見出し画像

「なめらかな社会とその敵」鈴木健氏。もっと早く出会いたかった・・・。

メンバーが紹介していたこの本。
「?」と思って読んでみた。

「こういう本を書いている人が日本にいたんだ!」

「啓蒙主義の社会思想の多くは,このことを完全に無視するか,少なくとも誤った認識をもっていた.私たちは,まず生命を語り,その延長線上の存在として人間と社会制度について語らねばならない.社会システムは生命システムにおける一現象に他ならない.」

「したがって,社会システムにおける膜と核の問題は,生命システムにおける膜と核のアナロジーではない.社会システムにおける膜と核の問題は,生命システムにおける膜と核の進化的展開なのである.」

『なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論
(ちくま学芸文庫)』(鈴木健 著)

鈴木健氏

「社会システムにおける膜と核の問題は,生命システムにおける膜と核の進化的展開なのである。」

この表現は、最近私が何度も引用している、
『社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観』
(デイヴィッド・スローン・ウィルソン, 高橋洋 著)より

また、この
「世界は『関係』でできている」

子供の頃から宇宙の話が好きで、大人になってもずっと科学全般、「進化」の話や、物理世界の「関係」ということを考えさせてくれるこれらの本を読んでいると、

「人間もこの世界に存在している生物であり、宇宙の中の現象の一部だ」

という感じで、
「人間も、ひとつの物理現象」と見ようとする癖が付いてきたようで・・・(笑)


でも、あまりにも現在の社会の問題を考える時に、
「視点を引き上げすぎていて、実際の問題解決から逃避している?」
と思うことも。

それでも、人は自分の目の前の問題に気持ちが向いてしまい、狭い範囲での思考をしがちなので、それを切り替えるためにも、私は好きな宇宙をイメージしたり、「物理現象の面白さ」に惹かれて、こういう本を読むのですが・・・。

ところが、
「なめらかな社会とその敵」
この本を読み始めてすぐに、

「社会システムにおける膜と核の問題は,生命システムにおける膜と核の進化的展開なのである.」

とあるのです!

思わず、「やっぱりそうだよね!」と言ってしまいました。
この本は「生命システムの進化の結果」として、今の「社会システム」を見てみようと言っているようです。
そして、問題解決の提案をしてみると。


私は、コロナ禍以降、情報を得る場所を変えてから、それまで出会えてなかった日本での本や情報を発信している人たちに出会いました。
還暦を前にして、「なんで今なの?」と。

自分なりに探していたつもりなのに・・・。
でも今自分が知りたかったことにようやく繋がることができた。

人生二周目。
今、学生気分。

自己複製によって維持される主体は、利己的な遺伝子ではなく、細胞の代謝ネットワークのダイナミクス全体なのである。

単に遺伝子が自己複製されて、生き残っているということではなくて、システム全体としての生物が、自己複製されているということでしょう。
言われてみれば、その通り!
でもこの考え方の違いが、この後の社会システムを考えていくために明確にしておく所のようです。

この本も、最初にこれらの生物学的な言葉の定義や「生物とは?」の基礎部分の説明を踏まえて、今の社会システムを考えていく。
とても面白いです。
読み始めたところですが、おもわず感想を書いてみました。

最後にどんな提案がされているのでしょうか。

コミュニティに感謝!!