梅しごと ~去年漬けた、梅干し~
これこれ、この、塩と紫蘇の味しかしない
素朴な、懐かしさが口いっぱいに広がる梅干し。
パントリーの床下収納の下には
パネルヒーターの配管が通っているので
腐るものは保管できない。
(家を建てる時にちゃんと考えればよかった)
去年常温でだいたいになるまで漬けたあと
ずーっと冷蔵庫に眠っていたチビ梅干し。
お弁当やおにぎりにちょうどいい大きさで、
今年は日本酒を少し垂らしたから、ほんのり甘い。
自分の祖母の梅は、カリカリで甘いところにもってきて、更に砂糖をつけながら
茶漉しが着いていない、穴で茶っ葉を濾すタイプの急須で入れた、お茶っ葉まで少し入った
渋いお茶を啜って、食べる。
私は体質的にか、清涼飲料水を摂らないように育てられたから、甘い飲み物や漬物、砂糖がたくさん入った甘い佃煮は、好んで摂らない。
お嫁に来て
夫のおじいちゃんの漬けた、しょっぱくて酸っぱくて、塩と大葉の
懐かしい味のするカリカリの梅に出会った。
おじいちゃんが亡くなったあと
義母が真似して作ったけど、カリカリさも、味も、なかなか近づかなくて。
カリカリ梅の素とかだと、素朴に漬けあげるのは難しい。
何年か義母が挑戦した後、とうぶん忘れていたんだけど、、
数年前に働いていたパン屋に農家の直売所があって、納品しに来た農家さんに
「小梅、いる?」と。
買う?って聞かなかったからくれると思ったんだけど、欲しいと言ったら、
「1袋300円だよ」だって。
そりゃそうだよね。
教員を早期退職して、農業で生計を立ててるんだから、急に「いる?」と言われたにせよ、図々しくもらえると思っていたのが申し訳ない気がした。
そんなきっかけから漬けてみた、梅干しだったけど・・・
塩と赤紫蘇だけで漬けた梅干しは
カリカリにはもちろんならなかったものの、
夫のおじいちゃんの漬けた
しょっぱい、酸っぱい、懐かしい味がしたんだ。
それから毎年漬けている。
毎年、姉妹におすそわけするのが恒例になっている。
姉妹と言ったって、少し離れたところに住んでいるし、家庭もあって
それぞれにお互いの生活があって、何かなければなかなか会えないから
”梅干しを届ける”、"焙煎したコーヒーを届ける"、
結構素敵な口実だな・・・と思う。
さて、今年も梅仕事の季節がやってきた。
梅干し、梅酒、梅シロップ、、
今年はどんな味になるかな~?