モチベーション? そんなもん、ないない!①:スピンバイク
初日、バイクに乗ったら即・後悔
スピンバイクが届いたその日。
「どーん!」と玄関に鎮座する、引っ越しでもするんか? ってレベルの巨大な段ボール。
わたし、ワクワクが止まらん。ガムテープをバリバリ剥がしながら、脳内BGMは『ロッキーのテーマ』。もうチャンピオンになった気分で、バイクにまたがる。
「よっしゃ、わたしも世界のライダーになるでー!」
と、ドヤ顔でペダルを踏み込んだ瞬間。
……開始10分で、わたしの脳内に後悔という名の爆弾が投下された。
太もも、パンッパン。膝、プルプル。筋肉たちが慌てふためいている。
「えっ、急にどうした? こんなハードワーク聞いてない!」って、体の中から悲鳴が上がる。
汗? いやもう、汗じゃなくて滝。鼻からボタボタ落ちて、まるで自分の顔面に滝行を強いている。
心の中のわたし、絶叫。
「これ、絶対10分の拷問やん!!」
あれ? わたし、なんで自主的に罰ゲームを受けてるんだ? 前世でなにか悪事でも働いた?
だけど――なぜか続けてしまう。止まらない。わたしの中のネジが一本、いや二本、確実にぶっ飛んでる。
10分の拷問も、今やウォーミングアップ!
朝5時。スピンバイクで30分滝汗を流して身体をイジめた後、すかさずウォーキング25分。そして、ジョギング5キロが、ルーティン。
いや、どんだけ動くねん、わたし!
鏡に映った汗だくの自分と目が合う。なんかもう、滑稽すぎて笑えてくる。
「何してんだ、わたし」でも、その笑いがちょっとだけ誇らしい。
習慣化にコツなんてない。
汗だく、筋肉痛で足はガクガク。
それでも、ふと気づく。
「わたし、ちゃんと前に進んでる」
を実感すること。
完璧じゃなくていい。わたしのペースで、ゆっくり進めばそれでいい。
昔のわたしには想像できなかった。
スピンバイクをこいで、汗まみれで笑っている今のわたし。
正直、どうかしてる。でも、その「どうかしてる」わたしが、今は最高に好きだ。
バチコーン!とスイッチが入ったわたしの人生。面白すぎて、エンドロールなんてまだまだ見たくない。