な意識: 観客の笑いを取ることに意識が集中しすぎて、物語を見失ってしまう。
解説: 観客の反応を気にしすぎるあまり、物語の展開がおざなりになってしまう。
過去の成功体験: 過去に成功したギャグを繰り返し使ってしまう。
解説: 過去の成功体験に囚われていると、新しいアイデアを試すことを恐れてしまう。
「Gagging」の解決策:
物語を優先する: 物語の展開やキャラクターを大切にし、ギャグは物語の流れに沿って自然に組み込む。
笑いを物語に統合する: 物語の中で自然に笑いが生じるように、ストーリー展開を工夫する。
状況を理解する: 今、自分が演じている場面がどんな状況なのかを理解し、状況にあった行動やセリフをする。
即興を重んじる: 即興で生み出されるアイデアを大切にし、事前に用意されたギャグに頼らない。
観客の反応に左右されない: 観客の笑いを取ることよりも、物語の展開に集中する。
他のプレイヤーとの協力: 他のプレイヤーと協力して物語を創り上げ、一人でギャグに走らない。
変化を恐れない: 常に新しい展開を模索し、同じパターンのギャグに頼らない。
「Gagging」と他の阻害要因との関連性:
Being Original(独創的であること): 奇をてらったアイデアで笑いを取ろうとすることで、物語を混乱させる。
解説: 独創的なアイデア自体は悪くないが、物語を無視してまで独創性を追求すると、不自然になる。
Looping(ルーピング): 同じギャグやパターンを繰り返すことで、観客を飽きさせる。
Comic Exaggeration(コミカルな誇張): 過剰な表現で笑いを取ろうとすることで、物語のリアリティを損なう。
Sidetracking(脱線): 物語の本筋から外れたギャグや行動をすることで、物語を混乱させる。
Lowering the Stakes(賭け金を下げる): 危機的な状況を軽んじるようなギャグを入れることで、物語の緊張感を損なう。
重要な点として、インプロにおいて「Gagging」は、物語を壊し、観客を混乱させるため、プレイヤーはギャグに走るのではなく、常に物語を優先して、自然な笑いを生み出すように心がける必要があります。また、「Gagging」は、プレイヤーが物語をコントロールできていない状態、または安易な笑いに逃げている状態で起こりやすいとされています。プレイヤーは、ギャグに頼るのではなく、物語を創造することに集中する必要があります。
まとめ
第6章は、インプロ(即興演劇)における物語の推進力を理解するための重要な章です。
これらの行動は、一見すると無害で、またはコメディのために必要不可欠なものに見えるかもしれませんが、実は物語の展開や観客とのつながりを阻害する要因となります。
プレイヤーは、これらの行動を認識し、意識的に避けることによって、より豊かで、刺激的な物語を創り出すことができるでしょう。
また、これらの行動を意図的に利用することで、物語がどうなっていくのかを理解し、自発的に物語を作り上げていく能力を高めることができるでしょう。
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