展示会効果の最大化の要となる、最適化されたオペレーションとは -前編-
株式会社ログラス マーケティング部のプレアドベントカレンダーとして、私からは、展示会のオペレーションについてお伝えさせていただきます。
かなりボリューミーな内容になるので、前編・後編と分けさせていただきます。
本noteは、下記のような方々におすすめです!
少しでも参考になりますと幸いです。
まず、「展示会に対しての投資をどのようにしたらいいかわからない」という方は、我らがマーケのリーダー、刈谷さんの先日投稿されたnoteをご覧いただければと思います。
さて、本noteの目次はこちらです。
▶自己紹介
まず、私が何者かというところから簡単にお伝えさせていただきます。
結構特殊な経歴でして、役者やスーツアクター(仮面ライダーやスーパー戦隊などの中の人)からビジネスマンに転身しました。
詳細は下記プロフィールのとおりです。
▶展示会業務の問題点
2022年12月から展示会業務に携わるようになり、まずは展示会に集客担当として出て、どういった流れで展示会を企画運営しているかの全体像を把握いたしました。
そこで問題と捉えた大きな点が1つありました。
それは、、展示会のオペレーションです。
細分化すると下記3点です。
順番になにが課題だったかをご説明いたします。
1、獲得した名刺のデータ化に時間がかかり、架電するまでに約5営業日を要している
展示会で獲得した名刺をデータ化するために何を行っていたかというと
まず、この工程でISの工数が約2営業日かかっておりました。
その後はSalesforceにインポートをする工程が発生し、MQLを判定し架電するまでを計算すると、約5営業日。。
展示会リードは5営業日をすぎると、沢山の展示会出展会社から連絡を受けるのでもはや覚えられておらず、アポ率がぐっとさがる傾向にあります。
まずは、ここを解決できないかと考えました。
2、Salesforceへのインポートに時間がかかり、さらに既存取引先、取引先責任者とのマージ処理にも多くの時間を要している
インポートファイルをSalesforceに入れるにも、そのまま入れて終わり、というわけではなく、Salesforce内に既に入っている既存取引先や取引先責任者との重複を確認しながらインポート&マージ作業を行わなければならないです。
この作業に、SalesforceのOps側の工数も使うことになり、約3営業日かかっておりました。
実はこのマージ作業、結構大変でして、、ある程度システマチックにもできるのですが、最終的には手動でチェックしなければなリませんでした。
例えば、下記のように表記揺れがあった場合は、3つの取引先ができてしまいます。
・株式会社ログラス
・(株)ログラス
・ログラス
これらは全て同じ会社なので、手動で名寄せをしなければならず、このようなリードが何千もあるリードの中にどれくらいの数が潜んでいるのかもチェックしないといけない。
しかもこれは簡単な例でして、一番大変なのは、同じ会社名だが、本当は別会社のパターン。
ネットビジネスサポート株式会社の調査した内容によると、「法人番号公表サイト」のデータを集計したところ、社名がユニークな会社、すなわち同じ社名の会社が存在しない会社は、全体の約61%でした。残りの40%近い会社は、同じ社名の会社が1社以上存在するそうです。
もはや、ここはSalesforce運用の闇といってもいいでしょう。
3、手動でMQL判定をするので、MQL判断が一部属人的になっていたり、誤っているケースも見受けられる
弊社はFORCASを使用しており、その情報を付与するのは、サポートの方がFORCASを使い、週1回Salesforce内のデータ更新を行っておりました。(当時はSalesforce連携がオプションで、かなり高額だったため使用しておらず。。)
それを待つ前に架電をしたいので、Salesforceへのインポートが完了した後、ISチーム内で取引先ベースでMQLかどうかの判定をしておりました。
要は、”自社のお客様となっていただける可能性のある方を精査していた”のですが、これもISチームのメンバーがWEBで年商を調べ、MQLに該当するところに対してチェックをいれるという、まさに属人化されたフローになっておりました。
こうすると何がおきるかというと、MQL判定の見落としが生じるであろう環境で売上逸失が起こってしまう可能性が高い状況になっておりました。
もはや、気持ちとしてはこんな感じ
▶課題に対する解決策とは
これらの解決策として考えたのがまさに、前職で提案していた
「名刺管理ツール+データクレンジングツール」でした。
前職がSansanということもあり、まず検討したのがSansan+Sansan Data Hubです。
同時に比較検討させていただいたのが、顧客データ統合ツール+名刺管理ツールを持つ競合サービスでした。
そもそもSansanについてはよく理解していたので、競合サービスについても詳しく検討しました。
ツールとしてはとても優秀でしたが、拠点データまでは取る必要はないということで、Sansan+Sansan Data Hubを選択しました。(もちろん費用的にも差があったというのもありますが)
ただし、ここで1つの壁が生じました。。。
そう、ツールの導入において、とても重要な”稟議”です。
私自身はこのツール導入に関する価値はわかっていたので、すんなり通ると思いきや、、、稟議内容をもっと定量的にした上で、なにがどう変わるからどういった価値があるかをより明確に示す必要がありました。
さらに、撤退ラインもしっかりと決めた上で上申することが必要。
自分なりに考えた稟議が一蹴され、稟議通過にかなりの工数がかかりました。要は、私が考えた内容では少し薄く、フェルミ推定も入れた上で稟議を書く必要がありました
様々な人の助けにより、上記をより明確に明記した結果、無事に社長承認を得ることができました。
SaaS問わず、システム導入の稟議って、こうして落ちるんだな。。。とすごい学びになりました。
結論として一部を公開すると、”1回の展示会における費用が計100,000円〜171,000円の削減できる”という試算ができました。
参考までに、当時出した稟議項目のROI部分をマスキングした上で本noteの最下部に一部を展開いたします。全体で約6000字ほどの稟議を書いて出しておりました(笑)
▶Sansan+Sansan Data Hub導入の具体的な効果
IS、マーケ、コーポレート、Ops、様々な人の助けがあり、ようやく導入できた本サービスですが、導入後に何が変わったかというと、下記の通り。
・オンラインからの流入リードの名寄せとマージの精緻化
・オフライン(主に展示会)リードのリッチ化と半自動名寄せの実現
AsIs、ToBe図を見比べると、違いがわかるかと思います。
▶具体的な効果のBefore→After
Before→Afterをまとめると下記の通りです。
1、獲得した名刺のデータ化に時間がかかり、架電するまでに約5営業日を要している
↓
展示会場でSansanでスキャンを行い、最短翌日までにデータ化(20枚/ID)
※Eight+Spreadsheetの加工工数をすべて解消
2、Salesforceへのインポートに時間がかかり、さらに既存取引先、取引先責任者とのマージ処理にも多くの時間を要している
↓
データ化完了後、タグ=キャンペーンがついた状態で取引先、取引先責任者ができる(名寄せも合わせてできる)
※1時間に1回のバッチ処理により、手動インポート工数が劇的に削減
3、手動でMQL判定をするので、MQL判断が一部属人的になっていたり、誤っているケースも見受けられる
↓
Sansan Data Hubのリッチ化された情報+FORCASの情報をあてることで、MQL判定が半自動化され、人為的なミスがほぼなくなった
※ISメンバーが属人的にWEBで検索していた工数も全て削減
これで当初課題に思っていたことはほぼ解決され、以前のオペレーションからは劇的に改善された状態になりました。
いまでは、「展示会のオペレーションにおいてSansanがない世界なんて考えられない!」というくらい運用に乗っていて、推進担当としてはとっても嬉しい現状になっております。
これでめでたしめでたし。。。とは行かず。
楽になった分、顕在化していたさらに深い課題の着手に加え、、別のさらに困難な課題に直面いたしました。。
その課題をどう解決し、さらに完成されたオペレーションにするためにはどうすればいいのか。。。!?
というのは22日(水)に公開する後編でお伝えさせていただきます!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!!
次回のログラスマーケのプレアドカレは、20日(月)戦略PRの鈴木岳さんがお届けいたします!お楽しみに!!