心のなかに隠れている恐怖心(2)
こんにちは。
前回は「心のなかに隠れている恐怖心(1)」という題で、僕の中にある恐怖心について書いてみました。それに対する対応策を考える前に、もう少し恐怖心を掘り下げてみたいと思います。
恐怖心という言葉は、あまり日常で使われないことが多く、乗り物やスポーツ、新しいことへの挑戦などの文脈でしか語られることが少ないような気がします。
また、恐怖心は取るに足らないもの、邪魔で情けないものと捉えられている傾向があるのではないでしょうか。
よく考えてみると、大小様々な恐怖心が日常に隠れていると思われます。
家事、買い物、その他のお金の支払、仕事、趣味、人と交流したい、人からの誘いや頼みに乗るか乗らないか、自分の人生の決定、ちょっとした物事の決定などなど、こういった様々な事柄や場面に恐怖心が介在していると思われます。
不快、不安、身動きとれない、どうしたら良いかわからない、自信がないと表現されることの多くに恐怖心が隠れていますが、恐怖心という言葉に置き換えることでその複雑な感情を少し単純にできる可能性があると思います。
では、次に僕が思いつく日常での恐怖心を挙げてそれを分類し分析したいと思います。
生活の中にある恐怖心
人それぞれ恐怖心を感じていることは違うかとも思いますが、多くは共通する恐怖心かと思います。
パッと思いついた恐怖心を以下に挙げます。
1 .命が失われてしまう、死んでしまう、物理的に痛い思いをする、怪我をする、健康を害する
2.お金で損をする
3.失敗してそれの後処理のために大変な思いをする
4.人間関係を失う
5.人から劣っていると思われる、人から価値がないと思われる
6.周りの人と比べて自分が劣っていると感じる恐怖
7.自分を責めてしまう・失望する、自分をダメなヤツだと思うのが怖い
8.物を失う、壊したり汚損してしまう
9.自分の可能性やチャンスを失う
10.行動したり、お金をかけたけど無駄だったと感じてしまうのではないかという恐怖心
11.時間が無駄になってしまうという恐怖心
12.嫌な思いをするのが怖い
13.怒られるのが怖い
14.人に失望されるのが怖い
15.自分の立場が危うくなる
16.自分の常識や考えを否定されてしまう、もしくは否定されるような事実に遭う
17.自分の信念に疑問を投げかけるような考えに人間は恐怖を感じ、怒ってしまう
18.挑戦したけど上手く行かなかったときのことを考えると怖い
19.新しい環境に飛び込む
20.生活の物事でどうやって対処したら良いかわからないという恐怖
21.自分自身が、自分の精神がどうなるかわからないという未知への恐怖
22.自分とは何なのか、生きるとは何なのかという実存的恐怖
1は普段の生活から遠ざけられているか、もしくは意識しないで暮らしている方も多いと思います。
2は、普段の買い物や生活でありふれていて、それを避けるために行動している方も多いのではないでしょうか。
3は新しいことやモノ、情報が少ないことやモノに初めて触れるときには付いて回る大変さであると思います。それを怖いと感じている場合も多いのではないでしょうか。
4、5、6、7は私達は学校や職場、様々な人間関係において感じる身近な恐怖心だと思います。そして、それをまた感じるのではないかと予期して恐怖を感じるというパターンがあります。
8はスマホを失くしてしまう、服を汚してしまうのではないかとか意外と生活において感じる恐怖心ではないかと思い挙げました。
9は進学、就職、結婚などをするときに感じられる恐怖心であり、誰かの誘いや仕事の提案があったときにも感じられる恐怖心です。
10は損したくない、上手くいく方法だけを取りたいという感情に繋がっていきます。行動が出来なくなるパターンに繋がる場合が多いです。11も貴重な時間を失うという恐怖。10も11も物事の選択は全てトレードオフなので受け入れる必要があるのですが、「今週の日曜日も無駄にしてしまった」と不快感を感じるのを恐怖するというような感じです。
12,13,14は不快な感情を感じるのを避けるという行動に繋がっていきます。
15は学校でも、職場でも何らかのグループでも新しい人が現れると、自分が安全で人から頼られる位置にいれたものが脅かされるという感情です。時々この感情を抱いている人を見かけます。
16、17は 現在、社会は価値観が多様化し、自分が身につけた価値観とは違った価値観を持つ人がたくさんいる世の中ですが、自分が信じてきたり当たり前だったことに疑問を感じられるような人や考えに触れることを、一般的に人間は恐れるということです
18は9,10,11と同じような恐怖心も含まれていますが、上手く行かなったときにどうしたら良いかわからなくなる不安に対する恐れという意味で入れました。
19,20,21も18と同じような感じです。さらに加えて未知への恐怖のような感じです。
22は死とは何か、生きるとは何かとか、自分は何かなどの実存的恐怖ということにしておきます。
次に、恐怖心を羅列したものを、大まかに分類していきます。
恐怖の分類
A.人間関係の恐怖:人間の群れに所属していたい、信頼のある人間関係の中で生きて行きたいという性質から引き起こされる恐怖、猿の群れのように自分の序列が下がるという恐怖
4.人間関係を失う
5.人から劣っていると思われる、人から価値がないと思われる
14.人に失望されるのが怖い
15.自分の立場が危うくなる
B.損失の恐怖:物や時間、お金、大事な人間、機会、可能性を失う、失うことによって喪失感を感じることに対する恐怖
1 .命が失われてしまう、死んでしまう、物理的に痛い思いをする、怪我を する、健康を害する
2.お金で損をする
4.人間関係を失う
8.物を失う、壊したり汚損してしまう
9.自分の可能性やチャンスを失う
10.行動したり、お金をかけたけど無駄だったと感じてしまうのではないかという恐怖心
11.時間が無駄になってしまうという恐怖心
17.自分の信念に疑問を投げかけるような考えに人間は恐怖を感じ、怒ってしまう
C.苦労や大変な思いへの恐怖:大変な思いや苦労をしたくないという恐怖、自分の能力を超えたことや失敗の後処理をする苦労への恐怖
3.失敗してそれの後処理のために大変な思いをする
18.挑戦したけど上手く行かなかったときのことを考えると怖い
19.新しい環境に飛び込むことへの恐怖
20.生活の物事でどうやって対処したら良いかわからないという恐怖
D.劣等感や無力感を感じることへの恐怖:自分が劣っている、今後やっていけない、続けられないという自責や後悔など自分自身を責めたり劣っていると感じることへの恐怖
4.人間関係を失う
5.人から劣っていると思われる、人から価値がないと思われる
6.周りの人と比べて自分が劣っていると感じる恐怖
7.自分を責めてしまう・失望する、自分をダメなヤツだと思うのが怖い
12.嫌な思いをするのが怖い
13.怒られるのが怖い
15.自分の立場が危うくなる
16.自分の常識や考えを否定されてしまう、もしくは否定されるような事実に遭う
17.自分の信念に疑問を投げかけるような考えに人間は恐怖を感じ、怒ってしまう
E.損害や被害への恐怖:どうなるかわからない(大変なことが起こるかもしれない)という恐怖
1.命が失われてしまう、死んでしまう、物理的に痛い思いをする、怪我をする、健康を害する
2.お金で損をする
8.物を失う、壊したり汚損してしまう
15.自分の立場が危うくなる
F.純粋な未知や人間の根源的な問いに関する恐怖
1.命が失われてしまう、死んでしまう、物理的に痛い思いをする、怪我をする、健康を害する
16.自分の常識や考えを否定されてしまう、もしくは否定されるような事実に遭う
17.自分の信念に疑問を投げかけるような考えに人間は恐怖を感じ、怒ってしまう
19.新しい環境に飛び込むことへの恐怖
21.自分自身が、自分の精神がどうなるかわからないという未知への恐怖
22.自分とは何なのか、生きるとは何なのかという実存的恐怖
それほど綺麗にはまとまりませんでしたが、22個あった恐怖心を6つの分野に減らすことが出来ました。また、恐怖心というのは一つのことを恐れているではなく、複数のことを恐れている場合もあることがわかるかと思います。
あまり多くの項目があり過ぎるとそれだけで圧倒される気持ちになってしまうので、少し圧縮できただけでも対処しやすくなりそうです。
まとめ
恐怖心について少し掘り下げてみましたが、思いの外、生活において恐怖心が至るところに存在しているなと感じました。
そういった恐怖心が存在していることに気が付くことは、物事の上達や目標達成、悩みや問題点を解決するために必要かと思います。
一般的に、人間の性質は、快を求め不快を避けるというものにあると、心理学者が言っています。この不快というものの多くは実は恐怖心ではないかと思ったので、身近な恐怖心について書いてみました。
今回の記事で恐怖心が、日頃の感情や行動、悩み、選択などに関与しているかを考えるきっかけになれば幸いです。何かに思い悩んでいたり、上手く行かない、成長できないなどの躓きを抱えている方は日頃感じている恐怖心を挙げてみるのはどうでしょうか?
目に見える形になれば、多少コントロールもしやすくなるのではないかと思います。