【ハーブ紹介】予防と回復のハーブ アストラガルス
アウトラガルス(Astragalus membranaceus)というハーブは漢方の「黄耆(おうぎ)」としても知られています。
効能が超すごい!
ハーブに優劣なんかつけられないし、
どのハーブもすごいので
この表現は私の語彙力の無さなのですが
現代人、特に中高年で不調が出始める頃に
ここにも、ここにも、ここにも効いてほしい
みたいな痒いところに手が届くような効能がぎゅ~っと詰まったハーブなのです。
そしてなんといってもこのハーブの一番の推しポイントはですね
「予防」効果です。
今日はこのとってもいけてるハーブ、アウトラガルスについてです。
アウトラガルスとは
中国原産の豆科の植物です。
先に挙げたように和名は「オウギ」
漢方と西洋ハーブの違いは抽出方法です。
漢方ではハーブを煎じる(デコクション)のに対し
西洋ハーブはハーブをアルコールと水にひたしたチンキ・ティンクチャーを使います。
伝統的な効能は煎じた中医学的な効能から
現代医療などで研究されている効能はチンキを使用してえたデータが元です。
鍵となる効能
たくさん効能があるのでまずは鍵となる効能をあげてみます
アダプトゲン(内外のストレスに抵抗能力を上げる)
アンチエイジング
抗酸化作用
免疫作用(抗がん、自己免疫疾患、感染症予防)
心臓・腎臓・肝臓を守る
強壮剤
興味深い免疫作用
アストラガルスといえば、「免疫作用」というくらいこの効能は有名です。
ちょっと特殊な免疫作用です。
① 感染症「予防」と感染症後の「回復」に特化した作用
毎年インフルになる人
頻繁に風邪をひく人
免疫が低下した人(年配者や疾患がある人)の感染症予防
風邪やインフルから回復が遅い人
感染症後の後遺症
慢性の感染症(回復しない、または感染を繰り返す)
周りで感染症が流行り出したら「予防」に
また感染症後引きずって、ずるずる体調が元に戻らない
という時にも効果抜群です。コロナの後遺症とかにもすごい良いですよ!
ポイントは「急性の感染症(風邪やインフルなどひき始め)には使わない」が鉄則です。
これは中医学の教えなのですが、西洋ハーブ医学でも尊重される教えです。
② 慢性の免疫異常
慢性の免疫低下
免疫力の回復
がんの予防
に効果があるので
免疫が絡む慢性疾患(自己免疫疾患など)などにも効果が期待できます。
こういった慢性免疫疾患の治療法は現代医療ではほぼ確立されていませんよね。
免疫システムが正常に働くようにしてくれるのがアストラガラスのすごいところです。
免疫異常といえば、がんの発症もそうです。
正常ならば癌細胞は体から免疫の働きによって排除されますが、免疫がきちんと機能しないことにより発症するとされています。
がん予防で注目されるアストラガラスのチンキやこのハーブ特有の多糖類成分は
ー B細胞を刺激
ー T細胞を活性化(サイトカイン生成を含む)
ー マクロファージとNK細胞を活性化
することにより免疫機能の向上が見られると推察されています。
またがん治療の補助として、副作用の予防にも注目されています。(自己判断はしないで主治医に必ず相談しましょう)
伝統的な臨床データは揃っていても現代科学や医療のデータはまだまだエビデンスとなる結論までには至っていません。期待があつまる分野だけにこうご期待です。
疲労に効く
日本全国10万人に対して2017年から21年にかけて行われた「日本の疲労状況」の分析にちょっとびっくりしました。
約8割もの人たちが「疲れている」と「慢性的に疲れている」と感じているようです。(年代別ではシニアの方が20、30年代より元気!)
「疲労」っていっても色々あります。
若い世代はおそらく、仕事・育児・家事などやることが多いからだと推測しますが
「疲労」は侮れません。
その疲労感、倦怠感はどこからくるのか
必ず突き止めたいものです。
特に休んでも元気にならない時は要注意です。
アストラガルスは
慢性疲労症候群
慢性疾患による疲労
病気の回復時の疲労
ストレスを感じている時
などに効果があります。
疲労からくる集中不足や記憶への支障などにも効果があります。
私も自己免疫疾患の膠原病があるので疲労には悩まされますねぇ。めっちゃ鬱陶しい!
今では(やっと)自分で調節して疲れすぎないように(ほぼ)マネージメントできていますが
発病当初はしょっちゅう横にならないといけなかったので辛かったです。
たかが疲労、ですがQOLに影響します。
個人的には、「疲労対策」として
アストラガルスと冬虫夏草のコンボは慢性疾患の疲労(コロナ後の疲労も含め)
アストラガルスとイチョウの葉、バコパ(Bacopa monniera)はメンタルの疲労(脳の疲労、疲れすぎて頭がぼーっとするという人など)
など他のハーブと混ぜることでより効果的にもできます!
とにかく原因を理解して「疲れている」がディフォルト設定にならないようにしましょうね!
回復パワー
心循環器系の疾患(高血圧、心臓病とか)
腎臓の疾患
肺・呼吸器の疾患(喘息など)
消化器系の不調(食欲不信など)
肝臓を保護する役割
あげだすと、「えっ効かないところあるのですか?」
というくらい幅広い効能が挙げられます。
これらの効能がメインとして使われるというよりも、
トニック(強壮剤)とアダプトゲンとして
体全体を
この「回復パワー」が多くの疾患や不調にも働くので
体を元気な方へと引っ張ってくれるのではないかと私は思っています。
個人的にはバイタリティをアップさせるハーブだと思っています(これはハーブ書とかには書いてない私の個人的な意見です)
中高年になると、
やっぱりここそこに不調は出てきたりします。
そらぁあなたも体も頑張ってるけど、ちょっと追いつかないこともありますよね。
ちょっと疲れたなぁと感じたら
体全体の回復薬的にアストラガルスに力を借りてみるのもいいかもしれません。
おまけの効能
アストラガルスは「腸内細菌のバランスをよくする」という効能もあると考えられています。
腸内細菌叢とハーブは、本当に新しいトピックで
まだまだ未開の地です。
免疫と腸内細菌は密接な関係なのでこれは納得な効能ですが
まだまだ発展途上の効能かもしれません。
注意事項
安全なハーブですが急性の感性症の際は使用を避けましょう。
妊娠中、授乳中の人は専門家に相談しいましょう。
最後に
少し寒くなってくると、必ず毎年風邪をひいちゃうっていう人が一定数います。
健康食品店や調合薬局で働いていた時結構お客さんにいました。
そしてアストラガルスを進めると、必ずといっていいほど
「あれだけ毎年体調不良になっていたのに今年は全然風邪ひかなかった!」と感謝されました。
いやいやすごいのは私ではなく、ハーブです笑
やっぱハーブ最高ってなるひとときでした。
先日書いた「オーストラリアのクリニックで人気ハーブ トップ6」の一つ
アストラガルスについて
久々の「ハーブ紹介」でした。
ハーブのことを書くのは楽しいです。
一応ハーブのマテリアメディカと言われるハーブ書を何冊かペラペラしながら自分の思うハーブと照らし合わせて書くのですが
書いているうちに、
そうそう、ここがめっちゃ凄いねん!とか大阪弁が出てきてノリノリになります。
アストラガルス、やっぱ凄いなぁ。
という語彙力ゼロに戻ってきてしまったけど
こんな素晴らしい病気を予防・弱った体を回復してくれる薬草があることを
知ってもらえたら嬉しいです。
こちらもぜひ